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第五十三話 雨の日
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私達が次の村へ向かっていると突然雨が降り出した。
「結構強い雨になってきたわね」
仕方なく雨宿りをしている大きな木の下で小百合が言った。
「次の村までもう少しあるわ。あまり長くここにいるわけにもいかないし、もうちょっと待って止まなかったら出発しましょう」
「私達傘を持ってないのよ」
「この世界に傘なんてないわ」
「え? 傘がないの? 雨の日はどうするのよ」
「頭の上に円を描くとバリアができて傘の代わりをするの。両手も使えて便利よ」
私は自分の頭上で円を描いて見せた。
「そうなの? じゃあ、もう行きましょうよ」
私は四郎と芽依、そして自分の頭上に傘代わりのバリアを出した。
「私のは?」
小百合が不機嫌な声で聞く。
「ごめんんさい。この魔術は三人分しか出せないの」
「絶対に嘘よね」
「あら本当よ」
「だったらあなたのバリアをよこしなさいよ」
小百合は私の頭上にあるバリアに手を伸ばした。
ひょい、スカ、ひょい、スカ。
「どうなってるのよ!」
「このバリアは空気を圧縮したものだから手では持てないわよ」
「もう!」
ザーザー。雨がさらに強くなった。
「さあ、行きましょうか」
「ちょっと待ちなさいよ。まさか本気で言ってないわよね」
「本気に決まってるじゃない。日が暮れるまでに次の村に着かなきゃ暗い夜道を歩くことになるわ。もう気付いてると思うけどこの世界には街灯がないの。夜道を歩くのはとても危険なのよ」
「じゃあ、この状況を何とかしてよ」
「いい? 旅には試練がつきものなのよ。ましてや私達の旅は世直しという過酷なものなの。一人くらいの犠牲は必要だわ」
「それって絶対に今適当に考えた言葉よね」
「そんなことないわ。そうだ。小百合だけこの木の下で野宿したら? この辺りは夜になるとはぐれドラゴンが出るらしいけどあなたなら大丈夫よ」
「何を根拠に大丈夫なのよ!」
「はぐれドラゴンは美人しか襲わないの」
「それってどういう意味!?」
「大丈夫。あなたの功績は城の歴史書に残してあげるわ。安心して。じゃあ出発ね」
ザーザー。
「あれ? 小百合も濡れながら行くの?」
「‥‥」
その時四郎が小百合の元へと近づいて行った。
「小百合、俺のバリアは大きめだからぴったりくっついて歩いたら二人とも濡れずに歩けるぞ」
そう言うと四郎は小百合を抱き寄せた。
「あ、あ、あ、ああ~」
「四郎君、ありがとう。私幸せだわ」
「もっとくっつかなと濡れちゃうぞ」
「うん」
ぎゅー。
「ちょ、ちょっと、あなたたち何してるのよ!」
こうして私はまたまた策に溺れてしまったのであった。
「結構強い雨になってきたわね」
仕方なく雨宿りをしている大きな木の下で小百合が言った。
「次の村までもう少しあるわ。あまり長くここにいるわけにもいかないし、もうちょっと待って止まなかったら出発しましょう」
「私達傘を持ってないのよ」
「この世界に傘なんてないわ」
「え? 傘がないの? 雨の日はどうするのよ」
「頭の上に円を描くとバリアができて傘の代わりをするの。両手も使えて便利よ」
私は自分の頭上で円を描いて見せた。
「そうなの? じゃあ、もう行きましょうよ」
私は四郎と芽依、そして自分の頭上に傘代わりのバリアを出した。
「私のは?」
小百合が不機嫌な声で聞く。
「ごめんんさい。この魔術は三人分しか出せないの」
「絶対に嘘よね」
「あら本当よ」
「だったらあなたのバリアをよこしなさいよ」
小百合は私の頭上にあるバリアに手を伸ばした。
ひょい、スカ、ひょい、スカ。
「どうなってるのよ!」
「このバリアは空気を圧縮したものだから手では持てないわよ」
「もう!」
ザーザー。雨がさらに強くなった。
「さあ、行きましょうか」
「ちょっと待ちなさいよ。まさか本気で言ってないわよね」
「本気に決まってるじゃない。日が暮れるまでに次の村に着かなきゃ暗い夜道を歩くことになるわ。もう気付いてると思うけどこの世界には街灯がないの。夜道を歩くのはとても危険なのよ」
「じゃあ、この状況を何とかしてよ」
「いい? 旅には試練がつきものなのよ。ましてや私達の旅は世直しという過酷なものなの。一人くらいの犠牲は必要だわ」
「それって絶対に今適当に考えた言葉よね」
「そんなことないわ。そうだ。小百合だけこの木の下で野宿したら? この辺りは夜になるとはぐれドラゴンが出るらしいけどあなたなら大丈夫よ」
「何を根拠に大丈夫なのよ!」
「はぐれドラゴンは美人しか襲わないの」
「それってどういう意味!?」
「大丈夫。あなたの功績は城の歴史書に残してあげるわ。安心して。じゃあ出発ね」
ザーザー。
「あれ? 小百合も濡れながら行くの?」
「‥‥」
その時四郎が小百合の元へと近づいて行った。
「小百合、俺のバリアは大きめだからぴったりくっついて歩いたら二人とも濡れずに歩けるぞ」
そう言うと四郎は小百合を抱き寄せた。
「あ、あ、あ、ああ~」
「四郎君、ありがとう。私幸せだわ」
「もっとくっつかなと濡れちゃうぞ」
「うん」
ぎゅー。
「ちょ、ちょっと、あなたたち何してるのよ!」
こうして私はまたまた策に溺れてしまったのであった。
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