7 / 18
パラドキシカル・パララックス
しおりを挟む#0
アガサは、はじめて出版社に原稿を持ち込むことにした。
知人に大手出版社に勤めている者がいて、そのコネを利用したというのではない。
片っ端から連絡しまくって、やっと面談を取り付けたのだ。
その出版社は、護国寺にあった。
持ち込み当日は、バイトが入っていたのでバイト先のある六本木から護国寺に向かうことになる。
アガサのしているそのバイトは、映画会社の企画宣伝部での仕事で、つい先日には、あの鈴木清順監督が試写会に来られ、舞い上がってしまったアガサはサインをねだろうとしたのだが、社員の宣伝部員たちに恥ずかしいからやめろよなといわれ、仕方なくあきらめた。
アガサは、むろん清順監督のファンでもあったわけだが、アラン・レネの撮った「去年マリエンバートで」に触発されて、自分も映画を作ってみたいと思ったのだと自主映画の仲間たちに公言してはばからなかった。
だが、実のところそれは、ちょっとカッコイイから表向きにはそういっているだけであって、ほんとうは相米慎二監督の「台風クラブ」に感銘を受けたからだった。
そんなアガサは、まったくの畑ちがいの仕事をするよりはと、映画製作会社になんとかもぐりこんだわけなのだが、ネタ探しと称して日がな一日コミックを読みふけってみたり、封切り日の舞台挨拶の手伝いで都内の劇場をまわったりと仕事だか遊びだかわからないようなバイトの日々を送りながら、脳内映画を何本か撮っていた。
持ち込み原稿は、その脳内映画のためのスケッチみたいなもので、白日夢のごとくあることないこと頭に浮かんできたものを取捨選択せずに、そのまま書き綴ったものだった。
アガサは、テクストからイメージが湧いてくるというタイプだ。つまり、テクストを書き出すと映像が見えてくるのだ。
だから、それはシナリオ以前のもので、まったくシナリオの体裁をなしていなかった。
#1
その持ち込みの当日も、試写会が入っていた。
アガサは、地下の試写室前に立ち、招待状を持ってやってくる記者や来賓の受付をやっていた。
映画は、定刻通りにスタートし、遅刻してやってくるお客を十分ほど待てば、後は映画が終わるまでヒマになる。
それでアガサは、めずらしく映画をちょっと覗いてみることにした。
今回の封切作品のプレス原稿を書く当番にあたっていたアガサは、シナリオを相当読み込んでいた。
プレス原稿というものは、通信社などのエンタメ欄において映画を紹介していただく際に、どのような映画かを紹介しやすいように、前もって梗概を書いておくプレス用の原稿のことで、ペラといわれる二百字詰め原稿用紙十枚ほどに梗概をまとめあげなくてはならなかった。
必然的にアガサの頭のなかには、ストーリーがいやというほど叩き込まれていた。
それをどのように描写していくのかは、監督の才能と腕次第というわけだが、実際の映画として仕上がったフィルムを観てみたいという強い欲求がアガサにはあった。
#2
アガサは、トイレを済ませるといそいそと試写室へと入っていった。
ところが、そこで上映されている映画は、映写技師さんがフィルムを完全に間違えているのではないかと思えるほど、アガサの読んだシナリオとはかけ離れた内容だった。
小さな町工場で働く板金工見習いの青年の物語であったはずなのに、スクリーンにはハワイのワイキキみたいな、トロピカルで底抜けに明るいビーチが広がっていた。
どんなに贔屓目に見ようが、下町の町工場からリンクできるはずもない場違いなロケーションだと思うのだが、あるいは、板金工見習いの青年、オオハラの妄想シーンなのかもしれないと思った。
シナリオでは、新入りのオオハラと定年を間近に控えた職人気質のオガワさんとの交流を主軸にオオハラの恋愛も絡めながら、人生の悲哀みたいなものを描きだしていたはずなのだけれど……。
スクリーンでは、アンバーの紗がかかったような琥珀色した渚を背景にして三十人ほどのダンサーが、フラを踊っている。
