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贈物、まで
酒宴
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オジサン会の五人は、予定より早くやってきた。
アニキが、階段前で出迎えて連れて来た彼らは、厳しい顔を取り繕おうとしているが、以前にオジサンの食事会が行われていた、この部屋に再び来られたことが、嬉しくて仕方ないようだ。
なので、変化には、厳しい。
猫ゲートがリビング前にあったり、大きな方のトイレに猫ドアがついた上、雪さん専用で人は使えなくなっていたり、本棚が軒を並べていたり、昔はこうじゃなかった、の愚痴が始まる。
まあ、嫌味にしても、忍さんの言葉のナイフに比べれば全然、刺さらないので、スルー。
「電報ありがとうございました」
「貴様にではなく、この部屋と先代に敬意を表してのことだ、図に乗るな」
会の人・壱の声音で、僕の後に挨拶しよう、としていたカスミちゃんが、アニキの後ろに隠れてしまった。
しかし、勇気を奮って前に出て、
「・・・カスミです、こんばんは」
それを目に入れた会の人・弐は、好々爺の顔になった。
「こんばんは、ジジイが怖い声を出して、すまんのう」
「貴様もジジイだろうが」
「吠えんな、吠えんな、子供が怯える」
いいぞ、カスミちゃん、一人籠絡か?
奥さんが、挨拶する、と会の人・参が、頭を下げた。
「孫の小学校入学のときは、いろいろ助かりました」
「いえいえ、無事にランドセルが届いて、よかったですね」
すごい、奥さん、二人目籠絡済みか?
って、ナニがあったの?
そして、アニキが、五人を席に案内する前に、真打として、雪さんが登場した。
「これは・・・」
会の人(肆は可哀想だから)伍は、膝をついた。
「かわいーでちゅねえ。お名前は?」
猫好きなのか、ドン引きだが。
「・・・雪さん」
「雪さんでちゅかー」
猫好きだけあって、猫の習性を知っているのか、不用意に触らないのは、立派だが、雪さんも腰が引けている。
「この猫が、譲渡会とやらで?」
「はい、建物前でご覧頂きましたポスターなど、ご報告したように、保護された子猫を里親に譲渡する会などで貢献されました」
会の人・陸が、聞いてきて、即アニキが答えた。
「グローバルばかりではなく、そういう地域に根づいた活動こそ、求められる時代なのかな」
雪さんが、賛同するように、陸の脚を霞めるように歩いた。
勝ち誇った顔の陸、寂しげな伍。
さすが、雪さん、二人同時に籠絡か?
「こんな椅子に座らせるのか?」
アニキに案内された壱が文句を言ったので、僕はポツリと呟いた。
「椅子、持っていかれてしまったので」
アニキを含めた六人が目を逸らして、五人は大人しくキャンプ用の椅子に座った。
お前ら全員、椅子とか持っていった犯人だな。
「あとの客は、まだ来ないのか?」
椅子に座った壱が、大声を出す。
と、いうより、皆さんが、早く来すぎなんですけどね。
他の招待客は、女性二人、と事前に説明してある。
「吠えんな、吠えんな」
「待つのを楽しめてこそですよ」
「雪さん、おいでー」
「女性を待つのは、甲斐性」
壱の言葉に、籠絡された四人が、抗議する。
違う部品も、混ざっているようだが。
「・・・女の子は、準備に時間がかかるから」
「おうおう、そうじゃのう。ジジイは、気が短くていけん」
「貴様もジジイだろうが」
ちなみに、壱が最年長で、順番に陸が一番若そうに見える。
壱が長老で、カスミちゃんに籠絡された弐が参謀ってとこかな。
インターホンが鳴った。
『こんばんは。ちょっと早いんですけど、いいですか?』
菊池さんだった。
いえいえ、グットタイミングです。
玄関まで迎えに行き、ドアを開ける、とタカチさんもいた。
「帰ってきたら、ロビーで迷っていたのに会ったので、いっしょに来ちゃいました。なので、化粧直してません!」
ああ、しまった、タカチさんへの、地下階への階段の説明が、不十分だったか。
「ごめんなさい、タカチさん説明が足りなくて」
「いえいえ、お招きありがとうございます」
そして、男前だなあ、菊池さん。
「案内、ありがとうございます、化粧直しなんていらないですよ」
なんだ?
