どうして、ただの女子高生が魔王と戦うことになるわけ!?

小松広和

文字の大きさ
74 / 74
第五章 さあレベル上げだ!

第七十三話 効率的なレベル上げ

しおりを挟む
 効率のいいレベル上げをするために大きな森に来ている。この森の奥にはたくさん経験値がもらえるモンスターがいるそうだ。
 強いモンスターじゃないといいけど。
「もうそろそろだ。虹色のモンスターを見つけたら教えてくれ」
「そのモンスターって強いですか?」
「大丈夫だよ。そんなに強くないから。ただやたらと丈夫なうえにすぐ逃げるんだ」
 強くないのならいいか。ていうか、かなりお得なモンスターだよね?

 私が森の中を注意深く見ていると虹色のものが見えた。
「勇者様! あそこ」
「いたぞ! レインボースライムだ」
 私たちは早速で攻撃を仕掛ける。

 勇者様の攻撃。レインボースライムに1のダメージを与えた。レインボースライムの攻撃。サラに1のダメージを与えた。
 何よ、この地味な戦闘は?
「もう少しだ。みんな頑張れ!」
 レインボースライムは逃げて行った。
 なるほど、こういうことか。負けそうになると逃げるんだ。

「あ、またいたよ」
 今度は虹色のモグラだ。これもきっと弱いよね?
 勇者様の攻撃。レインボーモグランに1のダメージを与えた。レインボーモグランの攻撃。麗華に3500のダメージを与えた。麗華は倒れた。
「大丈夫ですか?」
「私どうなったの?」
「死んじゃったから復活の魔法をかけました。たまたま成功してよかったですね」
 クレアが笑顔でとんでもないことを言っている。
確か4時間以内に復活できなかったら二度と生き返らないんだよね?
「それより、あのモグラ強いじゃないですか?」
「本当は弱いんだけどね。100万分の1の確率で強い攻撃を仕掛けてくるんだ」
 私って運悪すぎじゃない?

 その後もいろんな虹色のモンスターと戦っては逃げられた。
「これじゃきりがないよ」
 アイラが疲れた声でそういうと切り株に座り込んだ。
 そう言えばもう2時間は戦い続けている。因みに0勝0敗57引き分けだ。
 私も疲れたな。

「挟み撃ちにしてはどうでしょうか?」
 クレアの提案にみんなが注目する。
「私とサラさんが隠れていて、戦闘が始まったらモンスターの後ろに出て行くんです」
「なるほど、それはいけるかも」
 勇者様が核心を持った声で言った。これでレベル上げ成功だね?

 レインボータヌキチが現れた。サラとクレアがモンスターの背後に回った。レインボータヌキチは横から逃げて行った。
「ダメじゃん」
 サラがため息をつきながら言う。
「では、こうしましょう。全員で5角形に囲むのです。これなら逃げられませんから」
 
 レインボーシッポが現れた。私たちは奇麗な5角形を作ってレインボーシッポを取り囲んだ。
 レインボーシッポの攻撃。クレアに1のダメージ。サラの攻撃。レインボーシッポに1のダメージ。
「これなら行けそうだ。あと少しだ。みんな頑張るんだ!」
 レインボーシッポは私の方に突進してきた。そのまま私の足元を潜り抜けて走り去った。シッポって走れるんだ? そんなことより。
「どうして一番運動神経が悪い人を見抜けるのよ!」
「きっと野生の勘だね」
 アイラがぼそりと言った。

 結局、何をしたって逃げられるみたい。これだけ戦ってもレベルは全く上がっていないよ。
「こうなったら最後の手段です」
 クレアが真剣な目で訴えている。
「網か何かで罠を作って、かかったモンスターを全員でボコりましょう」
 ここまでくると勇者一行のすることじゃないよね?

 疲れ切っているためか、全員が必死で罠を作り始めた。みんな早くこの状況をなんとかしたいみたい。
 そして完成。網で作られた罠ができた。これを木に吊るしてその中に餌を置いた。モンスターが餌を取りに入ると重みで罠にかかる仕組みだ。

 ガサ!
「レインボーモンキーが罠にかかったぞ」
 勇者様の一声で全員、罠のところに駆け寄る。訓練されたみたいに早い集合だ。
そしてみんなでレインボーモンキーを袋叩きにした。
「よし、倒したぞ!」
「これでレベルが上がるわね」
 アイラが手を上にあげて喜んでいる。

 シーン。
 あれ?
「レベル上がった?」
 アイラがみんなに聞いた。そう言えば音が鳴らないような?
「上がった感じがしませんね」
 クレアが自分の体を見て答える。

「レベルは上がってないね」
 突然ポチが例の本を出して言った。
「どうしてー?」
「調べてみるよ」

 ポチが本の辞書機能で調べている。何かの手違いかな?
「レベルが上がらない理由がわかったよ」
「何?」
 みんながポチのところに集まってくる。
「卑怯な手段を使ってモンスターを倒したときは経験値を得られないんだ」
 世の中そんなもんだよね?
 今日一日が無駄に終わってしまった私たちは、肩を落としてとぼとぼと森を去るのだった。
しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

あ
2022.09.09

はじめまして。このような種類の小説を始めて読みましたが、とてもおもしろいですね。これからも楽しい作品をよろしくお願いします。

解除
のぞみん
2022.09.07 のぞみん

とても面白く読ませていただきました。主人公の女の子がとてもかわいいですね。

解除

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~

鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。 そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。 母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。 双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた── 前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft
ファンタジー
アヴァロン王国は現国王が病に倒れて、第一王子が摂政に就いてから変わってしまった。度重なる重税と徴収に国民は我慢の限界にきていた。国を守るはずの騎士達が民衆から略奪するような徴収に、とある街の若者が立ち上がった。さらに森で捨てられた悪役令嬢を拾ったことで物語は進展する。 ※一部有料のイラスト素材を利用しています。【無断転載禁止】です。 素材利用 ・森の奥の隠里様 ・みにくる様

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。