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第3章 仲良し3人組
第49話 ダイエット大作戦
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キャー!!
私、私、太ってしまいました。姿見の鏡や体重計がない異世界でしたのですっかり油断していました。どうして太ったことが発覚したのかと言いますと、お腹の肉が掴めてしまったのです。今にして思えば美味しいものをたらふく食べて碌に運動もしてないのですから太って当然ですよね?
「リーサ、どうかしたのか?」
私の悲鳴を聞いてミーニャさんが来てくれました。
「ミーニャさん! 私太りましたよね?」
「そうか?」
「太りました。絶対に太りました。正直に答えてください!」
「そう言えばそうかな?」
「ああ~! 聞きたくない言葉を言われてしまいました!」
「正直に言えと言ったのはリーサの方だろうが!」
まるで女優のように崩れ落ちていた私は再び立ち上がるとミーニャさんにお願いをしました。
「私、今日から断食に入りますので暫くの間食事はいらないです」
「それは健康に悪いぞ?」
「わかっています。でも理想の体型を手に入れるためには何らかの犠牲を伴わなければならないのです」
「そうか。今日の食事はニュローンの蒲焼きなんだが、それは残念だったな」
「ニュローンて何ですか?」
「お前たちの世界で言う鰻だ」
「・・・・・・断食は・・・・明日からにしよう・・・・かな?」
ミーニャさんが私を見てニヤけています。でも、仕方ないですよね。貧乏家庭に育った人間が鰻と聞いて食べないわけがないじゃないですか。これは貧乏人の性なんです!
「断食などしなくても痩せる薬があるぞ」
「本当ですか!?」
私はミーニャさんの肩をガシッと掴みます。
「あまり勧められるものではないが、この薬を飲むと体中の脂肪分を排出してくれる」
「それで痩せるんですか?」
「究極に体重が減る」
「本当ですか?」
散々ミーニャさんに騙され続けた私は疑心暗鬼に陥っています。
「それでどんな副作用があるのですか?」
「凄い下痢に見舞われてトイレから出られなくなり」
「出られなくなり?」
「死ぬ」
「いりません!」
やはり予想通りです。ミーニャさんは本気で私のことを考えてくれることってあるのでしょうか?
「もう一ついい薬があるぞ」
「もう結構です」
私は両手を伸ばして振ります。変な薬を飲まされて死にたくないですから。
「この薬を飲むと体中の脂肪が取れて」
「さっきと同じじゃないですか!」
「今度は違うぞ。下痢になどならぬのだ」
「嘘‥‥ですよね?」
当然の疑問を言いました。もう騙されませんからね。
「本当だ。この薬は脂肪を排出するのではなく完全に燃焼させるのだ」
「なるほど体が燃えるという落ちですね?」
「普通に燃焼させるぞ」
「本当ですか?」
思いっきり信じられません。
「この薬なんだが」
ミーニャさんがラグビーボールサイズの錠剤を差し出しました。
「これを何日掛けて飲めばいいのですか?」
「一度に飲めないと効き目がない」
「こんな大きな物飲めるわけないじゃないですか!?」
「文句の多い奴だな。仕方ない小さくしてやる」
ミーニャさんが呪文を唱えると薬は普通サイズの大きさになりました。
「これなら飲めます」
私は少しの疑いを持ちながら薬を受け取りました。
「ただ」
私は口元に持って行った薬を慌てて離しながら聞きました。
「ただ‥‥何ですか?」
「5分で元の大きさに戻る」
「完全に死にます!!」
「リーサの悲鳴が聞こえたんだけど」
ナナカさんが欠伸をしながらやって来ました。
「悲鳴を聞きつけてやって来たわりには遅すぎますよね?」
悲鳴って最初の「キャー!!」ですよね?
「あらそうかしら?」
「私は二度も死にかけましたよ」
ナナカさんと会話をすると、とてもとても大切なことを思い出しました。
「ナナカさんの出す食べ物って太らないんですよね!?」
「栄養がないだけよ」
「それを太らないと言うんです!」
私はナナカさんの肩を両手で持ち、激しく揺すりながら続けます。
「暫くの間、私の食事を出してください。一生のお願いです」
「リーサ、目が血走ってるわよ」
そして夕食。
「何ですかこれは?」
「トマトとキウイのカプレーゼにフレッシュトマトのチリソースにトマトピザとトマトの皮のサラダ」
「どうしてトマトばかりなんですか?」
「今日はそういう気分なの。文句を言ったらもう食べ物を出してあげないわよ」
一生の不覚です。トマトだけは食べられないことを言い忘れていました。
私、私、太ってしまいました。姿見の鏡や体重計がない異世界でしたのですっかり油断していました。どうして太ったことが発覚したのかと言いますと、お腹の肉が掴めてしまったのです。今にして思えば美味しいものをたらふく食べて碌に運動もしてないのですから太って当然ですよね?
