20 / 189
第2章 火神颯斗という男
20
しおりを挟む
目的地にたどり着けば既に対決は始まっており、ほぼ廃公園になっている空きスペースで野次馬が数人集っている真ん中で、田中は相手の拳を適当に避けていた。
「相手は?」
「渡辺明人。城西中トップの腰ぎんちゃくやな。強くもなければ特に秀でた何かがあるわけでもない。」
「なーんだ、夢見に来た奴か。結果見えてんじゃん。」
「そうやな。田中はただ相手を様子見してるだけに過ぎん。」
「城西のトップって強いの?俺聞いたことねぇけど。」
「あっこは程度が知れとる。トップ自体が強うない。」
「じゃあただの雑魚じゃん。面白くねぇなぁ。」
そう話しているうちに田中の拳が相手の体に打ち込まれ、ガードで怯んだ顔面に拳をぶつけにいく。
しかし、その拳に迫力はひとつもない。
子供の喧嘩に付き合ってやっているような腰の入っていない弱い拳だった。
「何あれ。ふざけてんの?」
「本気を出す必要もないっていう証拠やろ。流石に、あんだけ加減するとは俺も思うてなかったけど。」
「しょうもな。帰ろうぜ。見るだけ無駄だわ。」
俺は一気に興醒めし、時間を無駄にしてしまったことに少し苛立ちつつその場を離れる。
田中が強いという情報に間違いはないのだが、あれ程までに相手に譲歩をするのは俺としては心底面白くない。
あの程度の相手に本気を出せとまでは言わない。
しかし、相手に絶対勝つことが出来ないと思わせるぐらいの気迫は必要だ。
それが本来の半分以下の力しか出していないにしても、ただお前のために加減をしてやっているから感謝しろみたいな、鼻にかけるような態度では相手は跪かない。
お前如きが俺と拳を交えること自体が間違えているというような、相手との圧倒的な差を感じさせて跪かせなければ鷹山のトップは張れない。
田中はそれを分かっているのだろうか。
今まではその程度の差で通用していたかもしれないが、鷹山は各々がトップを務めてきたような奴らが集まる場所だ。
微々たる差では押さえ込む事は出来ない。
それに自分で気づけばいいが、気づかなければ何かしらの問題が起こってもおかしくないだろう。
その点今年の一年は厄介かもしれないと感じながら、俺は早々に帰宅して家で大人しく過ごしていた。
しかし、ストリート時代の友人に誘いを受け、街へと繰り出すことにした。
「相手は?」
「渡辺明人。城西中トップの腰ぎんちゃくやな。強くもなければ特に秀でた何かがあるわけでもない。」
「なーんだ、夢見に来た奴か。結果見えてんじゃん。」
「そうやな。田中はただ相手を様子見してるだけに過ぎん。」
「城西のトップって強いの?俺聞いたことねぇけど。」
「あっこは程度が知れとる。トップ自体が強うない。」
「じゃあただの雑魚じゃん。面白くねぇなぁ。」
そう話しているうちに田中の拳が相手の体に打ち込まれ、ガードで怯んだ顔面に拳をぶつけにいく。
しかし、その拳に迫力はひとつもない。
子供の喧嘩に付き合ってやっているような腰の入っていない弱い拳だった。
「何あれ。ふざけてんの?」
「本気を出す必要もないっていう証拠やろ。流石に、あんだけ加減するとは俺も思うてなかったけど。」
「しょうもな。帰ろうぜ。見るだけ無駄だわ。」
俺は一気に興醒めし、時間を無駄にしてしまったことに少し苛立ちつつその場を離れる。
田中が強いという情報に間違いはないのだが、あれ程までに相手に譲歩をするのは俺としては心底面白くない。
あの程度の相手に本気を出せとまでは言わない。
しかし、相手に絶対勝つことが出来ないと思わせるぐらいの気迫は必要だ。
それが本来の半分以下の力しか出していないにしても、ただお前のために加減をしてやっているから感謝しろみたいな、鼻にかけるような態度では相手は跪かない。
お前如きが俺と拳を交えること自体が間違えているというような、相手との圧倒的な差を感じさせて跪かせなければ鷹山のトップは張れない。
田中はそれを分かっているのだろうか。
今まではその程度の差で通用していたかもしれないが、鷹山は各々がトップを務めてきたような奴らが集まる場所だ。
微々たる差では押さえ込む事は出来ない。
それに自分で気づけばいいが、気づかなければ何かしらの問題が起こってもおかしくないだろう。
その点今年の一年は厄介かもしれないと感じながら、俺は早々に帰宅して家で大人しく過ごしていた。
しかし、ストリート時代の友人に誘いを受け、街へと繰り出すことにした。
10
あなたにおすすめの小説
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き
toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった!
※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。
pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/100148872
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
イケメンに惚れられた俺の話
モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。
こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。
そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。
どんなやつかと思い、会ってみると……
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
【幼馴染DK】至って、普通。
りつ
BL
天才型×平凡くん。「別れよっか、僕達」――才能溢れる幼馴染みに、平凡な自分では釣り合わない。そう思って別れを切り出したのだけれど……?ハッピーバカップルラブコメ短編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる