ブラックテイルな奴ら

小松広和

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第四十七章 魔力増強開始

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 瀕死の状態から何とか立ち直った俺に小百合は俺をボコったことを反省することもなく小さな声で話した。
「いいわ。どうせ私には関係ない話だから」
『そう思ってるのなら武器を使ってボコるのはやめてくれー』と言いかけたが、またまた心の中にしまっておいた。
「何で関係ないんだ?」
「だって私はマリーに勝てないもの」
小百合は下を向いたまま続ける。
「マリーは命掛けで四郎君を守ったのよ。私は守るどころか一歩も動けなかった」
俺は何と言葉を返していいのか迷った。俺はそっと小百合の肩に手を掛けようとすると視線を感じる。芽依がじっと睨んでいる。二号がちらっと片目を開けて見ている。更に何者かが背中をつついている。
「ああ! 一体何なんだお前らは」
振り向くと三号が真っ青になって俺を呼んでいるのだ。
「どうしたんだ? 毛が青くなってるぞ」
三号は鉛筆削りと俺の間を行ったり来たりしている。
 ははー、さては秘密の手紙がなくなってるのに気付いたな。俺は三号に顔を近づけると二号に聞こえないように気をつけて小さな声で言った。
「大丈夫だ。他の場所に保管してある」
三号はそれを聞くと何度も何度も頭を下げ俺に飛びついてきた。俺は三号をしっかりと抱きしめると、
「安心しろ」
と、囁くのであった。
俺と三号が妙な男の友情を満喫していると、
「できたわよ」
と、マリーが部屋に戻ってきた。
マリーは部屋に入るとすぐその異変に気付く。
「どうして男同士で抱き合ってるのよ。あれ? 小百合の目赤くない?」
「赤くなんかないわよ」
「恋人候補をパパに取られて泣いてたのかな?」
「そんな変な彼氏なら諦めもつくんだけどね」
俺は慌てて三号を机の上に置いた。

「時間もないから早速始めましょう」
マリーは小百合とは正反対に何故か陽気だ。
「役割分担で行きましょう。ママはスタンバイして、パパは今作ったドラゴンの髭の粉が均等にかかるように魔術をかけて、芽依ちゃんは私の反対側から粉をかけて、小百合は魔力測定器をお願い」
「俺は?」
「邪魔にならないところで祈ってて」
「おい!」
「じゃあ、始めるわよ」
マリーの掛け声と共に部屋は薄暗くなり静かに風が舞い始める。次第に風は強くなり部屋の四隅では青い稲妻が激しい音を鳴らす。
「芽依ちゃん。今よ!」
二人は一斉に粉をかけるが、何故か風の影響を受けず均等にかかっていく。
「魔力がどんどん上がっていくわ」
小百合の持つ魔力測定器の針はすごいスピードで上がり、目標値の手前で止まった。
「お願い、あと少し上がって」
必死で祈る小百合。しかし、測定器の針は徐々に下がって行く。失敗に終わったのか?
 俺たちは不安の表情に満ち溢れた。
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