パサディナ空港で

トリヤマケイ

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#209 Mくん

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 いまそばに近藤さんがいる、ここはホテルのラウンジ。
 
 
 
 
 
 
 

 見たこともないほど近藤さんは緊張していて借りてきたネコみたいである。
 
 
 
 
 
 
 

 実はこれからMくんとここで会うことになっている。
 
 
 
 
 
 
 

 Mくんは妖精みたいなオッサンで、オッサンといってもたぶん30前後だが未だに妖精と交信しているらしく容姿も人間離れしていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 近藤さんは、そのMくんの動画を見て容姿やエピソードにえらく感動したらしく、絶対にMくんに会いたいと思っていたらしい。
 
 
 
 
 
 
 
 

 実は彼女自身も妖精が見える人だったのだが、ある事件以降妖精が見えなくなり声も聞こえなくなってしまったらしい。
 
 
 
 
 
 
 

 そこで彼女は妖精に再び会えるようになるにはどうしたらいいか教えてもらいたいということで、ぼくがMくんにその旨伝え、DMでふたりは何回かやり取りし近藤さんは見事にMくんと会う約束をとりつけたのだった。
 
 
 
 
 
 
 
 

 Mくんはなんせビジュアルも人間離れしてるし何を考えているか全くわからない人だったが、いや、ほんとうに人類なのかどうかさえ怪しいものだけれど、カメラ禁止で、とにかく静かな場所を用意してくれるならば会うという返事だったらしい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 これから何かが始まる予感がした。
  
  
  
  
  
  
  そして。
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 Mくんが、やってきた。ホテルの回転扉から入ってくるやいなや、彼のまわりがオーラなのかわからないが、キラキラと輝いてみえた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そのいでたちも、異様というか、よくいえばユニークなファッションで、ふつうの人ではないことが誰の目にも明らかだった。動画では仮面舞踏会のようなマスクをつけていたが、きょうはサングラスだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ほんとうは、ホテルの部屋を取ってあればいちばんいいのだが、Mくんが実際に現われるかどうか、まったく予断を許さなかったので、とりあえず、ラウンジで話をすることにした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「どうもMです」と彼は言った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 Mくんは、その非常にエキセントリックな容姿とは裏腹にもの柔らかな物言いと一般常識も心得ているようで、飲み物が来るまでの初対面の者同士の気まずい時間も、軽い雑談と笑顔で間をもたせるといった気遣いもできる人物だった。
 
 
 
 
 
 
 
 

 そして。Mくんは頼んだエスプレッソを、一口すするやいなや、誰に問われたわけでもなく、ごく自然に立て板に水の如く滔々としゃべりはじめた。まるで、それはあの恐山のイタコの口寄せみたいというか、自動書記を音声化したみたいな内容だった。むろん、ぼくはデジタルレコーダーで録音していたが、以下はそれを文字起こししたものだ。まともな文章ではないため、これはマジヤバイと感じた方は飛ばして読んでいただきたい。












「次に私が起きた時、家にあるすべての時計たちは、時間そのものの概念をすべて失いました。思い出す最初のことは、馬が移動していたということです。その時、すでに私は馬でした。それも自動車の中で。ブレーキが角でかけられたことで慣性の法則による自動車およびその上下運動は私を天国に連れていきました。それが、私のビジョンクエストではあるのですけれども、あなたを助けようとしませんでしたか、その時私?  いえ、あなたにではなく自分自身に問い掛けているのです、その晩から明け方近くにかけて。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そんなことをまだ理解にまで至ってはいないとは思われるのですが、実際問題あなたは破顔したのですか? それを理解したくはないのですか? オンドル? いえ、たぶん柘榴。しかし、それは自然な所作であると私も同様に。存命中にとに思うわけなのですが、というのも即ち、そうする必要性をなんら感じませんし、また、今、私は、私たちの小さなQ&Aセッションが不充分に長過しすぎたとMCが美人すぎてバンダル・スリ・ブガワン嗤う思い思われ恐れ入ります鬼子母神。
 
 
 
 
 
 
 