ブルーの衣装とレイを身にまとった彼女たちのその優美なまでのダンスは、豊な生命のヴァイブレーションそのもののように思えた。
これは、まさに女性でなければなしえない表現ではないだろうか。しかし、いったいぜんたいどうなっているのだろうか。
映画は、延々とフラを踊る優美な女性たちを活写していくばかりなのだ。オオハラの物語はどうしたのだろう。
本来ならば、新米のオオハラが日がな一日、鉄の板に穴を開けたりヤスリで研いだりする作業が、インサートされていくはずなのだ。
工業高校出身のオオハラは、溶接、鍛造、鋳造、旋盤と一通りの作業を実際に行ったことがあった。
つまり、まったくの未経験というわけでもないのだから、いわゆる工場(こうば)という職場の雰囲気にもある程度の免疫もあるわけなのだが、実のところオオハラは、高校のときには、工業系の作業がいやでいやで仕方なかったという。
にもかかわらず、なぜまた小さな町工場で働こうなどと考えついたのか、それが自分でも不思議でならなかったようだ。
けれども、これしかない、という感触はあったという。目から鱗ではないけれども、やっと捜していたものが見つかったという感じがしたらしい。
ただし相当切羽詰まっての選択だったことは否めない。
これが俺がやりたかったことなんだ、ということではむろんなく、唯一自分に残された選択肢はこれだけなんだということに、オオハラはやっと気付いたといえばいいだろうか。
カメラが大きくパンして、スクリーンいっぱいにフラダンサーの指導者らしい年配の女性をとらえた。
彼女は、柔和に微笑むと話しはじめた。
「ひとつのハラウからすべての知識を得ることはできないのよ。より多くの情報源から学びなさい、という意味のハワイのことわざがあるけれども、つまり、多くのマスターから知識をえることが大切なの……フラは、生きることの喜びと祈りの表現なの。つまり、フラは、感謝の心なのよ……もともとは、男性にしか許されていない踊りで、大地や海や空、風や木、花など自然の神への感謝と祈りをささげる神聖な踊りなの……そんなフラも、一世紀初頭にハワイに渡ってきたプロテスタントの宣教師によって禁止された時代もあったのよ……」
#3
アガサは、そのスーパーインポーズを読みながら目蓋がじょじょに重くなってきた。
やがて、アガサが完全に目を瞑ってしまうと、ボール盤をつかって鉄のプレートに穴を穿っているオオハラの姿が見えた。
「一気に穴を開けるんじゃないんだ。まずさ、下穴といって小さな穴を開けて、それから徐徐に穴を大きくしていくんだよ」
オオハラは、ドリルを鉄のプレートに突き立てながらアガサにそう説明した。
そしてさらに「切れ味が悪くならないように、潤滑油をドリルにぬるのを忘れずに」ともいった。
潤滑油の紅いとろりとした液体の入ったブリキ缶の中に切粉が飛んで煙を上げる。
削り出されたばかりの切粉は、ドリルの摩擦熱によって異常なほど熱くなるからだ。
「紅い半透明の油のなかで、くるくると螺旋状となった切粉が、うねるように身を捩じらせ蠢いているような気がして、俺はいつも視線を奪われてしまうんだ。その蠢くさまが、切粉が喜んでいるからなのか、あるいは苦しんでいるからなのか、そんなことを想像するのは楽しいよ」
そういいながらもブリキ缶に視線をやるのは、ほんの一瞬のことに過ぎず、オオハラは、また黙々と作業に打ち込む。
「たださ、穴を穿つスピードに留意することと、位置を間違えないように集中しつつも、頭のなかでは何を考えていようが一向に構わないわけだから、いろんなことを想像しては愉しんでやろうとは思うんだけれど、初めてやることばかりだから、そこまでの余裕はまだないんだ」
「あれ? でも高校のとき、ボール盤やったはずよね?」とアガサ。
「そうだっけか。もう忘れたよ。いやな思い出は忘れることにしてるんだ」
「わかるわ」アガサは、そういって頷く。
