従順な俺を壊して 【颯斗編】

川崎葵

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第5章 名前のない気持ち

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この感情が亮の言う好意から来るものなのか分からない俺は、ずっと亀城に抱く感情に戸惑いを感じていた。

あまりにも初めてのもの過ぎてどう扱っていいのかも分からない。

ただ、もし仮にこれが好きだという感情だとしても、表には出せないし、関係上思いを伝えることも出来ない。
伝えられたところで男にトラウマがある亀城と成就するわけがないし、そもそも関係を持つことも許されない。
亀城を裏から守るぐらいしか、俺はしてやれることがない。

それがどこかもどかしく、隣で支えてやれたならと考えると苦しくなってしまう。
ただ、どんなに亀城のことが気になっても、俺が直接手を下すことは絶対に許されない。

今回みたいに助けを求められたら絶対助けるだろうが、そうなると俺と亀城の関係性に探りを入れてくるものが現れるだろう。
バレるような情報管理はしていないつもりだが、亀城のほうから何かしらバレないとも言い切れない。

今まで以上に亀城周辺の情報には注視しておいたほうが良さそうだ。
基本情報収集は亮に頼んでいるが、亀城個人の情報は俺も直ぐに入るようにしておいた方がいいかもしれない。

帰宅後に連絡を取る人物を思い浮かべながら、俺の背中に再度お礼を言う律儀な亀城に背を向けたまま手を振り、俺たちは解散した。

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