転生した王妃は親バカでした

ぶるもあきら

文字の大きさ
41 / 77

グレイン辺境領へ行こう!

しおりを挟む

グレイン領に雨さえ降ればこの後の悲惨な状況は回避出来ると思いついた私とゲン

でもどうやって雨を降らせる事が出来る?

原作の様にレオナルド陛下の光魔法でいけるのだろうか?

聖女はいないから愛の力は期待出来ないけど…


「行ってみるしかないか…」


王都から辺境領までは急いでも馬車で5日はかかる。
いつ地震が起こるかわからない今、1日でも早く出発した方が良いだろう

とりあえず、今回の作戦にレオナルド陛下は不可欠な存在だから相談に行くか…
どうせまたギースに追い返されるのだろうけど

私は足取り重く、ゲンを連れて陛下のいる王宮へと向かった


しかし…
想像とは逆にあっさり陛下へ謁見の許可がおり、サラッと奥へ通される

以前ならば、門番に嫌な顔されて使用人に怯えられ、王宮付き執事に忙しいとあしらわれ、結局ギースに追い返されると言う規定コースのはずなのに?

陛下の執務室に入ると中には陛下の他にギースとモーリスがいた

ギースは陛下の右腕だからいるのは当然だけどモーリスはいつもの定期報告かしら?

などと考えながら陛下へ挨拶をする


「突然の謁見をお聞き入れ頂きましてありがとうございます、レオナルド陛下」


と、王妃宮で陛下に会ってもまずする事のないカーテシーをしてみせる

あら?今日の陛下はご機嫌斜めかしら?

なにやら難しい顔してますけど?


「そんな挨拶は良い…なんでまた陛下と呼ぶ?」


はい?
そこなん?

姿勢を戻した私はコテンと首を傾げ、何を言ってるんだこの人は?と内心思った

モーリスに礼儀なのだと嗜められ、シュンとしている陛下にようやく本題へと触れた


「グレイン辺境の領地に一緒に行っていただきたいのです」


突然の提案にキョトンとする3人に、私は行きたい理由を説明した


グレイン領は我が国にとって生命線である事、最近は雨が降らず領民が不自由な生活をしている事、

そしてこのままでは良くない事が起こる気がすると、ふわっと地震の事を予測した


ギースが目を丸くして


「なぜバネッサがそんな事を知ってるのだ?」


と、至極当然の質問をして来た
こっちだって当然言い訳を用意してますわよっ!


「以前のプラント領で起きた大雨に学んで、危険な地域の情報収集はしておりましたのよ?自然災害に人間は勝てませんからね」


すると、先程とは打って変わってパァっと明るい顔をした陛下が


「さすがはバッサだな!よし直ぐにでも行こう!!」


と、速攻両手もろてを上げて賛同してくれてますけど?
え?いやそんな簡単で大丈夫なん?


私の気持ちが伝わったのか、ギースはやっぱり宰相だけあって冷静に…


「いや、バネッサの言い分はわかるがレオまで行く必要があるか?」


そうよねー
原作でも散々陛下の辺境領入りは反対されてるしね…
私は意を決して陛下が必要だと言う


「陛下の光魔法は天気に影響できると聞きましたので…最悪の時は陛下のお力で雨を降らす事が出来ればと…」


この言葉にはさすがにレオナルド陛下も驚愕の表情を浮かべる


「バッサ?どうしてその事を知ってるんだい?」


王族である陛下の光属性の能力も一般的には秘匿されている
いくら王妃でも私が知るはずはない事なのだ

当然こっちも突っ込まれると思ってはいましたよ
ある意味、国家機密である王族の能力を知っているのは作者の私がそう設定したからだけどそう言うわけにいかないから…
考えた言い訳は上手く通用するかしらね?


「オスカーも光属性だからですわ」


オスカーの体調を調べるのに鑑定魔法で体内隅々まで見てたら、光属性の能力も見える様になったと、自分でも少々厳しいかもと思う言い訳を話した


が、しかし闇属性も秘匿が多い属性なのでそうなんだーと早々納得してくれたのだった


なんだ?
実は3人ともチョロいやん!




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

夫は私を愛してくれない

はくまいキャベツ
恋愛
「今までお世話になりました」 「…ああ。ご苦労様」 彼はまるで長年勤めて退職する部下を労うかのように、妻である私にそう言った。いや、妻で“あった”私に。 二十数年間すれ違い続けた夫婦が別れを決めて、もう一度向き合う話。

王太子妃は離婚したい

凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。 だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。 ※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。 綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。 これまで応援いただき、本当にありがとうございました。 レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。 https://www.regina-books.com/extra/login

私たちの離婚幸福論

桔梗
ファンタジー
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。 しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。 彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。 信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。 だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。 それは救済か、あるいは—— 真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。

【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!

白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。 辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。 夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆  異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です) 《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆ 

【完結】母になります。

たろ
恋愛
母親になった記憶はないのにわたしいつの間にか結婚して子供がいました。 この子、わたしの子供なの? 旦那様によく似ているし、もしかしたら、旦那様の隠し子なんじゃないのかしら? ふふっ、でも、可愛いわよね? わたしとお友達にならない? 事故で21歳から5年間の記憶を失くしたわたしは結婚したことも覚えていない。 ぶっきらぼうでムスッとした旦那様に愛情なんて湧かないわ! だけど何故かこの3歳の男の子はとても可愛いの。

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

私は貴方を許さない

白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。 前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。

処理中です...