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大量焼死体遺棄事件:裏サイド

あとがき

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最後まで、お読みくださいまして、ありがとうございました。
いつものごとく、この小説「もどき」制作の経緯などを書かせていただきます。

まず始めに、告白しますのは、この物語は、PBM(プレイ・バイ・メール)「ネットゲーム88」と、幻となった「ハルマゲドン・エクスプローラー」、更に麻城ゆう氏著「地獄使い」へのオマージュです。

ネットゲーム88は、途中からの参加でしたが、図書館で調べ物をしたりして、初のフリーアクションで死亡。
しかし、朝々新聞に見開き二ページ、イラスト入りで記事になる、という快挙を上げることができました。
が、最終のアクションが締め切りすぎ着で、ナニもしなかったリアクションで、悶絶死したものです。
そのため、始めから参加していたら、最後が間に合っていたら、と長年、自分の中で未消化な部分が残っていたのです。

参加者が少数すぎてお倉入りとなったハルマゲドン・エクスプローラーは、ちょうど「蓬莱学園の冒険!~南方発放課後メール(他の方との共著の校内巡回班が謎の組織タン・エ・トワルと戦う物語も書いたのですが、二次創作のためここでは発表できないのが残念です)」にハマっている最中が申し込み期限で、そのせいか結果的に開催されず、となり。
後に、開幕を劇場で行なう予定だったなど、残された資料を見て、「ネットゲーム88」の再来になったんじゃないか、と後悔したものです。

とりあえずネタバレになりますので内容には、詳しくは触れませんが、どうにも、日常にホラーな世界が紛れ込んできて、自分の正気を疑う、というクトゥルフ神話的な展開が好きなようです。

そこで、企画したのが、ブログで、現実なのか、虚構なのかわからないような、ホラーな展開の日記です。
これが、冒頭の「外部リンク:ブログ2」にあたります。
まあ、閲覧数は伸びず、当初予定していた、現実味(冨士の手帳の切れ端とか)を写真を撮って出す、という部分に時間が避けず、単なる文章だけに留まり、早々に挫折しました。

ちょうど一年たったころ、前のブログが途中で止まったのは、書き手が失踪したせい、それを探している肉親が続ける、という企画で再開しました。
これが、「外部リンク:ブログ4」にあたります。
どうしてブログに書くのか、という理由付けとして、当時流行っていた、読者参加型の選択肢を出して、誰にも相談できないからここで、という形をとりました。
儀式直前の2月9日分まで書いたところで、知るはずのない裏側事情を、一人称(ブログの体)で書くことへの難しさから、頓挫。
そしてそのまま、ずーっと、どこかで燻り続けていたのでした。

このアルファポリスを始め、ホラー小説を書きたい、と思ったときに、真っ先に浮かんだのは、このネタでしたが、小説にリメイクするのに、いろいろ悩みました。
結果、ご覧の通りの、そのままで、です。
思いついたのが、まとめサイトのようにして、この事件の表面部分(一般にネットで入手可能な情報)をブログ形式のまま掲載し、その真相を登場人物と黒幕側の視点の小説で、重ねて描いて補強する、という手法でした。

その視点の持ち主が、その物語である自分の人生では主人公で、物事の真相は、それらが重なり合ったモザイクで、本当の真相を知っているのは、誰か本当にいるのだろうか的なテーマを表現してもいます。
ちなみに、享年と死因を各サイドの始めに書いたのは、不幸な結果がわかった上で、同じ一人称でも、ブログとは違う「神」の視線で読んでいただきたかったからです。

我ながら、ネットで読むならまだしも、紙に印刷するには、向かない形式だなあ、と思います。
まあ、もとがブログ企画ですしね。
そうそう、表紙は、ラストの一行をイメージしたイラストになっています。
とはいえ、こんなところまで読んでくださいまして、ありがとうございました。

すっかり鳴りを潜めてしまった遊演体(当初は遊演隊でしたよね?)に捧ぐ
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