パサディナ空港で

＃１３９ 超メジャー某アイドル記者会見

＊月＊日 

◯Sさん、とにかく上機嫌でいらっしゃるようで、はたから見ていても微笑ましいのですが、なぜまたその人が気になったんですか？













「うーん、なんていうか悪目立ちというとちょっとご無沙汰、じゃないや、語弊がありますけれど、ヲタクの人ってやっぱり推しの発言やら行動に対して付和雷同するわけじゃないですか？  でも、その人は違ってたんですよ、右向け右ではなかった」












◯まあ、どこにでも天邪鬼な人はいますからね












「そうなんですよね、ピンチケっていうか厄介はどこにでもいますからね。でもね、その人はちょっとそれともちがう感じがしたんです」












◯といいますと？











「ひどい言葉を吐いて自己をアピールしてるんじゃなくて、そこには愛があると思えたんです」












◯なるほど。しかし、そこから恋が芽生えるなんて陳腐なラブコメみたいなストーリー、ほんとうにあるんでしょうか？













「むろん、ないですよ。そんなの」













◯え？  では今日のこの会見はどういったご趣旨の？

　










「いえ、なのでそういう気になる人が現れました的なご報告です。誰得でもないですね笑」















◯ハア。もしかして今日お召しのそのピンクのワンピースは、何かの匂わせだったりしますのでしょうか？ ご結婚とか？













「ノーコメントでお願いします」















◯小声で (何様のつもりだよ！)