10 / 25
十と五
苦手です
しおりを挟む
五十嵐円の目の前。同じ課の先輩、十和田拾が頬杖をつき笑いかける。それが妙にさまになっていて鼻につく。
「見てないで手を動かしてください」
「んー、そうだな」
仕事も残業に突入し、終わりがまだ見えてこない。
現実逃避をしたところで仕事が終わるわけではないのだから手を動かしてほしい。
「十和田さん」
「拾ちゃん。そう呼んでくれたら頑張れそう」
それを無視して仕事を進めていく。
「俺のことをそう呼んでいたじゃない」
円がまだ中学生のころ、確かにそう呼んでいたが昔のことだ。
「仕事をしてください」
あまりにしつこいのでぴしゃりというと大人しく仕事をし始めた。
円の前ではうざいのに、他の人に対しては頼りがいがある仕事のできる男なのだ。
「むかつく」
ぼそりと呟き、パソコンのキーを打つ。
十和田は兄の百と従兄《じゅうけい》の一ノ瀬エンヤの一学年下の後輩だ。
はじめて会ったのは一ノ瀬の部屋で、その時はもう一人兄ができたようで嬉しかった。いつも優しくてかわいがってくれた。
兄や従兄弟に感じる好きとはどこか違う想い。顔を見れば胸が落ち着かないし、帰るときは寂しくて泣いてしまいそうになる。まだそれが恋だということには気が付かず、円は十和田に会うのを楽しみにしていた。
だが、十和田は円に会いに来るわけではない。百と一ノ瀬に会うついで。だから、はじめて二人きりになれた時は嬉しかった。
「悪いな。二人とも遅くなるって聞いてたのに早く来ちゃって」
「いいよ」
お茶とおやつを用意して、ちゃっかり隣に腰を下ろした。
円は自分のことをもっと知ってほしかった。
自分の好きなこと、苦手な科目、友達のことを話聞かせた。
「そうか。なぁ、円は好きな女の子はいないのか?」
その言葉に表情が強張る。
「え……」
友達の間でも好きな女の子の話になるが、円はあまりその話題が好きではなかった。
家族や従兄弟、そして十和田のことを聞かれれば楽しく話せるが、女の子の話で盛り上がれるのが意味が解らない。
一度だけ興味がないといったことがあるのだが、男が好きなのかと言われてしまった。
その時はそんなことはないと答えたが、その子はもし、そうだとしたら気持ち悪いよなといった。
もしや、十和田はそれを確認するために聞いたのだろうか。
友達の弟でしかない円が、十和田にべったりとしているのだ。おかしいと思っているのかもしれない。
「……そうか」
その時は辛くて下を向いていたから十和田の表情を見ていない。
ただ、頭に手をぽんと置き、
「用事を思い出したから帰るわ」
と百と一ノ瀬に会わずに帰ってしまった。
その日から十和田はあまり顔を見せなくなったし、円は受験勉強が忙しいと距離を置くようになった。
胸のもやもやと痛みはしばらく続いたが、それも時がたつにつれ薄らいでいった。
それなのに、まさか会社にいるとは。
だが、配属された部署は十和田のいる営業とフロアが違い、接点などなくて会わずにすんでいた。
それなのに、同じ課になってしまった。
段ボールに入れた荷物と共に移動してきた日、円を見た瞬間、昔のように優しい顔で迎え入れてくれた。
その瞬間、忘れていた胸の痛みを再び味わうこととなってしまった。
「円、そっちはどうだ?」
一足先に仕事を終えた十和田が声をかけてくる。
入力しなければいけない書類は三枚ほど。これならすぐに終わるだろう。
「もう終わります。十和田さん、先に帰ってください」
手伝ってもらうほどでもないし、待たれても困るのでそう声をかけるが、
「いや、待ってる」
との返事だ。一ノ瀬がいれば、「俺が待っているから」と言ってくれる。だが、万丈と出張に出ている。
「一ノ瀬さんから言われているから。残業をするものがいたら、お前が最後までいろと」
そういわれてしまったら帰れと言えなくなってしまう。
「そうですか」
余計なことを言ってくれたものだ。
居心地の悪い思いのまま仕事を進める。入力は終わり後は間違いがないかチェックをして完了だ。
「終わりました」
「そうか。帰ろうか」
「あ……、俺、トイレ行くんで。先にどうぞ」
一緒に帰るなんて勘弁してほしい。それなのに、
「待ってる」
相手は引き下がらない。しかも鞄を奪われてしまった。
しかたなく、たいして行きたくもないトイレに行き手を洗って出てくる。
外で十和田が五十嵐の鞄を手に待っていた。
「随分早いな」
「はぁ」
鞄を受け取りエレベーターへと向かう。
「あの、俺のことを構いたがりますが、十和田さんのことは会社の先輩としか思ってませんので。円と呼ぶのもやめてください」
馴れ馴れしくされるのも名前を呼ばれるのも嫌だった。距離が近く感じてしまう。
「そう。でも俺はこれからも円と呼ぶし可愛がる」
諦めなさいと頭を撫でられて、その手を払いのける。
このやり取りは何度かしている。だが、聞いてはくれないのだ。
外に出ると、駅とは反対側の方へと歩き出す。
「円、どこへ行くんだ」
「帰るんですよ。それではお疲れさまでした」
駅よりバス停の方が家までの距離が遠いが、一緒にいきたくないのでバス停へと向かおうとする。だが、肩に手を回される。
「バスだと遠いだろ」
「あなたと行くのが嫌なんです」
「同じ駅を利用しているからか?」
そうなのだ。つい最近、十和田が同じ駅の方へと引っ越してきた。
朝、十和田と会った時には驚いた。百が一ノ瀬に聞いたのかと疑ったが、どうやらそうではなくたまたまだという。
「そうです」
「わかった。俺がバスを使うからお前は電車で帰れ」
またなと手を振りバス停の方へと向かって歩いていく。
なんだかんだと理由をつけて一緒に帰ると思っていた。あっけない態度に円は冷静になる。
これは自分の都合だ。それに十和田をつき合わせてはいけない。
「待ってください。駅まで一緒に行きましょう」
「あぁ」
「駅は使いますけど車両は別にしますから」
「はは、そうきたか」
頭にぽんと手を置き撫でられる。
「ちょっとっ」
昔は嬉しかったのに、後ろに下がってその手を避けた。
「円の髪は昔から柔らかいな」
そういって笑う姿に胸が痛んだ。
「見てないで手を動かしてください」
「んー、そうだな」
仕事も残業に突入し、終わりがまだ見えてこない。
現実逃避をしたところで仕事が終わるわけではないのだから手を動かしてほしい。
「十和田さん」
「拾ちゃん。そう呼んでくれたら頑張れそう」
それを無視して仕事を進めていく。
「俺のことをそう呼んでいたじゃない」
円がまだ中学生のころ、確かにそう呼んでいたが昔のことだ。
「仕事をしてください」
あまりにしつこいのでぴしゃりというと大人しく仕事をし始めた。
円の前ではうざいのに、他の人に対しては頼りがいがある仕事のできる男なのだ。
「むかつく」
ぼそりと呟き、パソコンのキーを打つ。
十和田は兄の百と従兄《じゅうけい》の一ノ瀬エンヤの一学年下の後輩だ。
はじめて会ったのは一ノ瀬の部屋で、その時はもう一人兄ができたようで嬉しかった。いつも優しくてかわいがってくれた。
兄や従兄弟に感じる好きとはどこか違う想い。顔を見れば胸が落ち着かないし、帰るときは寂しくて泣いてしまいそうになる。まだそれが恋だということには気が付かず、円は十和田に会うのを楽しみにしていた。
だが、十和田は円に会いに来るわけではない。百と一ノ瀬に会うついで。だから、はじめて二人きりになれた時は嬉しかった。
「悪いな。二人とも遅くなるって聞いてたのに早く来ちゃって」
「いいよ」
お茶とおやつを用意して、ちゃっかり隣に腰を下ろした。
円は自分のことをもっと知ってほしかった。
自分の好きなこと、苦手な科目、友達のことを話聞かせた。
「そうか。なぁ、円は好きな女の子はいないのか?」
その言葉に表情が強張る。
「え……」
友達の間でも好きな女の子の話になるが、円はあまりその話題が好きではなかった。
家族や従兄弟、そして十和田のことを聞かれれば楽しく話せるが、女の子の話で盛り上がれるのが意味が解らない。
一度だけ興味がないといったことがあるのだが、男が好きなのかと言われてしまった。