微妙な空気になった。
なんでだ?
リビングに二人を案内する、とオジサン会の声が、ピタリ、と止んだ。
僕のことを話していたのかな?
タカチさん、菊池さんをオジサン会に紹介した。
「全員揃ったので、少し早いですが、始めましょう」
女性陣とアニキに手伝ってもらい、料理を運ぶ。
カスミちゃん用にジュースを注いでいて、疑問に思ったので、聞いた。
「菊池さん、何飲みます?」
「ビール!」
真顔で、返された。
すみません。
オジサン会は、全員呑むのは聞いているので、よなよなを注いでいく。
「ビール注いだので、取りに来てください」
オジサン会の四人が、立ち上がろうとした中、壱が怒鳴った。
「客だぞ! なんだその態度は!」
静まりかえったので、僕は、オジサンが好きだった、というカウンターの内側から、椅子に座ったままの壱と、同じ目線の高さで、宣言した。
「この部屋に来てくれるのは、全て僕の家族です」
オジサンと同じようなことを言われたからか、壱の目が、少しだけ見開かれた。
「同じように、僕を家族と思ってくれるのでしたら、客としてではなく家族として、手伝ってください。オジイチャン」
壱は、カッと目を見開き、立ち上がる、と叫んだ。
「誰が、ジジイだ!」
カスミちゃんが、ビールが注がれたグラスを両手で持ち、トテトテと壱の前に運んだ。
「・・・はい、オジイチャン」
壱は、少し呆然とした顔で、グラスを受け取って、そして笑い出した。
それは、なんというか、凄く若返ったかのような、笑い方だった。
弐が、壱の肩を叩く。
「ジジイ、礼を言わんのか?」
「貴様も、ジジイだろうが、」
しかし、壱は、首を振り、
「確かに、耄碌したのかもしれんなあ」
カスミちゃんを見て、
「ありがとう、ええとカスミちゃん」
カスミちゃんが、にっこりと笑った。
オジサン会四人は、順番に、壱の肩を叩いて、カウンターにビールを受け取りに向った。
タカチさんは、鼻血を出していて、トイレに向かっていた。
「いろいろと、言いたいことがあったが忘れた。耄碌したらしい。挨拶は短い方がいいので、乾杯」
『乾杯!』
「メリー・クリスマス!」
壱の乾杯の挨拶の後の、菊池さんの掛け声に、僕は、キョトンとした顔をしたらしい。
「今日は、クリスマス。クリスマスでしょう!」
ねじ込むように言ってくるが、連呼するうちに、何かのスイッチに触れてしまったのか、
「クリスマス、なのに、なんで・・・?」
ビールを一息に呑み干していた。
うん、お代わり持ってきてあげよう。
結局、料理は、こうなった。
・ローストポーク茹野菜と生野菜いっぱい添え
「肉には、下味しかついてないので、野菜と一緒に食べてくださいね」
「うわ、このお肉どうやったの? 味付け美味しい」
「塊のままレンジでチンして放置。野菜の味付けは、甘口焼肉のタレにマスタード混ぜただけ」
・燻りガッコ入りポテサラ、スモークレバーのパテ、ツナと大豆のアンチョビガーリックマヨ、茹でウィンナー
「コッペパンを焼いたカナッペ用でも、ロールパンでホットドッグ風にもどうぞ。ウィンナーは、お湯から出してホットプレートで軽く焼いてくださいね。残念ながらスペシャルキリーマスタードはないので、ご安心を」
「キリー? 何? それ?」
「スルーしてくれていいから」
・ミネストローネ&トリッパ風串煮込み
「スープは、マグカップでお願いしますね」
「アッツーー!」
「電磁調理器でホットキープしてるから、熱いですよ、それは」
・スペアリブの煮込み
「お好みで、ホットプレートで焼いて仕上げて、食べてくださいね」
「うわ、お肉柔らか? 味付け美味しい」
「ブルーベリージャム入れて、ひたすら煮ただけ」