 
 というと、矛盾そのもののようにコアコンピタンスにあなたに響くユーフォニアムと思われますが、私が今のあなたは、置かれた初期の肉体の条件に疑惑のもとでフルコミットし同じようにアサインしつつ彼女の口蓋、それそのもの。皺。鎧。ダマスカス。それはビション・フリーゼでしたか? ただしチワワはほとんど臭わないとしても、やはり同様な結果しか得られなかったとジレンマしてジンクスを思うわけなのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そこで私たちは移動し続けることができますが、やはり性加害がこのところ9000マソ何かと世間の話題にあがって下がっていますし、そうなるとついわたしも、いま携わっている。この一日も早く、そう。ワタシをネガティブ・キャンペーンにうっちゃって。てかネガティブ・ケイパビリティいや、すぐにでもうっちゃっり寄り切り吊り出し河津掛け死に体ですね、それは。これも私のこの混乱した頭のカセキシス、大伽藍の中央に佇み、大声であなたの名前を呼ぼうとして、何かが私の鼻腔のなかにあることを発見した時のように、私は鼻によって少しその、so that構文的な畜生、進行はオンでしたか。私は不平を言って、頭を急に上下に右左し斜交いに動かしながら雇止めしましたから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 手はそれを下へ押し上げそれはそうするべきです。アムンゼン。シエラレオネ。それは乞うべきなのです。レセプター器官であるそれにもう2、 3本与えてください。私は、私の口にあったものすべてに対する憤怒のキミよ中で鈍い音は川をあまり現われ渡れませんでしたが、何か中へ蹴らなければならないのか、何を蹴りだして何を削りだして私の肩の中の刺すことは私に戻りました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そして、それらは何かを私に注入のように、はるかに長い働くその材料取り分、それは女性の音声でした。私は、初めはそれを認識しませんでした。しかし、私の記憶の中で夜をともにピーピングする少数の瞬間の後に、私はそれをターミネーターであると認めました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 しかし、私の手は私の背に移動し、脚はいつのまにか、3本になっていました。実際は、私の前頭葉に隠れていたに違いありません。刺すような苦痛が、私の左肩に走り、そのことによって必然的にfemale dominant modeになった私は尻を突き出し、弱い雑音を出しました。それは放屁とも呼ばれるものですが、直後、何かが私の顔にあたりました。それはアルマーニのスーツを来た男でしたが、よくみて見ると女性でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そして、私に話しかけてきたその女性は、「人生の最良の時期を持っているところです、それを思い出すのに、人生の半分がもう過ぎてしまっていました」というのでした。
 私は、彼女がいったい何を言わんとしているのかわかりかねたので、小首を傾げ「それは?」と眼差しだけで問いかけました。
 すると彼女は、話し始めたのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ああ。ごめんなさい。わけがわからないのは当然ですよね。私、ずっと歯痛が酷いので喋るのが億劫なものですからね、なんでも端折って話してしまうものですから。ごめんなさいね。実は、私の枕もとに亡くなった祖母が出てきたのです。夢枕に立つってやつですね。それで祖母のいうには、人生最良の時期が近づいて来ているから、それに備えて心身を磨いておきなさいというのです」
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 Mくんは、一気にそう言うとエスプレッソを飲み干した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 さすがにぼくらは、目を白黒させるほかありませんでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 それで、ちょっと思い出したのですが、以前バイト先ですごい人が受付のカウンターに来たことがありました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 その人は、メガネをかけた女性だったのですが、やってくるなり、速射砲のようにしゃべりまくるのです。そしてそれが、一言一句何を言っているのかまったくわからないのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 外国語ではなく日本語であることはわかるのですが、支離滅裂な言葉を高音でキーキーと捲し立て、やがて気が済んだのか、不意に帰っていきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 まるで、宇宙人とかに脳を乗っ取られていて、その宇宙人がしゃべっているみたいでした。知らんけど。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〔てにをは〕がおかしいとかいうレベルではなかったのですが、ついついMくんの頭のネジが50本くらいは吹っ飛んでいそうな、ぶっ飛んだ日本語に、件の女性を思い出してしまったのでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 まあ確かにぼくらとしても、妖精が見えたり会話したりするという彼を、相当ヤバイやつと思ってないこともないわけで、ある程度の覚悟はしていたのですが、さすがにこれには、白旗をあげるしかありませんでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 なんせ、会話が成り立たないのではどうしようもありませんから。しかし、さすがに礼を逸するような言動はヒトとして慎まないわけにはいかず、とりあえず軽く途方に暮れながら、さてどうしたものかと思案していると
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いやあ、すいません。みなさんを試すようなマネしちゃって」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 とMくんは、ニコニコしながら、まともな日本語を流暢に話すので、再度ビックリしてしまいました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「やはり、あれなんですよ、最初に一発かますことにしているんです。妖精の事に対して興味本位で近づいてくるやつも多いもんですから。ま、たいていはSNSでの誹謗中傷だけでは飽き足らず口汚なく罵り、罵倒するためにわざわざ面罵しに来るわけです」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「はあ?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いや、ですから、試金石というか、踏み絵みたいなもんですよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いや、おっしゃる意味がよくわからないのですが」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「すいません、たとえが悪かったですね。つまり、いわゆる常識に囚われているか否かを見させてもらったんです」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あーなるほど、わからなくもないですが?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「つまりですよ、子どもの頃はみんなサンタさんは実際にいると思ってたりするじゃないですか、赤ちゃんは、コウノトリが運んでくるとか、永田町には妖怪が巣食っているとか、YouTuberは最高の職業だとか、性加害しても誠意を見せて多額の口止め料を支払ったならなんとか誤魔化せるとか、悪い子はいねーかーとやってくるナマハゲはほんとうにいるとか、人は空を飛べるとか、妖精は絶対にいるとか、そういったことを信じてたわけじゃないですか、それが大きくなるにしたがって、この卓越した科学の時代にそんなバカなことがあるかと、すべてを否定してしまう、それがあたかも大人になった証しみたいに」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「まあ、そう。そうなのかもしれませんね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「なので、はじめから妖精なんていないと否定している人には妖精が見えるはずもないんです」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「それは、たしかにそうかもしれませんが」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「で、世界は実は言葉でできているんです、この意味わかりますか?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「うーん。そういえば、そうかなぁって」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「言葉には、それだけのチカラがあるんです。なので、死にたい死にたいと思ったり、言葉にしていたら必ず死にますよ? あるいは、暴力を振るうように誹謗中傷で相手を傷つけたり、逆に愛ある言葉で幸せにできる、それが言葉です。なので、近藤さんが以前は妖精が見えていたのに、見えなくなってしまったというのは妖精やら幽霊やら妖怪やら、そんなものいるわけないと強く思っている人たちとの関わりが多かったのではないですかね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あーそうかもしれません」と近藤さん。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「まあ、とはいえとにかく胡散臭い野郎だというぼくの印象は払拭できないと思うんですが、ちなみに、これ言っちゃうとさらにヤバイやつと思われるかもですが、みなさんご存知のまいやん、彼女は、ぼくの知り合いなんです」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「えっと、それは?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いや、別に他意はないんですけど、ただの知り合いというだけで」
 