「鼻歌まじりで作業できたのならばどれだけたやすい仕事だろうなどと思うんだけど、緊張感をもってのぞまないと、いつなんどき怪我をするかわからないといった作業なんだ」
その通りだとアガサも思った。
相手は機械なのであり、オオハラの手がドリルに巻き込まれても機械が回転を緩めてくれるなどということは一切ないのだから。
「はい。じゃ、やってみて」
オオハラは、そういって立ち上がり、アガサの手を引っぱった。
「え!!」
そこで工場の中は、暗転したように真っ暗になってしまう。
#4
……気がつくと中目黒だろうか、駅のホームのベンチにアガサは座っていた。
真っ赤なミニからのぞいたふとももの上には読み差しの文庫本。アガサは、何か不思議な感覚に囚われていた。
ただぼーっと深沢七郎の『笛吹き川』の字面だけをおってゆく内に、盆の窪あたりがちりちりと痺れるように痛んだかと思うと、不意にこれから起こるであろうことを逐一予知しているかのような錯覚に陥ったのだ。
それは、あくまでも錯覚であって、これから何が起こるのか具体的にはまったくわからないにもかかわらず、近い未来がわかってしまったという認識だけが残滓のようにあった。
アガサは何気ない様子を装って、向いのホームを眺めやる。
普段とまるっきり変わらない何の変哲もない眺めだけれども、ひとけのないホームは、全体が生き物のように密かに脈打ってるのがわかる。
しらばくれって、アガサは再び文庫本に目を落とす。
すると、ホームはにわかに大胆になって、いよいよ大きく波打ちはじめ、反対側の線路に停まっている無人の電車もぐにゃりぐにゃりとのたうちだすや、その身を持て余したように伸びたり縮んだりしはじめる。
アガサは今気付いたとばかりに文庫本を見事に取り落とし、大仰に驚いてみせたりする。
無視することは、いちばんまずいと思ったからだ。
すると線路は枕木もろともまくれあがって、ちょうど弛んだロープの端を持って打ち下ろしたときのように、大きく弓なりに反り返りながら右、左と交互に波打ちはじめ、そのひと振りごとに枕木が風を切って宙を舞う。
そうやって二本のレールは身軽になってゆき、鞭打つような動きの振幅の度合も加速度的に増して、ついにはホームを覆う屋根すれすれまでにまくれ上がったかと思うと、こまかく千切れはじめた。
そして左右てんでばらばらにアルファベットのmやwに似た文字を形作ってみせ、次いで何やら単語を描き出しはじめる。
そのレールの軌跡の残像を追ってゆくと……「ko no kuso bukuro yarou!」この糞袋野郎! と、読めた。
なるほどね。確かに糞袋にはちがいないとアガサも思う。あるいは、この蛆虫(うじむし)野郎でも。
アガサは、以前にも映画会社の忘年会の帰りに、街角に立って直引きしているニューハーフの子から、「この糞袋!」というありがたいお言葉を投げつけられたことがあった。
声も出ず、ただ呆然と見つめている女……を演ずるアガサ。
振り返ると、東急ストアの屋上パーキングに停めてある車のタイヤが次々に破裂してゆき、ボンネットが爆発音と共にはね上がる。
プラットホームの屋根の一部も、それに呼応するかのようにして吹き飛ぶと眼前に広がるどんよりとした黄色っぽい空を背景にして、墨流しのように様々の紋様の黒雲が一点を中心にゆっくりと回転していた。
と、黄色からオレンジへと変化しつつる空の一角がぱっくりと口を開け、鮮やかな紫の煙が流れ出てくるや、耳をつんざくような金属的なノイズが辺りを席巻しはじめる。
その凄まじい音圧で、プラットホームの残りの屋根も一気に吹っ飛び、音もなく飛翔して五十メートルは離れているであろうTSUTAYAの入っているビルに斜めに突き刺さった。
いつか見た、ニューヨークの惨劇を想いださせる光景は、やはり、あの時と同じように現実感を伴わず、まるで映画を観ているようだった。
やがて朱色に染まった巨大な眼球が、遥か上空にぬるりと現われ出てきた。