・すき焼き風揚巻
「できれば、一口でどうぞ」
「うわ、お肉ジューシー、どうやったの?」
「塊のままフライパンで焼いて、ジップロック入れて、お湯にドボンで放置」
・クリスマスカラーのギモーブ
「色違っても、同じ味なので、抹茶ソースとベリーソースで味変してください」
「なんか、女子力で負けた気がする」
「全種類の料理食べたね、菊池さん」
野菜少なめだけど、ハレの日だから、いいよね
ビールもケグは、よなよな、ギネス、ヒューガルデンの三種類。
「黒とホワイトビールもありますからね」
瓶のクリスマス・ビールもあるが、本数少ないので、ケグが売り切れたときの保険程度だ。
スマホが鳴ったので出る、と百田さんだった。
譲渡会のポスターを貼ってもらった関係で、もしトラブルがあったときの連絡用に電話番号を教えていたのだ。
「百田です。今、よろしいですか?」
「どうしました?」
「お誘いいただいて断ったのに今更なのですが、お伺いしてよろしいでしょうか?」
「え? 大歓迎ですけど、いいんですか?」
「それが・・・」
ちょっと言い澱み、
「ドタキャンされたとかで、どうしても今日、働きたいというのが、何名か出まして、」
何名もか?
気がつく、と僕は眉間を揉んでいた。
「妹とお伺いさせていただいて、よろしいですか?」
「もちろんです。お待ちしてます。でも、手土産は絶対にいらないですから、手ぶらで来てください。フリじゃないですよ」
カウンターの内側から、眺める。
みんな椅子を使わず、クッションやラグに座っているので、お客様の目線の高さとは違うが、この方が全体が見渡せて、僕は好きだ。
「お疲れさまです」
アニキが、カウンターに来た。
グラスが空なので、聞くと、
「ギネスをお願いします」
今日は、専用グラスを使わないので、水で濯いで、ギネスを二段階で注いで出すが、それでも百十九点五秒待ってもらう。
「ありがとうございます」
カスミちゃんは、百田さんの妹と、雪さんを遊ばせている。
オジサン会は、百田さん、菊池さん、タカチさんを「今時の若い者は」攻撃をしている。
が、百田さんは老人が多いスポーツ・ジムの店舗責任者、菊池さんは子供の祖父祖母として老人も係わるのが多い保育士なので、絡まれても、軽やかにかわしている。
タカチさんは、そういうのが得意ではなさそうだが、二人のフォローと、オジサン会からの素人をイジメてはいかん的な扱いで、なんとか持ち堪えている。
アニキの奥さんは、生温かく見守りながらも、鋭いツッコミで、老人たちが行き過ぎないように牽制している。
こんなに、たくさんの人を、もてなしたのは、初めてだ。
もちろん、店では、もっとたくさんのお客様を相手にはするが、注文を受けての対応であって、ここまで自分から、どう喜んでもらえるか深く考えて、とまではできていなかったように思う。
ギネスの泡が、グラスの中でゆっくりと巡るのをアニキと眺めて、落ち着くのを待ちながら、
「ねえ、アニキ」
「なんでしょう?」
「僕、オジサンに会ってみたかったなあ」
料理も減ってきたので、デザートの焼きプリンを出した。
個別ではなく、大きくつくって切り分ける、しかも僕好みの、硬いやつだ。
滑らかなのが好きだったら、クリーム舐めていればいい、と強く主張したい。
これに、お好みでアイスクリームをトッピングしてもらう。
甘いデザートに合わせて、クリスマス・ビールを出してきた。
アンカー・スペシャルエールの千五百ミリリットル瓶だ。
毎年、レシピが違うので、呑むまで、どんな味かわからない。
しかも、十月くらいの予約で売り切れるので、注文したときは、どんな味が誰も知らない、というスペシャル過ぎるビールだ。
