転生した王妃は親バカでした

ぶるもあきら

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オスカーの発熱

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子供はある日突然熱を出す

そんなの元太の時に散々経験しているはずなのに、何回経験してもつい焦ってしまうもの

この日はやけにオスカーのご機嫌が悪かった
大好きなフルーツも食べないし、おしゃべりもしない、更に抱っこされてないとぐずる

1歳半にもなれば相当重いし長時間の抱っこはこっちも辛い

ああ抱っこ紐欲しい…

作ろうかと本気で考え出した時にふと気がつく

あれ?オスカー顔が赤くない?

日本人の黄色っぽい肌色と違って色白のオスカーだとよくわかる

え?まさか?

慌てておでこに手を当てると、


あーー熱いわ…


それからと言えば、当然慌てましたよ
保険証は?あ、あと小児科の予約は?

あ、いや、いらんか…

モーリスに頼んで王宮医療士を呼んでもらう
そうここにはいつでもお医者様がいたんだった

小さい子って何故か休日とか夜中に熱を出すのよねー
その点は本当便利だわ

駆けつけてくれた医療士に診察してもらってようやく慌ててた大人達が落ち着く

百戦錬磨であろうモーリスでさえ焦っているのがわかった


オスカーごめんね辛かったんだね…

だから普段良い子なのに機嫌悪かったんだ


気がつくのが遅れた事に罪悪感を感じて眠るオスカーの頭を撫でた


医療士がいうには、子供の発熱はよくある事で体内に入った毒素(ウィルスの事だろう)と体が戦っているからだと教えてくれた

正直驚いた

あかりが小児科医に聞いた事と同じだったから

こっちの世界は魔法なんてチートがある代わりに知識は遅れていると思っていた

それなのにちゃんと白血球による免疫反応だと診断したんだ

お?体温計なんて存在しないけど医療士はちゃんと熱を測っているぞ?

んーあれは火属性?
あ、火魔法は熱さを測れるのね…

よし、ちゃっかりコピーさせてもらいましたよ

医療士はをたくさん水分を飲ませて下さいといって特に薬は出さずに戻った


次は誰が今晩オスカーを看病するか乳母sが揉めている

嫌なのかと思いきや、皆やりたがってる?

まあ、うちの天使オスカーにメロメロなのはわからない事も無いけどねー


譲らない乳母sに、今晩は私が看病すると告げると、皆口を揃えて反対された


「バネッサ様に感染したら大変でございますー」

とか

「ゆっくり休まれないとお身体に触りますー」

とかとか…

でも辛い時、母親だから側についていてあげたい

もし明日も良くならなかったらその時はお願いって言えば乳母sも納得してくれた

元太の時は何日熱が続いても、自分の身体が辛くても1人で看病しなくてはならない状況だったのに、今の私は代わりになってくれる人がいっぱいいる…

本当に恵まれているこの環境に感謝した


一度下がったように見えても夜になるとまた熱が上がってくるのも子供の発熱あるあるだけど、案の定オスカーも夜になってまた顔が赤い

私は医療士を真似て火魔法を使ってみた

38度

うん、やっぱりね…


オスカーのおでこを冷やしているタオルを水魔法で冷たくしなおした

頑張れオスカー…病気になんて負けるなよー!

小さなその手を握ってあげる事しか出来ない自分に涙が出そう…

この時間帯でこの状況、ナーバスになるのは仕方ないよね…


「バッサ、大丈夫か?」


そんな時、レオが突然現れた
今夜はオスカーが熱を出したから来ない様に伝言したはずなのに?


「ごめん仕事が長引いた」


そう言ってオスカーが眠るベットを覗き込む


「一緒にオスカーの側にいてあげたい」


私が何で来たのか聞く前に先回りして言われる


「で、でも明日も朝からお仕事があるでしょう?」


慌てて言ってはみるが、大丈夫だと聞かないレオ


「それに僕はアリスの看病を良くしてたって言っただろ?」


結局は私が折れることになって、オスカーのベットを挟んで2人で朝まで側にいた


不安と心配に押し潰されそうな時、一緒にいてくれる存在の大きさをはじめて知った夜だった…
 



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