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第19話 年金事務所

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雇用保険とは異なり、年金事務所は渋かった。

雇用契約書に書いてある内容が重要らしい。
2か月の有期契約とあるという見解だった。

求人票やメールの内容を見ると、虚偽である事は明白なのに・・・。
こんな事を言っている年金事務所があるから、未加入問題が社会不安になるんだよ。
僕は、そう思った。

けど、先方担当者も頑なだ。


裁判の訴状を見ても同じ意見だ。

しかし、少し反応が変わっていた。
『なんだ、この会社・・・』

そんな風に感じた。
年金事務所として僕に言った事は変わらなかった。

けど、反応は変わっていた。
僕は、それに期待する事にした。


年金事務所でも個人情報を出して調査するかどうか確認された。
『僕の個人情報を出す』場合は、個人単位で調査される。
これは、確実に調査されるメリットもあるが、一人だけしか対応してもらえない。

『僕の個人情報を出さない』場合は、企業単位で調査される。
これは、調査をするかしないかは、労働基準監督署が決めるので調査する保証はない。

少しでも嫌がらせをするのが、今回の裁判の役に立つはずだ。
その考え方からすると、『僕の個人情報を出さない』選択をした。

この問題の責任は、公務員の姿勢も問題だと思う。
けど、何かが変わってくれれば、良い社会になるのに・・・。
僕の中にそういう想いが出ていた。
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