 
 
 
 
 
 
 
「え、え~と」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あ、ウソつきやろうって思ってるでしょ。わかりました。そう思われて当然ですよね、じゃ、今ここでまいやんにLINEして、ここに来てもらいますから」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「マジですか、それ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あー、既読スルーされました、やっぱり忙しいのかな、ま、クリスマス・イヴですからね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「じゃ、しゃーない。まいやんはあきらめて飛鳥ちゃん、呼んでみますわ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あの、飛鳥ちゃんて?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ほら、あの飛鳥ちゃんですよ、みなさんご存知の」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「はい?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あ、帝国ホテルのラウンジでこれから雑誌の取材受ける、ですって。ばらけ次第来てくれるそうです」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あー、でも」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「じゃ、待ってる間に本題の妖精に関してなんですが」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あーいや、それはまたの機会ということで、この後の予定もありますので」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「え? そうなんですか、あの飛鳥ちゃんですよ? あ、なんなら、指原呼びましょうか?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「指原って、あの指原莉乃さんですか?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「そうそう。実は、彼女からまいやんや、飛鳥ちゃん紹介してもらったんですよね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いや、ホントにもう結構です、時間押してますんで」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「そうですか。残念だなぁ、飛鳥ちゃん、もうすぐ来ると思いますよ?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あ、ありがとうございます。これからまだ人と会う約束がありますので、これで失礼させていただきます」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「そうですか。こちらこそありがとうございました。ぼくの方は、もう少し飛鳥ちゃんを待ってみます、ついでに指原も呼んじゃおうかな、イヴだし笑」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 🎂🎂🍾🍾🎂🎂
 
 
 というわけで、後で知ったことだが、Mくんのフルネームは、浅井えむというらしい。
 

 妖精のことはわからなかったけれど、彼が〔大ボラ吹きのウソつき野郎!〕ということだけは、はっきりとわかった面会だった。
 
 
 🎂🎂🍾🍾🎂🎂
 
 
 
 
 
 
 そんなわけで、ぼくと近藤さんは、別れの挨拶もそこそこに逃げるようにその場から離れて回転扉へと向かった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 でも、ぼくは不意に茶目っけを起こして、それをどうしても実行したくなった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あのー、Mくん。もしほんとうにまいやんと飛鳥ちゃん来るようなら、伝言をお願いできますか? おふたりのファンなんですよ」
 
 
 
 
 
 
 
 

「あーはいはい。何でしょう」
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
「じゃ、少し早いけどMerry Christmas! とだけお伝えください」
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
「伝言賜りました、しっかりとお伝えします」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ありがとうございます、それでは」
 
 
 
 
 
 





「あ、ケイさん。指原にはどうします?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あーそうか。じゃあ、ついでに指原さんにもMerry Christmas!」
 
 
 
 
 
 
 
 
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