アニキが、大瓶を出したクーラーボックスに食いついている。
「おお、これ冷やせるんですね!?」
「うん、車のシガーソケットや、カセットガスでも冷えるんですよ」
「おおお、アウトドア向けですね!」
興奮するアニキに、カスミちゃんと奥さんが、冷たい目を向けている。
「え、と。呑む人ー?」
グラスを受け取り、水で濯いでスペシャルエールを注ぐ。
もう、飲み物セルフサービスが浸透しているので、カウンターに集まり、受け取っていく。
僕も、テイスティング。
とはいえ、もう去年の味を覚えていないので、「美味しい」としか言えないのがヘタレだ。
顔を上げる、と皆がカウンターを取り囲み、僕を見ていた。
「なんです?」
「ここで、一言じゃろ?」
「主催者挨拶だ」
皆がその言葉に頷く。
うろたえて、アニキを見るが、頷くだけ。
雪さんは、カスミちゃんと百田さんの妹が、僕の言葉を待っているので、遊んでもらえず、キツイ目で早くしなさいよ、と睨んでいる。
「えー」
あ、声が裏返った。
「えー、一年前は、この部屋にいる、誰とも知り合いではありませんでした。でも、不思議な縁で、みなさんと出会えました。あまり、そういう縁に恵まれていなかったので、」
嘘だ、オヤジにも出会っていたじゃないか、オヤジの店でのお客様にも。
「いえ、そういう縁に気づいていなかったので、出会えたと思えた皆さんに、感謝です。開店したら、ご贔屓に」
タカチさん、菊池さん、百田さんは、驚いた顔をしていた。
「あのお店、辞めちゃうの?」
「ここで、お店?」
「おお、店舗責任者ですね?」
そういえば、オヤジとオジサン関係者以外に、ここで店を開くって、言ってなかったっけ?
「ええと、この部屋で、お店を開きます。よろしくお願いします」
拍手が起こった。
思いのほか、大きな拍手だった。
なんだか、オジサン会が盛大に手を叩いている。
ええと、どうやって締めたらいいんだろう?
困って言った。
「乾杯」
『乾杯!』
「これ、お土産です」
一人ひとりに、箱が入った紙袋を渡す。
「なんじゃ?」
「シュトーレンです。涼しいところに置いておけば、日持ちしますから」
「土産は始めてだ」
と、オジサン会は喜んでいる。
「いや、一度お断りしているので」
「来てくれるんじゃないかな、って思ってたんで」
土産を断る百田さんに、カッコつけて言うが、実はお声がけした人はお世話になった方々なので、全員分を用意していたのだ。
後日、猫オバチャン夫婦にも、いろいろのお礼として持っていく予定だ。
ちなみに、オヤジ分もあるのだが、忍さんに刺されないか、いや今ならクリスマスをオヤジと過ごして機嫌がいいからチャンスでは、とかタイミングを伺う必要はある。
タカチさんは、僕がオヤジの店を辞めるのではと、いろいろと聞きたいようだが、我慢しているようだ。
今度、ちゃんと話さないといけないな。
菊池さんは、店が開くのは嬉しいらしいようだが、タカチさんが複雑な表情なので、大人しくしている。
アニキと百田さんは、自分の被保護者に、どんな店でも雪さんに会いにくる、と困らせていた。
そんな、如何わしいお店にはならない、はず。
「またくるぞ」
「でも、早く開店するように」
「次は開店祝いで」
「雪さん・・・」
「もう待たせるなよ」
えーと、違う部品混ざってるけど?
オジサン会が、迎えの車で、帰っていった。
アニキ一家とタカチさんは、駅に向かう。
女性が多いので、ちょっと心配だ、と思っていたら、百田さんが妹を部屋に送ったあと、駅までついていってくれることになった。
ジムに、念のため、顔を出したいのだそうだ。
気をつかわせちゃったかな?
ジムへのお土産用に、もう一つシュトーレンを渡した。
これは、百田さんは来られない予定だったので、お礼としてジムに持参したとき、他の方へはナシとはいかないので、用意した分だ。
「いや、ここまでしていただいては」
「まあ、クリスマスなので、地味ですけど今日から食べられますから、少しはクリスマス気分を、ね?」
「ありがとうございます。泣かなきゃいいけど、連中」
そんなに、キツそうだったの?
なんか、次にジム行きづらいな。
菊池さんは、一人で部屋に帰りたくないとのことで、百田さん妹といっしょに部屋に遊びに行くようだ。
迷惑かけないといいけ。
「ご馳走様でした」
「・・・またきます」
「今度、お店のこと、聞かせてください」
「またジムで」
「クリスマスよね、今日? ねえ?」
えーと、違う部品混ざってるけど?
「おやすみなさい。お気をつけて」
『おやすみなさい』
冷たい空気の外から戻ってくる、とまだ、人熱れの残った部屋は暖かかった。
ちょっと暑がりの気があるのに、この暖かさは、不快ではなかった。
アニキの奥さんと大型の食洗器のお陰で、ほとんど片付けは終わっていた。
雪さんは、遊び疲れたのか、元ドーム型ベッドに乗って丸くなっていた。
残っていたアンカーをグラスに注ぐ。
なんだろう?
買い物から準備まで、丸二日間。
構想をいれたら、もっと。
でも、疲れた、というより、楽しかった。
オジサンも、こんな感じだったのだろうか?
今更だけど、ちょっと会ってみたかったな。
今更だけど、ちょっとグラスを高く上げて。
今更、僕一人だけだけど、
「献杯」
アニキが、階段前で出迎えて連れて来た彼らは、厳しい顔を取り繕おうとしているが、以前にオジサンの食事会が行われていた、この部屋に再び来られたことが、嬉しくて仕方ないようだ。
なので、変化には、厳しい。
猫ゲートがリビング前にあったり、大きな方のトイレに猫ドアがついた上、雪さん専用で人は使えなくなっていたり、本棚が軒を並べていたり、昔はこうじゃなかった、の愚痴が始まる。
まあ、嫌味にしても、忍さんの言葉のナイフに比べれば全然、刺さらないので、スルー。
「電報ありがとうございました」
「貴様にではなく、この部屋と先代に敬意を表してのことだ、図に乗るな」
会の人・壱の声音で、僕の後に挨拶しよう、としていたカスミちゃんが、アニキの後ろに隠れてしまった。
しかし、勇気を奮って前に出て、
「・・・カスミです、こんばんは」
それを目に入れた会の人・弐は、好々爺の顔になった。
「こんばんは、ジジイが怖い声を出して、すまんのう」
「貴様もジジイだろうが」
「吠えんな、吠えんな、子供が怯える」
いいぞ、カスミちゃん、一人籠絡か?
奥さんが、挨拶する、と会の人・参が、頭を下げた。
「孫の小学校入学のときは、いろいろ助かりました」
「いえいえ、無事にランドセルが届いて、よかったですね」
すごい、奥さん、二人目籠絡済みか?
って、ナニがあったの?
そして、アニキが、五人を席に案内する前に、真打として、雪さんが登場した。
「これは・・・」
会の人(肆は可哀想だから)伍は、膝をついた。
「かわいーでちゅねえ。お名前は?」
猫好きなのか、ドン引きだが。
「・・・雪さん」
「雪さんでちゅかー」
猫好きだけあって、猫の習性を知っているのか、不用意に触らないのは、立派だが、雪さんも腰が引けている。
「この猫が、譲渡会とやらで?」
「はい、建物前でご覧頂きましたポスターなど、ご報告したように、保護された子猫を里親に譲渡する会などで貢献されました」
会の人・陸が、聞いてきて、即アニキが答えた。
「グローバルばかりではなく、そういう地域に根づいた活動こそ、求められる時代なのかな」
雪さんが、賛同するように、陸の脚を霞めるように歩いた。
勝ち誇った顔の陸、寂しげな伍。
さすが、雪さん、二人同時に籠絡か?
