転生した王妃は親バカでした

ぶるもあきら

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これはデートというものですか?リベンジ

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王都の街中にあるお洒落なカフェに来ている

一応、お忍び風な服装のレオナルド陛下と私がテーブルに座っていた


(こんなのデートじゃない!)


と、ご立腹だったレオナルド陛下に連れられて、王宮に戻る前に寄り道したのだった


「ここはチーズケーキが美味しいらしいよっ!」


先程とは打って変わってご機嫌な様子で身を乗り出して来る
陛下いったいどうした?情緒不安定なのかしら?


「じ、じゃあ、それと果実水を…」


恐る恐る返事を返す


「最近のバッサは痩せすぎだと思うんだ」


ばっさぁー??
まさかの愛称呼びー!?
原作でもそんな愛称はありませんがー?
驚きで目を見開く私に


「こんな街中で王妃とは呼べないだろ?」


と、何を当たり前の事と平然と言う
更に自分はレオと呼べって??

理解不能の私の目の前でニコニコ笑顔を向ける陛下

ここは街中と言えど貴族街で平民はいない。
名前などどう呼ぼうと、国王と王妃である事は見ればバレバレである

皆、貴族の方々なのでバレたところで騒ぎ立てたりもしないだろう(噂はされるだろうが…)

痩せすぎだと言っただけあり、私におすすめだとチーズケーキ以外も2、3個ケーキを注文する陛下…

ん?
これは!まさかっ!!

まったく大ボス化する気配のないバネッサにケーキをたくさん食べさせて白豚に戻す計画では?


「バッサ、はいあーーん」


ひと口大に切ったイチゴショートを私の口元に差し出す。
条件反射で思わず口を開けてしまったが、甘い…
甘いよー!ケーキも陛下もあま~い!?

感想を期待された笑顔を向けられて


「お、美味しいです…」


と返事をするが、ちょっ怖いって!!

キラキラ王子スマイル(国王だけど)でそんな腹黒い事考えてるなんて!?


「ところでバッサはあの森で何をしたんだい?」


と、突然切り出す陛下
おっと?
本命はこっちだったか?

そもそもこっそりゲンと2人で行って終わらせて来る予定だったのに陛下がついて来たのだ

優秀な私はちゃんと言い訳も考えておいた


「ずっとわたくしがモーリスを独占してしまっているでしょ?」


そのせいでトーマス伯爵に負担をかけている事が気になっていたと、せめてディテール領がより安全な地になる様に悪意のある者が入れない結界を森と山に張ったと話す


「ただ3日くらいしか持たないのですの、完全にわたくしの自己満足ですわ…」


と、申し訳なさそうに視線を下せば、


「そうだったのか!…本当にバッサは優しいな…」


チョロいっ!
チョロすぎますわよ陛下!


その後は…
陛下の白豚化計画に乗った振りで久しぶりに美味しいケーキを2個食べた。
ほぼ王命の様に陛下の事をレオ様と呼ばされ、ようやく王宮に戻る事が出来たのだった。

心身共にHPを削られまくった私は天使オスカーに顔を埋めて癒されたのは言うまでも無い



そして運命の3日後…

結界を張ったことで、呑気にもすっかり安心していた私は既に忘れかけてていたが、隣国は予定通り大鳥に乗りディテールの森に攻め込んだのだった

しかしどう足掻いても同じ所をグルグルと回るばかりで森を抜け出せずにいた所を王都から派遣された騎士団により無事に拘束、制圧されたのだった


これは、ゲンが前もって動いてくれていたおかげである


「もう、母さんは相変わらず詰めが甘い」


と、怒られたのは言うまでも言うまでも無い…

でも結果ディテール領は無傷だし、
(赤い山)になる事も防げたし、
なによりトーマス伯爵がご健在なんだ。
私にしては100点満点ではないか!と、得意顔で自画自賛してやるっ!



しかしその裏では…

この襲撃を無事に解決した事によって聖女が成長する場を失った事と、密かにバネッサ王妃の評価が上がっている事に私は気がついていなかった



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