【完結】cat typing ~猫と麦酒~第10回ドリーム小説大賞奨励賞

まみ夜

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番外編:梅雨時

梅雨時のお菓子

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「どうしたの?」
 土曜日の喫茶タイムの手伝い、という名目で勉強の休憩に来たカスミちゃんに、オレンジジュースを出した。
 僕もちょっと休憩、コーヒーを啜るったら、じっと見てきたのだ。
「・・・苦くない?」
「苦いのがいいのよー」
 喫茶タイムだというのに、ビールかっ喰らってる菊池さんが、絡む。
 こんなに反応が早いのは、カウンター前に座っているからだ。
 お客様の少ない喫茶タイムに、一人でテーブルに座るのが寂しい、という一部(某菊池さん)の意見を取り入れた結果だ。
 折り畳めるハイチェアを買って、座れるようにした。
 だからといって、カウンターに身体を寝そべらすのは、禁止しているんですけど菊池さん。
 というか、ここのコーヒー飲んだのは、マカロン試食の時の一杯だけだよね?
 他は、ビールだよね?
 喫茶タイムだよね?
「飲んでみる?」
 カスミちゃんに聞いてみても、ふるふると首を振るので、残念。
 今日のは、エチオピア産ベースで、苦味の少ないブレンドなんだけどな。
 ふと、コーヒーの売上を増やす方法は、ないだろうか、と考えた。
 この目の前の軟体ビール吸い海綿でもが、コーヒーを欲しがる方法は。
 夏用のお菓子を考えていて、アイスクリームを使うのは直球すぎて悩んでいたけど、梅雨時ならいいかな。
 などと理論武装をして、水出しコーヒーを湯煎で温め始める。
「ちょっと待ってて」
 カスミちゃんに断って、試作を始めた。
 大きいけど浅目のマグカップに、マカロンに使う餡子を敷いて、ヴァニラアイスを盛る。
 白玉が欲しいところだけどないので、これもマカロンに使っている求肥を散らして、温まったコーヒーを注いで、できあがり。
「はい、試食する?」
 最後のコーヒーに驚いたカスミちゃんだったが、受け取った。
 スプーンで、アイスと餡子を口に含んで、コーヒーを啜る。
「・・・美味しい」
「アフォガードっていうデザート。甘味を増すための、餡子はオリジナルだけど」
 白玉にしたら、コーヒー餡蜜に近くなっちゃうかな。
 ホットコーヒーの熱で、甘味を感じやすくなるし、アイスの脂肪分で舌がマスキングされるから、苦味も感じにくくなると思う。
 飢えた目の餓狼がいた。
 グラスのビールも空なので、仕方ないなあ渋々だよ、というオーラを出しながら、準備をした。
 さあ、妖怪ヘベレケよ、コーヒーを飲んで、正気に戻り給え。
「苦い」
 え?
 ビール好きなくせに、お子様舌なの?

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番外編の解説(作者の気まぐれ自己満足と忘備録的な)

「梅雨時の」とあったら(以下略)
「春のお菓子」解説で予想したように、夏のお菓子が難攻していて、とりあえず梅雨時に逃げ。
しかも、夏じゃないからアイス使わない縛り解禁、というビール吸い海綿も驚きの奔放さ。
ああ、アイス使っちゃいけない、と思うと、マラサダにアイス挟むとか、チクワブにアイス詰めるとか、アイス路線のアイディアばかりが浮かぶのです。
アフォガードもアイス使ったボツネタでしたが、コーヒー消費を増やす、という理論武装で復活です。
揚げたてのチュロスを刺す、とかヒネろうとしてましたが、潔く餡子(と白玉にしたい求肥)のみの採用となりました。
本当は、甘味を更に増すために、カップに綿飴を入れておいて溶かしたかったのですが、偶然あるのも微妙なので断念、残念。
お菓子か、という気もしますが、分類上飲み物ではなく、デザートなので、範囲内とします(強行)。

果たして、夏のお菓子は、考えつくのでしょうか?
まあ、そもそも続くかどうかがわからないのが、番外編の醍醐味ですよね?

また、機会がありましたら、このお店にお付き合いくださいませ。
(アイス使った夏のお菓子候補、揚げ物ばっかりだね?)
(市販品に負けない、となると揚げたてとかね?)
(夏に揚げ、嫌じゃない?)
(夏だからこそ、温かいのとか?)
(アイス使わないけど、かき氷とか言わないよね?)
(お、おお、、、)
(その手があったとか思った?)

まみ夜
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