「リーサ、どうかしたのか?」
私の悲鳴を聞いてミーニャさんが来てくれました。
「ミーニャさん! 私太りましたよね?」
「そうか?」
「太りました。絶対に太りました。正直に答えてください!」
「そう言えばそうかな?」
「ああ~! 聞きたくない言葉を言われてしまいました!」
「正直に言えと言ったのはリーサの方だろうが!」
まるで女優のように崩れ落ちていた私は再び立ち上がるとミーニャさんにお願いをしました。
「私、今日から断食に入りますので暫くの間食事はいらないです」
「それは健康に悪いぞ?」
「わかっています。でも理想の体型を手に入れるためには何らかの犠牲を伴わなければならないのです」
「そうか。今日の食事はニュローンの蒲焼きなんだが、それは残念だったな」
「ニュローンて何ですか?」
「お前たちの世界で言う鰻だ」
「・・・・・・断食は・・・・明日からにしよう・・・・かな?」
ミーニャさんが私を見てニヤけています。でも、仕方ないですよね。貧乏家庭に育った人間が鰻と聞いて食べないわけがないじゃないですか。これは貧乏人の性なんです!
「断食などしなくても痩せる薬があるぞ」
「本当ですか!?」
私はミーニャさんの肩をガシッと掴みます。
「あまり勧められるものではないが、この薬を飲むと体中の脂肪分を排出してくれる」
「それで痩せるんですか?」
「究極に体重が減る」
「本当ですか?」
散々ミーニャさんに騙され続けた私は疑心暗鬼に陥っています。
「それでどんな副作用があるのですか?」
「凄い下痢に見舞われてトイレから出られなくなり」
「出られなくなり?」
「死ぬ」
「いりません!」
やはり予想通りです。ミーニャさんは本気で私のことを考えてくれることってあるのでしょうか?
「もう一ついい薬があるぞ」
「もう結構です」
私は両手を伸ばして振ります。変な薬を飲まされて死にたくないですから。
「この薬を飲むと体中の脂肪が取れて」
「さっきと同じじゃないですか!」
「今度は違うぞ。下痢になどならぬのだ」
「嘘‥‥ですよね?」
当然の疑問を言いました。もう騙されませんからね。
「本当だ。この薬は脂肪を排出するのではなく完全に燃焼させるのだ」
「なるほど体が燃えるという落ちですね?」
「普通に燃焼させるぞ」
「本当ですか?」
思いっきり信じられません。
「この薬なんだが」
ミーニャさんがラグビーボールサイズの錠剤を差し出しました。
「これを何日掛けて飲めばいいのですか?」
「一度に飲めないと効き目がない」
「こんな大きな物飲めるわけないじゃないですか!?」
「文句の多い奴だな。仕方ない小さくしてやる」
ミーニャさんが呪文を唱えると薬は普通サイズの大きさになりました。
「これなら飲めます」
私は少しの疑いを持ちながら薬を受け取りました。
「ただ」
私は口元に持って行った薬を慌てて離しながら聞きました。
「ただ‥‥何ですか?」
「5分で元の大きさに戻る」
「完全に死にます!!」
「リーサの悲鳴が聞こえたんだけど」
ナナカさんが欠伸をしながらやって来ました。
「悲鳴を聞きつけてやって来たわりには遅すぎますよね?」
悲鳴って最初の「キャー!!」ですよね?
「あらそうかしら?」
「私は二度も死にかけましたよ」
ナナカさんと会話をすると、とてもとても大切なことを思い出しました。
「ナナカさんの出す食べ物って太らないんですよね!?」
「栄養がないだけよ」
「それを太らないと言うんです!」
私はナナカさんの肩を両手で持ち、激しく揺すりながら続けます。
「暫くの間、私の食事を出してください。一生のお願いです」
「リーサ、目が血走ってるわよ」
そして夕食。
「何ですかこれは?」
「トマトとキウイのカプレーゼにフレッシュトマトのチリソースにトマトピザとトマトの皮のサラダ」
「どうしてトマトばかりなんですか?」
「今日はそういう気分なの。文句を言ったらもう食べ物を出してあげないわよ」
一生の不覚です。トマトだけは食べられないことを言い忘れていました。
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