眼球はそれ自体が紅いのではなく、眼球の表面に浮き出ている毛細血管から血のような汁がにじみ出て、それが塊となってぼたぼたと滴り落ちている。
そいつが降下してくるにつれ風が巻き起こり、両耳がエレベーターに乗ったときのように詰まった感じになった。
やがて目を覆いたくなるほどに間近に迫って来ると、太陽は遮られ辺り一面眼球の朱色が反射してぼうっと紅く滲んで見え、それをバックにぼやけたオレンジの丸い光彩が幾つも折り重なって飛び跳ねていた。
アガサは、声も出ずただ呆然と見つめている糞袋役にもそろそろ飽きてきて、ふと見た足許にころがっていた……いや、実際はもう頃合だなと思って足で引きずり寄せておいた……半透明のビニール傘をおもむろに引っ掴むと、血走った巨大眼球めがけて投げつけた。
とどくはずもないその傘は、しかし吸い込まれるように眼球めがけて真一文字に飛んでゆき、瞳のど真ん中に見事に命中する。
そして、眼球はプリンのようにぷるぷると小刻みに震えだしたかと思うと、あまりにもあっけなく風船みたいに破裂した。
粘ついた赤い液状のものが四散して、ホームにも周りのビルにもふりかかり何もかもがとっぷりと朱色に染まる。
まるで血の池地獄そのままだった。
それから世界は、瞬間ぐらりと斜めに傾いだかと思うと、ゆっくりと回転しはじめた。
が、そのとき……。ポケットのケータイがいきなり震えだした。アガサは手さぐりでボタンを押して、耳に押しあてる。
「……はい?」
「はじめまして。二十九歳独身のタクヤで~す。いちおう、彼女はいるんですが、ほかの女性とも知り合いになりたくってお電話しました。会ってその日にHって、ドン引きする人もいると思うんですが、私ももう二十九ですし、きれいごとはいいません。とりあえず会っていただけませんか?」
#5
大手出版社の一階にある、個別ブースが迷路のようにレイアウトされた面談ルームで、アガサは美人編集者と対峙した。
通路を伝って、和やかなさんざめきが聞こえてくる。編集者の若い女は、非の打ちどころのないほどの美しい顔立ちをしていた。
だが、その容姿よりも、女王様のような尊大さが際立っていて、それが美貌と相まって、異常なほどの冷酷さを醸し出していた。
アガサは、改めて一礼して話はじめる。
「本日は、お忙しいなかありがとうございました。それで、拙作をお読みいただきたくて持ち込ませていただいたのですが、まず、申し述べておきたいことは、この短い作品をお読みになられるには、それ相応の覚悟が必要ということなのです。つまり、あなたさまの命になんら差し障りのないことを保障はできかねるということです」
そういってアガサは、向かい側にすわっている若い編集者に、何やらプリントアウトされているA四サイズの白い用紙をオレンジのクリアファイルから少しだけ覗かせてみせた。
#6
出版社に向かう道すがら、とはいっても電車のなかでのことだが、アガサは人食いワニのパラドックスのことばかり考えていた。
そのパラドックスとは、こうだ。
マシュマロみたいに白くてかわいい赤ちゃん、テレーザを抱いたマリーママが、有栖川記念公園を散策していると、池から不意に体長五メートルくらいもありそうなアリゲーターが、出現した。
そして、あっと思うまもなく、テレーザをベビーカーごとかっさらった。それから、そいつは当然のごとく、喋りはじめる。
「奥さん、実に美味しそうなベビーだねぇ。おれ、このベビーを食いたいんだけど、いいかな?」
いいわけねーだろ、この馬鹿ワニが! と心で呟きながらマリーママは、青ざめた顔で、いやいやするように首を横に振る。
「お願いです。私のテレーザを返してください」
「ああ。返してやらないこともないけどさ。ただし、ひとつだけ条件がある。これからオレさまが、やろうとしていることをぴたりと言い当てられたなら、このベビーは返してやるよ」
マリーママは、必死になって考えをめぐらす。大切なテレーザを、食べられてしまわないようにするには、どうすればいいんだろう!
