83 / 146
幕間【推理関係ナシ】
Intermission
しおりを挟む
「ぜーったいに、大騒ぎしないでよ!」
私は、大学の後輩である将兵に、ビルの前で釘を刺した。
「学生じゃないんだから、当たり前ですよ」
将兵のことは、大学に入った頃から知っているのだ。
この「当たり前」が当てにならないのは、よく知っている。
早くも、連れてきたことを後悔してきた。
「はやく、入りましょう」
仕方なく、階段を降り、インターフォンを押す。
『いらっしゃいませ』
カメラに顔が映るように、ついでに笑顔を意識して、
「こんばんは、二名です」
『いつもありがとうございます。どうぞ』
ガチャっと鍵が開く音が響く。
「本当に、騒がないでよ」
再度、言って、中に入る。
玄関で靴を脱ぎ、靴箱に入れた。
すぐ脇にある六畳間に入り、会計は食事をする場所で払うので、お財布を持っていくことを説明して、バッグをロッカーに入れて、鍵を閉めた。
猫がいるので、手を洗うルールなのを説明して、ちょっと先の洗面所に入る。
色とりどりのハンドタオルが籠に置いてあるが、自分のハンカチを使うのが、常連の矜持だ。
玄関で、自動で鍵が閉まる音がした。
将兵が、「エコなんですね」と躊躇なくハンドタオルで手を拭きながら言った。
ぐぬぬ、ハンカチ持って歩け、社会人!
話題の草食男子の女子力とやらは、どこだ?
丸めて、使用済みの籠に放り込もうとするのを取り上げ、キチンと畳む。
お前の恥は、私の恥になるんだぞ!
「トイレは、そこ。猫が逃げないように、閉めてから、ドアやゲートを開けて」
説明して、ドア前にあるゲートの内側に二人で入って閉め、深呼吸。
ドアを開けた。
私は、大学の後輩である将兵に、ビルの前で釘を刺した。
「学生じゃないんだから、当たり前ですよ」
将兵のことは、大学に入った頃から知っているのだ。
この「当たり前」が当てにならないのは、よく知っている。
早くも、連れてきたことを後悔してきた。
「はやく、入りましょう」
仕方なく、階段を降り、インターフォンを押す。
『いらっしゃいませ』
カメラに顔が映るように、ついでに笑顔を意識して、
「こんばんは、二名です」
『いつもありがとうございます。どうぞ』
ガチャっと鍵が開く音が響く。
「本当に、騒がないでよ」
再度、言って、中に入る。
玄関で靴を脱ぎ、靴箱に入れた。
すぐ脇にある六畳間に入り、会計は食事をする場所で払うので、お財布を持っていくことを説明して、バッグをロッカーに入れて、鍵を閉めた。
猫がいるので、手を洗うルールなのを説明して、ちょっと先の洗面所に入る。
色とりどりのハンドタオルが籠に置いてあるが、自分のハンカチを使うのが、常連の矜持だ。
玄関で、自動で鍵が閉まる音がした。
将兵が、「エコなんですね」と躊躇なくハンドタオルで手を拭きながら言った。
ぐぬぬ、ハンカチ持って歩け、社会人!
話題の草食男子の女子力とやらは、どこだ?
丸めて、使用済みの籠に放り込もうとするのを取り上げ、キチンと畳む。
お前の恥は、私の恥になるんだぞ!
「トイレは、そこ。猫が逃げないように、閉めてから、ドアやゲートを開けて」
説明して、ドア前にあるゲートの内側に二人で入って閉め、深呼吸。
ドアを開けた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
46
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる