転生した王妃は親バカでした

ぶるもあきら

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上質な母乳の為に!

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それからは…

私の指示でオスカーのベットをバネッサの部屋に運ばせて、四六時中我が天使オスカーの側にいた。
乳母グループの誰かが常に1人は居るが、そんなの気にならない。

今やオスカーのお世話はほぼバネッサの部屋で行われる。
と言ってもまだ、授乳とオムツ変えと沐浴。
ぐずって泣いたら抱いてあやすくらいしかする事はないけど…

そこで私はオスカーの為に上質な母乳を作る事を思いついた。

上質な母乳は言わば母体である私の食生活が重要である。

今までのバネッサはきっと…
食べたい物を食べたいだけ食べて、偏食もしまくり、お酒もガブガブ飲んでいた記憶がある。
何よりバネッサのこのワガママボディーを見る限り油っぽい肉や甘いお菓子も好物だろう。

あり得ない…
本当にバカチンなのだ…


するとマリーヌが休憩にといつもの様に紅茶と焼菓子を持って来た。

たしかにこの世界線ではお茶と言えば紅茶。喉が渇いたと言えば紅茶。なんでもかんでも紅茶だけど、紅茶ってたしか高カフェインじゃない?

これはあかん!上質な母乳がぁ!!


「マリーヌ、これから私ミルクかお水しか飲まないわ。」


と、紅茶を断るとマリーヌは驚いた顔で手を止めた。
どうやら自分が粗相したのかと慌てている様子。


「違うのよ、マリーヌの紅茶が嫌な訳じゃなくてオスカーのためなの。」


以前のバネッサなら紅茶が好みじゃないと侍女にカップを投げていたらしいからマリーヌがビビるのも仕方ないと、私はなるべく優しい口調で答えた。

するとマリーヌも

「オスカー王子のため…」

と呟くと

「わかりました!厨房へいってミルクをもらって来ます!!」

と顔を綻ばせた。
最近のマリーヌは漸く少し警戒を解いてくれた様で私も嬉しかった。


「あ、ついでに料理長も呼んできて欲しいわ食事のメニューについても相談したいから。」


と付け加えると、マリーヌは笑顔で了承して持ってきた紅茶をそのまま持って行った。

さて、
この世界にどれだけ日本と同じ食材があるのかわからないけど、オスカーの成長の為には頑張らないとね。

餅はあるのかしら?
たくさん母乳を出すにはやっぱり餅よねー。
でもお米すら無さそうだから餅なんて無いかぁー

と、私は色々この先の事を考えながら無意識に微笑んでしまう。
オスカーの事を考えるのは私の癒しであり幸せな時間なのだ。

少しすると、ミルクを入れたグラスを持ったマリーヌと、
青い顔でオドオドしている料理長と、何故かモーリスも一緒に戻ってきた。

モーリスは出産以降は小言も無くなったのだけど、すっごい色々聞いてくるし、監視されてるっぽい。
まだオスカーに害を成す母親だと思われてるのかな?

まぁモーリスは乳母グループのトップだし、用心深いのはオスカーにとっては良い事だし、レオナルド陛下に報告もしてるんだろうから仕方がないとは思うけどね。

オスカーを産んで、私の記憶が戻ってからレオナルド陛下には一度も会ってないし、今更レオナルド陛下にどう思われようと関係ないから私は好きな様にするんだ!


と、改めて誓ったのだった。




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