小さな食堂

希紫瑠音

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沖と郷田の話

召し上がれ(2) ※

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「そう言って貰えて嬉しいです」

 口に鎖骨にへと口づけを落とし微笑んだ。

「んっ」
「前に沖さんのここを見た時、食らいつきたいって思ってました」
「してよかったんだよ? 俺は望んでいたのに」
「すみません。あの時はそこまで甘えてはいけないって」

 カリッと甘噛みをされて、身体は跳ね上がる。

「でも、もう遠慮はしませんから」

 美味しそうに口に含んで吸い上げられた。

「あぁん」
「ここ、弱いんですか?」
「郷田君が、俺のことを美味しそうに食べてくれるから」

 それが沖のを余計に感じさせていた。

「あぁ、成程。では、こちらも」

 と手が下へと伸びて、沖のモノへと触れる。

「郷田君」
「いつものように、俺のことを見ていてくれますか?」

 と大きく口を開いて沖のモノを咥えた。

 じゅるりと音をたて、視線は真っ直ぐと沖を射抜く。それに興奮が収まらずに口元を手で覆う。

「や、ひゃぁ……」

 大きくなるのを口内で感じたか、目を細めて吸い上げられた。

「だめ、もう、離して」

 卑猥な音をたてながら刺激されて、それに我慢しきれず口内に欲を放ってしまった。

 濡れた唇を親指で拭う姿もたまらなくグッとくる。

 放った後の倦怠感と郷田の色気に惚けていれば、郷田のたちあがったモノが目に入る。

「ねぇ、今度は俺が食べてもイイかな」

 と自分の唇を舐めながら郷田のモノへと手を伸ばす。

「沖さん」
「今よりも大きくなったら、後のお口でも食べてあげる」

 そう微笑めば、郷田が手で顔を覆い隠してしまう。一体どうしたんだろうと、下から覗き込んだ。

「沖さん、今までお付き合いした方にもそんなことを?」

 目元を赤く染めつつ、何か拗ねた感じで言われて、

「気になるの?」

 そう聞いてみる。

「……ただの嫉妬です」

 そんなことを言う郷田が可愛くて、彼のモノへと触れて舌を這わせる。

「くっ」
「ん、郷田君のここ、素直だね」
「はっ、沖さんに舐められている思うと」
「なに、そんな嬉しいことを言ってくれるんだ。じゃぁ、頑張らないとね」

 舌で舐めながら自分の後ろを解す。

 指を増やし、そろそろ彼のモノ受け入れられそうだなと上へと跨った。

「郷田君の、美味しそうって涎がとまらないっ」

 濡れた自分のモノを郷田へと見せつけ、

「たべさせてね」

 後孔へと郷田のモノを咥え込む。

「おき、さん」
「あと少しで全部はいるから」

 ぎゅっと首にしがみ付きながら腰を落としていく。

 随分と深い所まで入り込んだ。

「いいよ」
「沖さん」 

 突き上げられて善がりながら腰を振るう。

「あぁっ」
「沖さんの中、キモチイイです」
「ん、俺もっ」

 離したくないとばかりにぎゅっとしめつけてれば、郷田がとろんとした目を向けて微笑んだ。

 それが嬉しくて、幸せで、沖はぎゅと彼にしがみついた。




 彼の精を中に受け、自分も腹へとぶちまける。

 既に何度か目の行為の後ゆえに、汗と欲で身体はベトベトだ。

「お腹すいたでしょう? ご飯用意するよ」

 怠い身体を起こし、一先ずシャワーを浴びに行こうとするが、

「まって。飯は朝で良いです」

 もう少し甘えさせてくださいと、背後から抱きしめられた。

「んっ、わかった」

 手が怪しい動きをはじめ、それは流石に掴んで止める。もう体力は限界だ。

「こら、もう駄目」

 顔を振り向かせて郷田の髪を撫でると、実に残念そうな顔で見つめられた。

「なら、抱きしめたまま寝てもいいですか?」
「それくらいなら。郷田君の腕の中、温かいし」

 と横になり向い合せとなり、胸に頬を摺り寄せば、髪を撫でられてそれが気持ち良くて、沖は眠りの中へと落ちた。






 夕食に出そうと思っていたきんぴらごぼうと、昨日店で出した大きめな角煮を一つ。そして魚の味噌漬けと浅漬け。

 旬の青物で作った白和え、そして大盛りご飯とお味噌汁を目の前に置く。

「召し上がれ」
「頂きます」

 自分も一緒に食事をしはじめる。

 思えば郷田と一緒に食べるのは初めてかもしれない。

「一緒に食うのも良いですね」

 と少し微笑みながら言われ、朝からときめかされた。

「なら、引っ越ししてくる?」

「……良いんですか?」
「うん。俺の作ったご飯、食べて欲しいし」
「はい」

 全ての皿の上の物がきれいになくなり、郷田が手を合わせる。

「ごちそうさまでした」

 満足そうなその表情に、微笑みながらお粗末様と口にした。


<了>
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