【完結】cat typing ~猫と麦酒~第10回ドリーム小説大賞奨励賞

まみ夜

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葉書、まで

本棚

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 リビングに、本棚を置くことにした。
 お客様に寛いでいただくには、どうしたらいいか、を考えた。
 僕だったら、本が読みたい、ので本棚を置くことにしたのだ。
 僕の本の趣味が、一般的な傾向かは、後の世の判断を仰ぎたい。
 言い訳は、時代が早すぎた、にしておこう。

 早速、ホームセンターに見に来た。
 僕が持っているのは、ほとんどが文庫本なので、奥行きは薄く、棚がたくさんあるタイプがいい。
 高さ百八十センチのものと、その半分くらいのものとある。
 半分の高さのを二つ、金具を使って止めた方が安いが、百八十センチの方が転倒防止用に床に接する板が手前に伸びていて安心だ。
 ここに、百円ショップで見た、棚の転倒防止の薄い楔を噛ませれば、更に安心だ。
 と決めたところ、問題発生。
 高さ百八十センチあれば、組み立て家具の素材もその長さあるよね。
 手では、持って帰れない!
 食材の買出しも考えると、車いるかなあ、と現実逃避しながら、帰った。

 結局、通販で、百八十センチ高さの本棚を三つ買った。
 そして、家具屋の運送業者は、階差額分の運賃が出ていない、という理由で、地階の玄関まで運ばず、一階ロビーに置いていった。
 今こそ、日ごろの筋トレの成果を見せるとき、と運ぶが、結構キツイ。
 一つ運んだだけで、ゼーハー息を荒らげている、とジムのコーチ百田さんが帰ってきたのに遭遇した。
 この人の性格だと、絶対に手伝ってくれてしまって困る、と思ったら、その通りだった。
「トレーニングの一環ですよ」
 と、ほぼ片手でくらいの勢いで、玄関まで運んでくれた。
 恐縮して、お茶に誘ったが、猫ゲートの向こうのリビングで鳴いている雪さんの声を聞いて、「猫のいるお宅にお邪魔する、とズルいと妹に叱られるので」と帰ってしまった。
 そういえば、妹さんは譲渡会に来て「猫、飼いたい」って、カスミちゃんと二人で言っていたな、と思い出す。
 ポスターをジムに貼ってくれて、そこから商業ビルの掲示板にも貼ってもらえている件のお礼もしないといけないから、お菓子を持っていくか、妹さんと部屋に呼ぼう。
 運び終えたので、あとは組み立てるだけ、と考えていた僕は甘くて、身内にも敵がいた。

 箱を開けて、設計図兼物品リストを見ている、と箱に入りたがる雪さん。
 まだモノが入っていて、中に入れないとわかる、とダンボールを齧り出す。
 怒られて逃げるが、すぐに狙ってくる。
 フローリングを傷めないように、箱を開いて材料を乗せる、と箱を分解したことに怒り心頭で、走り回る雪さん。
 走った勢いで、ネジとかを散らかし、散らかった勢いで、ネジなどを転がして遊ぶ雪さん。

 僕は、三セットであのネジいくつ予備があるかな、足りるかな、と考えながら、とりあえずエビスの缶を開けた。
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