「優しいあなたは、私にかわいいテレーザを返してくれるでしょう」
あるいは、
「残忍なあなたは、私のテレーザを食べてしまうでしょう」
このふたつにひとつの選択問題なのだろうと思った。まちがっても、オナラをするとか、ゲップをするとかの類いではないだろう。
まず、「残忍なあなたは、私のテレーザを食べてしまうでしょう」という回答で、マリーママは、考えてみた。
この馬鹿ワニが、テレーザを食べるのならば、私の言ったことが正しいということになるから、アホワニは、私にベビーテレーザを返さなければならない。
一方、ワニが、私にかわいいテレーザを返してくれるのだとすると、私の言ったことは、不正解ということになるから、かわいいテレーザは、この残忍きわまるワニに食われてしまう。
だから答えは、「残忍なあなたは、私のテレーザを食べてしまうでしょう」だと思った。
でもでも?? その通りテレーザをワニが食ってしまったならば、それは取りも直さず、私の言ったことが正しかったということになるのだから、ワニは、私にテレーザを返さなければならないだろう。
マリーママは、もうなにがなにやら、さっぱりわからないのだった。
#7
それは、どういうことですかと、編集者の女がいった。
「今回の作品は、ホラーだから、あなたの作品に呪いでもかけられているとでもいうのですか? 馬鹿も休み休みいってください」
だから、アガサは言ってやった。
「じゃあ、挑戦なさってくださいませ。ただし、この文章にはシュルレアリスムの呪いがかかっていますので、あなたさまは文章を一切読まずに、何がここに書いてあるのかを知らなくてはならないのです。さあ、どうなさいますか?」
ケッと編集者の若い女が吐き捨てるようにいった。
「呪いですって? そんなことこの私が信じるとでも思っているんですか? だとしたら、ほんとうにお笑い種だわ」
売り言葉に買い言葉である。
「あらそうでございますか。ならば読んでいただきたいものです。そのかわりあなたさまがどうなろうが、私は一切責任を負いませんので、悪しからず」
「結構ですわ。じゃ、さっそくこの場で拝見させていただきますね」
「どうぞどうぞ。ご随意に」
アガサは、この高慢ちきな女を心の底から憐れんだ。
ほんとうに気の毒な女だ。
女は、アガサからオレンジのクリアファイルを受け取ると、A四サイズのプリントアウトされた原稿を取り出して、いっさいのためらいを見せることなく読みはじめた。
アガサは、このお気の毒な女性が読み終わるのを待つのももどかしく、ちょっとお手洗いをお借りいたします、と言い残し、パーティションで仕切られたブースからいったん退出する。
その去り際に、彼女をちらりとうかがうと、女は、何かに憑依されたかのように椅子の上に爪先立ちになるや、物理的にはありえない角度と速度で、回転しはじめた。
だからいわんこっちゃないと、アガサは独りごちた。
「紅い半透明の油のなかで、くるくると螺旋状となった切粉が、うねるように身を捩じらせ蠢いているような気がして、俺はいつも視線を奪われてしまうんだ。その蠢くさまが、切粉が喜んでいるからなのか、あるいは苦しんでいるからなのか、そんなことを想像するのは楽しいよ」
アガサは、オオハラのいったことを思い出した。
彼女が、喜んでいるのか、あるいは苦しんでいるのかわからないけれども、ともかく回転は、彼女が死ぬまで止まらないだろう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる