68 / 109
第六十八話 日本の遊び
しおりを挟む
何となくレトロな町にやって来た。よくはわからないけど、異世界とは雰囲気が異なっているのは確かね。
「これ何て書いてあるの?」
芽依がめざとく見つけた看板は『日本古来の遊び館』と書かれている。さすが遊ぶことには目がない芽依だわ。本能でここには自分の好きな物があると感じたのね。
「日本の古い遊びがあるみたいね」
「うわー、面白そう。入ろうよ」
芽依は私の腕を引っ張って入り口に向かう。もう、仕方ないわね。
建物内の部屋には畳が敷かれていた。
「靴を脱いで上がるのね」
「何か懐かしいわね」
小百合がそう言うのも無理はない。ここ黒の国は靴を脱いで家に上がる習慣はないからね。
「あら、おはじきがあるわ」
「何か綺麗ね。どうやって遊ぶの?」
「ルールは簡単よ。自分の好きなおはじきを指ではじいて他のおはじきに当てればいいの。当たったおはじきは自分の物になるわ。最終的に一番多くのおはじきを取った人が勝ちよ」
「面白そうね。やってみましょう」
「私に勝てるかしら?」
小百合は随分と自信がありそうね。最近はキャラ崩壊気味だけど元々は日本女性って感じのキャラだし、こういう伝統的な物には詳しいのかしら。
ピシッパチン。
「あら、意外と簡単じゃない」
近いおはじきを狙えば簡単に取れるわね。こんなの楽勝じゃない。
「次は芽依の番だね」
「うん? どうしてわざと遠くのおはじきを狙うのよ」
「その方が面白いからだよ。エイ!」
バシッカチン!
信じられない。当たったわ。
「ふん、まだまだね。そんなレベルでお姉さんに勝てると思ってるの?」
「技術は年齢じゃないんだよ」
小百合と芽依ってかなり本気で戦ってない? 何この雰囲気。
「これで芽依の勝ちだよ」
「今日の所は負けておいてあげるわ。可愛い妹のためだから仕方ないわね」
「こらー! 林郷小百合ー! よく考えたらあなた四郎と結婚した体で話してない!?」
「いいじゃない。どうせ将来はそうなるんだし」
「芽依、全然気付かなかったよ」
「ねえ?」
菫が小さな声で話しかける。
「どうして今の会話で小百合が四郎君と結婚することになるの?」
「だから芽依が妹になると言うことは小百合と四郎が結婚するってことでしょ」
「???どうして?」
「あまり深く考えない方がいいわよ。今度はあなたの脳が崩壊するから」
私は面倒臭くなって適当に話を切り上げた。
次の部屋の入り口には『囲碁・将棋』と書かれていた。
「囲碁は中国の遊びなんだが・・・・」
四郎が何かぼそりと言っている。
「ねえ、四郎。あなた囲碁部だったわよね。ルール教えてよ」
「わかった。任せておけ」
自信たっぷりで四郎は説明を始めた。
「えー。また私の負け?」
「嘘、ここに打っちゃいけないの?」
「お兄ちゃんに勝てないなんて悔しい!」
「俺にもこいつらに勝てるものがあったんだ-!」
「説明が下手なだけよ!」
「四郎君て囲碁強いの?」
「ああ、十二級だ」
「それって強いの?」
「さあ? でもこの小説の作者は五段らしいわよ」
「どうして小百合がそんなこと知ってるのよ」
「深く考えないで」
そして一時間が経過した。
「芽依の勝ちっと」
「ここに打てば私の勝ちね」
「どうしたの四郎。ルールを覚えたばかりの私に負けるなんて信じられないわ」
「な、なぜだー!」
こうして四郎は一時間前に初めて碁石を持った私たちに負けまくるのだった。ああ、菫は除くけど。
「どうして私だけ勝てないのよー」
「これ何て書いてあるの?」
芽依がめざとく見つけた看板は『日本古来の遊び館』と書かれている。さすが遊ぶことには目がない芽依だわ。本能でここには自分の好きな物があると感じたのね。
「日本の古い遊びがあるみたいね」
「うわー、面白そう。入ろうよ」
芽依は私の腕を引っ張って入り口に向かう。もう、仕方ないわね。
建物内の部屋には畳が敷かれていた。
「靴を脱いで上がるのね」
「何か懐かしいわね」
小百合がそう言うのも無理はない。ここ黒の国は靴を脱いで家に上がる習慣はないからね。
「あら、おはじきがあるわ」
「何か綺麗ね。どうやって遊ぶの?」
「ルールは簡単よ。自分の好きなおはじきを指ではじいて他のおはじきに当てればいいの。当たったおはじきは自分の物になるわ。最終的に一番多くのおはじきを取った人が勝ちよ」
「面白そうね。やってみましょう」
「私に勝てるかしら?」
小百合は随分と自信がありそうね。最近はキャラ崩壊気味だけど元々は日本女性って感じのキャラだし、こういう伝統的な物には詳しいのかしら。
ピシッパチン。
「あら、意外と簡単じゃない」
近いおはじきを狙えば簡単に取れるわね。こんなの楽勝じゃない。
「次は芽依の番だね」
「うん? どうしてわざと遠くのおはじきを狙うのよ」
「その方が面白いからだよ。エイ!」
バシッカチン!
信じられない。当たったわ。
「ふん、まだまだね。そんなレベルでお姉さんに勝てると思ってるの?」
「技術は年齢じゃないんだよ」
小百合と芽依ってかなり本気で戦ってない? 何この雰囲気。
「これで芽依の勝ちだよ」
「今日の所は負けておいてあげるわ。可愛い妹のためだから仕方ないわね」
「こらー! 林郷小百合ー! よく考えたらあなた四郎と結婚した体で話してない!?」
「いいじゃない。どうせ将来はそうなるんだし」
「芽依、全然気付かなかったよ」
「ねえ?」
菫が小さな声で話しかける。
「どうして今の会話で小百合が四郎君と結婚することになるの?」
「だから芽依が妹になると言うことは小百合と四郎が結婚するってことでしょ」
「???どうして?」
「あまり深く考えない方がいいわよ。今度はあなたの脳が崩壊するから」
私は面倒臭くなって適当に話を切り上げた。
次の部屋の入り口には『囲碁・将棋』と書かれていた。
「囲碁は中国の遊びなんだが・・・・」
四郎が何かぼそりと言っている。
「ねえ、四郎。あなた囲碁部だったわよね。ルール教えてよ」
「わかった。任せておけ」
自信たっぷりで四郎は説明を始めた。
「えー。また私の負け?」
「嘘、ここに打っちゃいけないの?」
「お兄ちゃんに勝てないなんて悔しい!」
「俺にもこいつらに勝てるものがあったんだ-!」
「説明が下手なだけよ!」
「四郎君て囲碁強いの?」
「ああ、十二級だ」
「それって強いの?」
「さあ? でもこの小説の作者は五段らしいわよ」
「どうして小百合がそんなこと知ってるのよ」
「深く考えないで」
そして一時間が経過した。
「芽依の勝ちっと」
「ここに打てば私の勝ちね」
「どうしたの四郎。ルールを覚えたばかりの私に負けるなんて信じられないわ」
「な、なぜだー!」
こうして四郎は一時間前に初めて碁石を持った私たちに負けまくるのだった。ああ、菫は除くけど。
「どうして私だけ勝てないのよー」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる