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第十四章 プロジェクト
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家に着くと俺の部屋のドアは闇に包まれていた。宙に浮いた蝋燭がドアノブを暗く照らしている。
「何これ?」
「何だろうね?」
俺は苦笑いしながら答えた。
「ここで突っ立ってても仕方ないから入るわね」
小百合がドアノブに手をかけようとしたので、俺は慌ててそれを制した。
「俺が先に入るから。何となく危険な香りがする」
俺がドアをそうっと開けると薄暗い部屋の中央にマリーが浮いて腕組みをしている。勿論マリーに腕などないのだが、そうしているように見えるのである。
そして部屋の中央には輪になったロープが天井から吊され、その左横には電気椅子らしき物が置かれている。さらに一番右にはギロチンだ。
「さあ、どの方法で責任を取るの?」
マリーはいつになく低い声で言った。
「ち、違うんだ。誤解するな。今朝はお前があまりにすやすやと寝てたから起こすとかわいそうだと思って」
「いつもより一時間も早く登校すれば寝ていてもおかしくないわよね。どうしてそんなに早く行くわけ?」
「それは、今日は日直だったから」
「日直は三日前に終わってるわ。それにそんな早く行く必要なんてないわよね」
「実はウサギの餌やり当番だったので」
「小学生か!」
マリーの目が光り始めた。
すると突然小百合が部屋に飛び込んできたかと思うと俺をかばうように前両手を広げて立った。
「何であんたがここにいるのよ」
「いたっていいじゃない。恋人だもの」
「な、な、な」
「四郎君が朝早くいなくなった理由を教えてあげるわ。あなた抜きで話がしたかったからよ。文句ある?」
「何ですって!」
「うっ」
小百合の手が喉元に伸びる。息ができないのかもしれない。マリーを止めるため俺が一歩前に出ようとすると小百合はそれを制した。
「犯罪でも犯すつもりなの? それとも私とまた暮らしたいのかな?」
青ざめた小百合の顔はすっと元に戻った。
ふと見ると三号が一生懸命マリーを説得している。『こんな奴でも親なんだなあ』と思った瞬間、三号は小百合に向かって飛びつこうとした。俺はとっさに三号を叩き落とすと、床に落ちた三号は妻による愛の鞭で苦しみ始めた。何て懲りない奴なんだ。
「で? 何しに来たのよ。ここはあなたの来るところじゃないわ。私と四郎のスイートホームなの」
「ねえ、私達暫くの間、停戦協定を結ばない?」
「どういうこと?」
「私も肺癌を治すプロジェクトに入れてほしいって言ってるの」
「断る! これは私と四郎の問題なの。あなたには関係ないわ」
「もう時間がないの。不良三人組は手術もできないくらい悪化してるのよ。一人でも多い方がいい知恵が出るかもしれないでしょ」
「そりゃそうだけど。あなたにだけは入って欲しくないの」
落ち着いた声で言われたのがよほど腹が立ったのか小百合は拳を握りしめて深呼吸をしている。
「よく考えてね、クロさん。もし不良達が死んじゃったら、あなたのお父さんが罪を問われるんじゃなくて?」
「尻尾アクセサリーが何の罪に問われるっていうの?」
マリーは笑いながら答える。
「あら? あなたがどこから来たかは知らないけど、あなたの世界にも法律ってあるんじゃないかしら?」
「それはそうだけど。一応は依頼されてるから罪は軽くなると思う‥‥」
小百合はこれを聞くとにやりと笑って続けた。
「いいの? 大切なお父さんが罪人になっても」
「そ、それは」
「あなたの大切なお父さんがどうなってもいいの?」
暫く無言の時間が続いた後、マリーは小さな声でぼそりと答えた。
「わかったわ。条件付きで手伝って貰うことにするわ」
「どんな条件かしら」
小百合は冷静な表情でマリーを見た。
「何これ?」
「何だろうね?」
俺は苦笑いしながら答えた。
「ここで突っ立ってても仕方ないから入るわね」
小百合がドアノブに手をかけようとしたので、俺は慌ててそれを制した。
「俺が先に入るから。何となく危険な香りがする」
俺がドアをそうっと開けると薄暗い部屋の中央にマリーが浮いて腕組みをしている。勿論マリーに腕などないのだが、そうしているように見えるのである。
そして部屋の中央には輪になったロープが天井から吊され、その左横には電気椅子らしき物が置かれている。さらに一番右にはギロチンだ。
「さあ、どの方法で責任を取るの?」
マリーはいつになく低い声で言った。
「ち、違うんだ。誤解するな。今朝はお前があまりにすやすやと寝てたから起こすとかわいそうだと思って」
「いつもより一時間も早く登校すれば寝ていてもおかしくないわよね。どうしてそんなに早く行くわけ?」
「それは、今日は日直だったから」
「日直は三日前に終わってるわ。それにそんな早く行く必要なんてないわよね」
「実はウサギの餌やり当番だったので」
「小学生か!」
マリーの目が光り始めた。
すると突然小百合が部屋に飛び込んできたかと思うと俺をかばうように前両手を広げて立った。
「何であんたがここにいるのよ」
「いたっていいじゃない。恋人だもの」
「な、な、な」
「四郎君が朝早くいなくなった理由を教えてあげるわ。あなた抜きで話がしたかったからよ。文句ある?」
「何ですって!」
「うっ」
小百合の手が喉元に伸びる。息ができないのかもしれない。マリーを止めるため俺が一歩前に出ようとすると小百合はそれを制した。
「犯罪でも犯すつもりなの? それとも私とまた暮らしたいのかな?」
青ざめた小百合の顔はすっと元に戻った。
ふと見ると三号が一生懸命マリーを説得している。『こんな奴でも親なんだなあ』と思った瞬間、三号は小百合に向かって飛びつこうとした。俺はとっさに三号を叩き落とすと、床に落ちた三号は妻による愛の鞭で苦しみ始めた。何て懲りない奴なんだ。
「で? 何しに来たのよ。ここはあなたの来るところじゃないわ。私と四郎のスイートホームなの」
「ねえ、私達暫くの間、停戦協定を結ばない?」
「どういうこと?」
「私も肺癌を治すプロジェクトに入れてほしいって言ってるの」
「断る! これは私と四郎の問題なの。あなたには関係ないわ」
「もう時間がないの。不良三人組は手術もできないくらい悪化してるのよ。一人でも多い方がいい知恵が出るかもしれないでしょ」
「そりゃそうだけど。あなたにだけは入って欲しくないの」
落ち着いた声で言われたのがよほど腹が立ったのか小百合は拳を握りしめて深呼吸をしている。
「よく考えてね、クロさん。もし不良達が死んじゃったら、あなたのお父さんが罪を問われるんじゃなくて?」
「尻尾アクセサリーが何の罪に問われるっていうの?」
マリーは笑いながら答える。
「あら? あなたがどこから来たかは知らないけど、あなたの世界にも法律ってあるんじゃないかしら?」
「それはそうだけど。一応は依頼されてるから罪は軽くなると思う‥‥」
小百合はこれを聞くとにやりと笑って続けた。
「いいの? 大切なお父さんが罪人になっても」
「そ、それは」
「あなたの大切なお父さんがどうなってもいいの?」
暫く無言の時間が続いた後、マリーは小さな声でぼそりと答えた。
「わかったわ。条件付きで手伝って貰うことにするわ」
「どんな条件かしら」
小百合は冷静な表情でマリーを見た。
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