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第2章 現存十二天守
番外編 十二の天守と、旅の地図──本物だけが持つ重み
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「現存十二天守って、知ってるか?」
ある晩、ワクカブがテーブルに広げたのは、旅雑誌の特集ページ。
そこには、重厚な石垣の上に立つ古城たちの写真がずらりと並んでいた。
「天守って、みんな昔のまま残ってるもんやと思ってたわ。でもな、違うんやな。ほとんどは再建とか、コンクリのやつなんやて」
そう、現代に「そのまま」残る天守は、全国でたったの十二しかない。
◆現存十二天守とは?
「現存十二天守」とは、江戸時代以前に建てられ、今日まで火災や戦争で焼失せずに現存している天守を指す。
昭和や平成になってからの復元とは違い、当時の木造建築がそのまま残る「本物」だ。
その十二とは──
弘前城(青森県)
松本城(長野県)
丸岡城(福井県)
犬山城(愛知県)
彦根城(滋賀県)
姫路城(兵庫県)
松江城(島根県)
備中松山城(岡山県)
丸亀城(香川県)
松山城(愛媛県)
宇和島城(愛媛県)
高知城(高知県)
「愛媛だけで二つもあるんやな。四国、侮れんな…」
◆なぜ“残った”のか?
それぞれの城が残った理由には、運と奇跡、そして市民の熱意がある。
たとえば弘前城。明治の廃城令によって取り壊されそうになった際、市民が懇願して天守の保存が認められた。
その粘り強さが、いま私たちに“本物”を見せてくれる。
一方で、ほとんどの天守は火災や空襲、経年劣化で失われた。
木造で高層な構造は、維持するにも莫大な労力と財力が必要だったのだ。
◆「本物」だけが持つ空気
現存天守に入ると、まず木の香りに包まれる。
軋む階段、削れて丸くなった柱の角。
見上げた天井の梁には、墨で記された大工の落書きが残っていることもある。
「…なんやろな、静かやのに、“生きてる”感じがあるんよ」
それは、古くから続く企業と似ている。
一代ではなく、代々続いてきたからこその深み。
派手さはなくても、地道に残ってきたものにだけ備わる、確かな重みだ。
◆株と城──どちらも、続けてこそ
「株でもそうやん。創業百年超えの老舗銘柄って、地味やけど、安心感あるやろ?」
ワクカブの投資哲学は「見て、食べて、感じる」こと。
旅行も、食事も、株も、肌で確かめて納得して選びたい。
だからこそ、彼は旅に出る。
現存天守を巡る十二の旅。
それは、旅の地図であり、学びの地図でもある。
◆そして、第一夜へ
こうして始まった、ワクカブの現存天守十二選の旅。
第一夜は、東北は青森県・弘前城。
桜が咲き誇る城下町で、歴史と食を味わいながら、旅の幕が開く。
それぞれの城に、それぞれの物語。
十二の天守を巡りながら、ワクカブの“本物”探しの旅は続く。
ある晩、ワクカブがテーブルに広げたのは、旅雑誌の特集ページ。
そこには、重厚な石垣の上に立つ古城たちの写真がずらりと並んでいた。
「天守って、みんな昔のまま残ってるもんやと思ってたわ。でもな、違うんやな。ほとんどは再建とか、コンクリのやつなんやて」
そう、現代に「そのまま」残る天守は、全国でたったの十二しかない。
◆現存十二天守とは?
「現存十二天守」とは、江戸時代以前に建てられ、今日まで火災や戦争で焼失せずに現存している天守を指す。
昭和や平成になってからの復元とは違い、当時の木造建築がそのまま残る「本物」だ。
その十二とは──
弘前城(青森県)
松本城(長野県)
丸岡城(福井県)
犬山城(愛知県)
彦根城(滋賀県)
姫路城(兵庫県)
松江城(島根県)
備中松山城(岡山県)
丸亀城(香川県)
松山城(愛媛県)
宇和島城(愛媛県)
高知城(高知県)
「愛媛だけで二つもあるんやな。四国、侮れんな…」
◆なぜ“残った”のか?
それぞれの城が残った理由には、運と奇跡、そして市民の熱意がある。
たとえば弘前城。明治の廃城令によって取り壊されそうになった際、市民が懇願して天守の保存が認められた。
その粘り強さが、いま私たちに“本物”を見せてくれる。
一方で、ほとんどの天守は火災や空襲、経年劣化で失われた。
木造で高層な構造は、維持するにも莫大な労力と財力が必要だったのだ。
◆「本物」だけが持つ空気
現存天守に入ると、まず木の香りに包まれる。
軋む階段、削れて丸くなった柱の角。
見上げた天井の梁には、墨で記された大工の落書きが残っていることもある。
「…なんやろな、静かやのに、“生きてる”感じがあるんよ」
それは、古くから続く企業と似ている。
一代ではなく、代々続いてきたからこその深み。
派手さはなくても、地道に残ってきたものにだけ備わる、確かな重みだ。
◆株と城──どちらも、続けてこそ
「株でもそうやん。創業百年超えの老舗銘柄って、地味やけど、安心感あるやろ?」
ワクカブの投資哲学は「見て、食べて、感じる」こと。
旅行も、食事も、株も、肌で確かめて納得して選びたい。
だからこそ、彼は旅に出る。
現存天守を巡る十二の旅。
それは、旅の地図であり、学びの地図でもある。
◆そして、第一夜へ
こうして始まった、ワクカブの現存天守十二選の旅。
第一夜は、東北は青森県・弘前城。
桜が咲き誇る城下町で、歴史と食を味わいながら、旅の幕が開く。
それぞれの城に、それぞれの物語。
十二の天守を巡りながら、ワクカブの“本物”探しの旅は続く。
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