その時はそんなことはないと答えたが、その子はもし、そうだとしたら気持ち悪いよなといった。
もしや、十和田はそれを確認するために聞いたのだろうか。
友達の弟でしかない円が、十和田にべったりとしているのだ。おかしいと思っているのかもしれない。
「……そうか」
その時は辛くて下を向いていたから十和田の表情を見ていない。
ただ、頭に手をぽんと置き、
「用事を思い出したから帰るわ」
と百と一ノ瀬に会わずに帰ってしまった。
その日から十和田はあまり顔を見せなくなったし、円は受験勉強が忙しいと距離を置くようになった。
胸のもやもやと痛みはしばらく続いたが、それも時がたつにつれ薄らいでいった。
それなのに、まさか会社にいるとは。
だが、配属された部署は十和田のいる営業とフロアが違い、接点などなくて会わずにすんでいた。
それなのに、同じ課になってしまった。
段ボールに入れた荷物と共に移動してきた日、円を見た瞬間、昔のように優しい顔で迎え入れてくれた。
その瞬間、忘れていた胸の痛みを再び味わうこととなってしまった。
「円、そっちはどうだ?」
一足先に仕事を終えた十和田が声をかけてくる。
入力しなければいけない書類は三枚ほど。これならすぐに終わるだろう。
「もう終わります。十和田さん、先に帰ってください」
手伝ってもらうほどでもないし、待たれても困るのでそう声をかけるが、
「いや、待ってる」
との返事だ。一ノ瀬がいれば、「俺が待っているから」と言ってくれる。だが、万丈と出張に出ている。
「一ノ瀬さんから言われているから。残業をするものがいたら、お前が最後までいろと」
そういわれてしまったら帰れと言えなくなってしまう。
「そうですか」
余計なことを言ってくれたものだ。
居心地の悪い思いのまま仕事を進める。入力は終わり後は間違いがないかチェックをして完了だ。
「終わりました」
「そうか。帰ろうか」
「あ……、俺、トイレ行くんで。先にどうぞ」
一緒に帰るなんて勘弁してほしい。それなのに、
「待ってる」
相手は引き下がらない。しかも鞄を奪われてしまった。
しかたなく、たいして行きたくもないトイレに行き手を洗って出てくる。
外で十和田が五十嵐の鞄を手に待っていた。
「随分早いな」
「はぁ」
鞄を受け取りエレベーターへと向かう。
「あの、俺のことを構いたがりますが、十和田さんのことは会社の先輩としか思ってませんので。円と呼ぶのもやめてください」
馴れ馴れしくされるのも名前を呼ばれるのも嫌だった。距離が近く感じてしまう。
「そう。でも俺はこれからも円と呼ぶし可愛がる」
諦めなさいと頭を撫でられて、その手を払いのける。
このやり取りは何度かしている。だが、聞いてはくれないのだ。
外に出ると、駅とは反対側の方へと歩き出す。
「円、どこへ行くんだ」
「帰るんですよ。それではお疲れさまでした」
駅よりバス停の方が家までの距離が遠いが、一緒にいきたくないのでバス停へと向かおうとする。だが、肩に手を回される。
「バスだと遠いだろ」
「あなたと行くのが嫌なんです」
「同じ駅を利用しているからか?」
そうなのだ。つい最近、十和田が同じ駅の方へと引っ越してきた。
朝、十和田と会った時には驚いた。百が一ノ瀬に聞いたのかと疑ったが、どうやらそうではなくたまたまだという。
「そうです」
「わかった。俺がバスを使うからお前は電車で帰れ」
またなと手を振りバス停の方へと向かって歩いていく。
なんだかんだと理由をつけて一緒に帰ると思っていた。あっけない態度に円は冷静になる。
これは自分の都合だ。それに十和田をつき合わせてはいけない。
「待ってください。駅まで一緒に行きましょう」
「あぁ」
「駅は使いますけど車両は別にしますから」
「はは、そうきたか」
頭にぽんと手を置き撫でられる。
「ちょっとっ」
昔は嬉しかったのに、後ろに下がってその手を避けた。
「円の髪は昔から柔らかいな」
そういって笑う姿に胸が痛んだ。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる