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第一章 私は絶滅危惧種
第八話 ブルードラゴン?
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私とポチは出口に向かって進んでいる。いや、進んでいた・・・・はずだ。
「確かこっちが出口だったよね」
「うーん」
ポチが考え込む。
「ねえ、こっちが出口であってるよね」
「うーん」
「まさか出口がわからないの?」
私の心は急速な不安に満たされた。私の記憶ではこの方角からやって来たと思うけど、なぜか出口らしき物が見つからない。これってまずいよね。
「僕もここまで深くには来たことがないからね」
「えー! まさか本当に出口がわからないの?」
「迷路みたいに複雑な上、同じような景色が続くから仕方ないよ」
冗談じゃないわ。ただでさえ変なモンスターもいるって言うのにここは危険すぎるわ。それに・・・・お腹空いたー。
「あれ? あの先に明かりが見えるよ」
「あ! 本当だ。あれは出口よね! 助かったー」
私は喜んで駆けていくとそこには大きな空間があった。洞窟内の大広間といった感じで中心には地底湖が広がっている。辺りはなぜか薄青く光って明かりがなくても見渡すことができた。
「ここはどこ?」
「どうやら洞窟の中心部分に来てしまったようだね」
「えー! じゃあ私達は逆方向に進んでいたの?」
「そういうことになるね」
「そんなあ」
精神的に疲れ切った私は目の前にある大きな青い岩にもたれかかって座り込んだ。どこまでついてないんだろう。変な魔法は覚えるし、一度覚えた魔法は消えないって言われるし・・・・。
「あれ? この岩なんか変だな」
「え? 何が?」
「今少し動いたような」
ポチがとんでもないことを言い出す。
「岩が動くわけないよ。ははは」
苦笑いしながら私は答えた。
その時私は見てはならないものを見てしまった。私のすぐ横にあるこれってドラゴンの顔だよね。
「まずいぞ。この大きな岩はブルードラゴンだ!」
「えええーーー!!! ブルードラゴンの話は嘘だって言ってたよね!」
「うん、適当に言ったら本当にいたっていうパターンだね」
「変なフラグを立てないで!」
どうやらブルードラゴンは寝ているらしく殆ど動かない。
「ドラゴンが起きる前に逃げよう」
「わかった」
私達はそうっとその場を離れようとした。が、突然ブルードラゴンが目を覚まし私の方を見つめた。え? 見つかった? どうしよう?
ブルードラゴンが私をじっと見ている。ここで息を吐きかけられたら私は凍ってしまうのよね。ああ、もうダメだわ。ずっと睨らまれてる。私はにっこり笑ってみた。やはり睨んでいる。可愛く手を振ってみた。やはり睨んでいる。両膝をついてお願いしてみた。やはり睨んでいる。終わったわ。何しても睨まれてるわ。お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとうございました。私は異境の地で死んでしまいます。私が大切にしていた黒いしっぽアクセサリーを私だと思っていつまでも大切にしてください。それと私の日記がクローゼットの奥にありますがそれは読まずに捨ててください。あとパソコンのデータはしっかりと消してください。イケメン俳優の写真でいっぱいです。
私が覚悟を決めた時、ドラゴンは再び目を閉じて眠り始めた。
「どうして?」
「きっと相手にもならないと思って無視したんだろうね」
「それはそれで腹が立つわね」
「そんなこと言っていいのかい? ブルードラゴンが起きるよ」
「ご、ごめんなさーい」
私は慌ててその場を離れた。
「もうこんな生活嫌だよー」
私が大きな声で言うと遠くからブルードラゴンの鳴き声が聞こえてきた。それを聞いた私は今までにないスピードで走り出した。恐らく今ならオリンピックで金メダルを獲れると思う。この勢いのまま私達は洞窟を飛び出した。適当に走ったのが良かったのかも?
「やっと出られたわ」
息を切らしながら私が言った。
「良かったじゃないか。ブルードラゴンに会わなかったら一生出られなかったかもしれないからね」
「ちっとも良くないわよ。生きた心地がしなかったわ。ああ、家に帰りたい。今頃お父さんとお母さんはどうしてるのかな?」
「大丈夫だよ。警察と一緒に君を捜し回ってるだけさ」
「最悪じゃない!」
こうして私の振り回される日々は続くのであった。
「確かこっちが出口だったよね」
「うーん」
ポチが考え込む。
「ねえ、こっちが出口であってるよね」
「うーん」
「まさか出口がわからないの?」
私の心は急速な不安に満たされた。私の記憶ではこの方角からやって来たと思うけど、なぜか出口らしき物が見つからない。これってまずいよね。
「僕もここまで深くには来たことがないからね」
「えー! まさか本当に出口がわからないの?」
「迷路みたいに複雑な上、同じような景色が続くから仕方ないよ」
冗談じゃないわ。ただでさえ変なモンスターもいるって言うのにここは危険すぎるわ。それに・・・・お腹空いたー。
「あれ? あの先に明かりが見えるよ」
「あ! 本当だ。あれは出口よね! 助かったー」
私は喜んで駆けていくとそこには大きな空間があった。洞窟内の大広間といった感じで中心には地底湖が広がっている。辺りはなぜか薄青く光って明かりがなくても見渡すことができた。
「ここはどこ?」
「どうやら洞窟の中心部分に来てしまったようだね」
「えー! じゃあ私達は逆方向に進んでいたの?」
「そういうことになるね」
「そんなあ」
精神的に疲れ切った私は目の前にある大きな青い岩にもたれかかって座り込んだ。どこまでついてないんだろう。変な魔法は覚えるし、一度覚えた魔法は消えないって言われるし・・・・。
「あれ? この岩なんか変だな」
「え? 何が?」
「今少し動いたような」
ポチがとんでもないことを言い出す。
「岩が動くわけないよ。ははは」
苦笑いしながら私は答えた。
その時私は見てはならないものを見てしまった。私のすぐ横にあるこれってドラゴンの顔だよね。
「まずいぞ。この大きな岩はブルードラゴンだ!」
「えええーーー!!! ブルードラゴンの話は嘘だって言ってたよね!」
「うん、適当に言ったら本当にいたっていうパターンだね」
「変なフラグを立てないで!」
どうやらブルードラゴンは寝ているらしく殆ど動かない。
「ドラゴンが起きる前に逃げよう」
「わかった」
私達はそうっとその場を離れようとした。が、突然ブルードラゴンが目を覚まし私の方を見つめた。え? 見つかった? どうしよう?
ブルードラゴンが私をじっと見ている。ここで息を吐きかけられたら私は凍ってしまうのよね。ああ、もうダメだわ。ずっと睨らまれてる。私はにっこり笑ってみた。やはり睨んでいる。可愛く手を振ってみた。やはり睨んでいる。両膝をついてお願いしてみた。やはり睨んでいる。終わったわ。何しても睨まれてるわ。お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとうございました。私は異境の地で死んでしまいます。私が大切にしていた黒いしっぽアクセサリーを私だと思っていつまでも大切にしてください。それと私の日記がクローゼットの奥にありますがそれは読まずに捨ててください。あとパソコンのデータはしっかりと消してください。イケメン俳優の写真でいっぱいです。
私が覚悟を決めた時、ドラゴンは再び目を閉じて眠り始めた。
「どうして?」
「きっと相手にもならないと思って無視したんだろうね」
「それはそれで腹が立つわね」
「そんなこと言っていいのかい? ブルードラゴンが起きるよ」
「ご、ごめんなさーい」
私は慌ててその場を離れた。
「もうこんな生活嫌だよー」
私が大きな声で言うと遠くからブルードラゴンの鳴き声が聞こえてきた。それを聞いた私は今までにないスピードで走り出した。恐らく今ならオリンピックで金メダルを獲れると思う。この勢いのまま私達は洞窟を飛び出した。適当に走ったのが良かったのかも?
「やっと出られたわ」
息を切らしながら私が言った。
「良かったじゃないか。ブルードラゴンに会わなかったら一生出られなかったかもしれないからね」
「ちっとも良くないわよ。生きた心地がしなかったわ。ああ、家に帰りたい。今頃お父さんとお母さんはどうしてるのかな?」
「大丈夫だよ。警察と一緒に君を捜し回ってるだけさ」
「最悪じゃない!」
こうして私の振り回される日々は続くのであった。
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