パサディナ空港で

トリヤマケイ

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#68 もうすぐハロウィン🎃

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*月*日

  ドッグタグというのは、いわゆる認識票のことで、軍隊における兵士の個人識別に用いられていた。その名の由来は、首から下げた認識票が犬の鑑札札(狂犬病予防法に基づく登録票)に似ていたことから、それになぞらえてドッグタグと呼ぶようになったらしい。しかし、そこには似ているというだけではなく、多分に自嘲的な皮肉の意味合いが込められているようだ。

   旧日本陸軍における認識票は、小判型の真鍮の板を上下の穴に紐を通して胴体にたすき掛けにしていたという。この認識票には、氏名、生年月日、性別、血液型、所属軍、認識番号、宗教等が打刻される。映画などで戦死した兵士の下げる二枚あるドッグタグの内の一枚を引きちぎるシーンを見受けるが、あれは戦死報告用に片方を回収し、残りの一枚は識別用に遺体に装着したままにするというわけだが、実はそれは誤りであるらしい。

   実際には爆発などによって胴体が、上下に分かれてしまったような遺体の損傷が著しい場合に、足にも付けるために二枚あるのだという。また、戦地など遺体の収容先で、遺体をボディバッグに収める際に一枚をバッグのジッパーに付ける場合もあるようだ。



   ドラマ「ラジエーションハウスII」で軒下がマッチングアプリで見つけた彼女とレストランで食事をする際に、雑学を披露していた。

   彼女いない歴=年齢のオレもマッチングアプリで連戦連敗なのだが、何かそのわけがわかったような気がした。

   やっぱり女子は知性的な男にグッとくるのではないか。むろん、スポーツマンタイプな男が好きな人もいるだろうが、タッパもなく、シックスパックなんてすぐになれるわけもない、そんなオレが、いちばん手っ取り早く一家言あるような立派な人物に見えるようにするには雑学を披露する、ということではないのか。

   そんな考えがあって、今回こそはうまくいくという意気込みでドッグタグの雑学を披露してみたのだった。

   ドラマではギブスの雑学を披露した軒下だったが、オレもいろいろネタを漁ってみた。ギブスは、彼女の友人の怪我からの発想だろうが、なかなか意外性のあるアイテムだった。

   やはり意外性が結構大切なのかもしれない。レアすぎて誰も知らないのでは意味はない。彼女も知ってはいるけれども滅多に日常的には使わない単語。そこでオレは、ドッグタグに行きついた。

   彼女も洋画が好きだというから、知らないはずはない。実際、感触は悪くなかった。

   だが、見事に今回も撃沈したのだった。

   雑学を披露した後の彼女の微妙な微笑みを未だにオレは思い出す。まるでモナリザみたいな複雑な笑みだった。

   でも、オレはくじけない。たぶん、雑学の選定を見誤ってしまったのだ。正しい選定に足りなかった何かがあるはずなのだ。

   そしてオレは、またひとつ『気付き』を貰えた。

   左目の下に刃物傷みたいなのがあるヤンキーと白い杖を持った女子のドラマを観ていて、気付いたのだ。

   ヤンキーが職に就こうとするのだが、ことごとく断られてしまう。で、結局等身大のありのままの自分が一番だと思うのだが、まさにオレもそれな!   と思った。

   ヲタクのオレの自然体。それを見てもらえばいい。だから雑学もヲタク用語で行こう。

   DD、TO、出禁、他界、最前管理、ガチ恋、リリイベ、ワンチャン何にするか。

『後方彼氏ヅラ』これに決めた!   

   自然体の自分、ありのままの自分を見てほしい。これでやっと推しと○○から卒業できる。そんな予感しかしない、独り寝の夜。

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