「こんな椅子に座らせるのか?」
アニキに案内された壱が文句を言ったので、僕はポツリと呟いた。
「椅子、持っていかれてしまったので」
アニキを含めた六人が目を逸らして、五人は大人しくキャンプ用の椅子に座った。
お前ら全員、椅子とか持っていった犯人だな。
「あとの客は、まだ来ないのか?」
椅子に座った壱が、大声を出す。
と、いうより、皆さんが、早く来すぎなんですけどね。
他の招待客は、女性二人、と事前に説明してある。
「吠えんな、吠えんな」
「待つのを楽しめてこそですよ」
「雪さん、おいでー」
「女性を待つのは、甲斐性」
壱の言葉に、籠絡された四人が、抗議する。
違う部品も、混ざっているようだが。
「・・・女の子は、準備に時間がかかるから」
「おうおう、そうじゃのう。ジジイは、気が短くていけん」
「貴様もジジイだろうが」
ちなみに、壱が最年長で、順番に陸が一番若そうに見える。
壱が長老で、カスミちゃんに籠絡された弐が参謀ってとこかな。
インターホンが鳴った。
『こんばんは。ちょっと早いんですけど、いいですか?』
菊池さんだった。
いえいえ、グットタイミングです。
玄関まで迎えに行き、ドアを開ける、とタカチさんもいた。
「帰ってきたら、ロビーで迷っていたのに会ったので、いっしょに来ちゃいました。なので、化粧直してません!」
ああ、しまった、タカチさんへの、地下階への階段の説明が、不十分だったか。
「ごめんなさい、タカチさん説明が足りなくて」
「いえいえ、お招きありがとうございます」
そして、男前だなあ、菊池さん。
「案内、ありがとうございます、化粧直しなんていらないですよ」
なんだ?
微妙な空気になった。
なんでだ?
リビングに二人を案内する、とオジサン会の声が、ピタリ、と止んだ。
僕のことを話していたのかな?
タカチさん、菊池さんをオジサン会に紹介した。
「全員揃ったので、少し早いですが、始めましょう」
女性陣とアニキに手伝ってもらい、料理を運ぶ。
カスミちゃん用にジュースを注いでいて、疑問に思ったので、聞いた。
「菊池さん、何飲みます?」
「ビール!」
真顔で、返された。
すみません。
オジサン会は、全員呑むのは聞いているので、よなよなを注いでいく。
「ビール注いだので、取りに来てください」
オジサン会の四人が、立ち上がろうとした中、壱が怒鳴った。
「客だぞ! なんだその態度は!」
静まりかえったので、僕は、オジサンが好きだった、というカウンターの内側から、椅子に座ったままの壱と、同じ目線の高さで、宣言した。
「この部屋に来てくれるのは、全て僕の家族です」
オジサンと同じようなことを言われたからか、壱の目が、少しだけ見開かれた。
「同じように、僕を家族と思ってくれるのでしたら、客としてではなく家族として、手伝ってください。オジイチャン」
壱は、カッと目を見開き、立ち上がる、と叫んだ。
「誰が、ジジイだ!」
カスミちゃんが、ビールが注がれたグラスを両手で持ち、トテトテと壱の前に運んだ。
「・・・はい、オジイチャン」
壱は、少し呆然とした顔で、グラスを受け取って、そして笑い出した。
それは、なんというか、凄く若返ったかのような、笑い方だった。
弐が、壱の肩を叩く。
「ジジイ、礼を言わんのか?」
「貴様も、ジジイだろうが、」
しかし、壱は、首を振り、
「確かに、耄碌したのかもしれんなあ」
カスミちゃんを見て、
「ありがとう、ええとカスミちゃん」
カスミちゃんが、にっこりと笑った。
オジサン会四人は、順番に、壱の肩を叩いて、カウンターにビールを受け取りに向った。
タカチさんは、鼻血を出していて、トイレに向かっていた。
「いろいろと、言いたいことがあったが忘れた。耄碌したらしい。挨拶は短い方がいいので、乾杯」
『乾杯!』
「メリー・クリスマス!」
壱の乾杯の挨拶の後の、菊池さんの掛け声に、僕は、キョトンとした顔をしたらしい。
「今日は、クリスマス。クリスマスでしょう!」
ねじ込むように言ってくるが、連呼するうちに、何かのスイッチに触れてしまったのか、
「クリスマス、なのに、なんで・・・?」
ビールを一息に呑み干していた。
うん、お代わり持ってきてあげよう。
結局、料理は、こうなった。
・ローストポーク茹野菜と生野菜いっぱい添え
「肉には、下味しかついてないので、野菜と一緒に食べてくださいね」
「うわ、このお肉どうやったの? 味付け美味しい」
「塊のままレンジでチンして放置。野菜の味付けは、甘口焼肉のタレにマスタード混ぜただけ」
・燻りガッコ入りポテサラ、スモークレバーのパテ、ツナと大豆のアンチョビガーリックマヨ、茹でウィンナー
「コッペパンを焼いたカナッペ用でも、ロールパンでホットドッグ風にもどうぞ。ウィンナーは、お湯から出してホットプレートで軽く焼いてくださいね。残念ながらスペシャルキリーマスタードはないので、ご安心を」
「キリー? 何? それ?」
「スルーしてくれていいから」
・ミネストローネ&トリッパ風串煮込み
「スープは、マグカップでお願いしますね」
「アッツーー!」
「電磁調理器でホットキープしてるから、熱いですよ、それは」
・スペアリブの煮込み
「お好みで、ホットプレートで焼いて仕上げて、食べてくださいね」
「うわ、お肉柔らか? 味付け美味しい」
「ブルーベリージャム入れて、ひたすら煮ただけ」
・すき焼き風揚巻
「できれば、一口でどうぞ」
「うわ、お肉ジューシー、どうやったの?」
「塊のままフライパンで焼いて、ジップロック入れて、お湯にドボンで放置」
・クリスマスカラーのギモーブ
「色違っても、同じ味なので、抹茶ソースとベリーソースで味変してください」
「なんか、女子力で負けた気がする」
「全種類の料理食べたね、菊池さん」
野菜少なめだけど、ハレの日だから、いいよね
ビールもケグは、よなよな、ギネス、ヒューガルデンの三種類。
「黒とホワイトビールもありますからね」
瓶のクリスマス・ビールもあるが、本数少ないので、ケグが売り切れたときの保険程度だ。
スマホが鳴ったので出る、と百田さんだった。
譲渡会のポスターを貼ってもらった関係で、もしトラブルがあったときの連絡用に電話番号を教えていたのだ。
「百田です。今、よろしいですか?」
「どうしました?」
「お誘いいただいて断ったのに今更なのですが、お伺いしてよろしいでしょうか?」
「え? 大歓迎ですけど、いいんですか?」
「それが・・・」
ちょっと言い澱み、
「ドタキャンされたとかで、どうしても今日、働きたいというのが、何名か出まして、」
何名もか?
気がつく、と僕は眉間を揉んでいた。
「妹とお伺いさせていただいて、よろしいですか?」
「もちろんです。お待ちしてます。でも、手土産は絶対にいらないですから、手ぶらで来てください。フリじゃないですよ」
カウンターの内側から、眺める。
みんな椅子を使わず、クッションやラグに座っているので、お客様の目線の高さとは違うが、この方が全体が見渡せて、僕は好きだ。
「お疲れさまです」
アニキが、カウンターに来た。
グラスが空なので、聞くと、
「ギネスをお願いします」
今日は、専用グラスを使わないので、水で濯いで、ギネスを二段階で注いで出すが、それでも百十九点五秒待ってもらう。
「ありがとうございます」
カスミちゃんは、百田さんの妹と、雪さんを遊ばせている。
オジサン会は、百田さん、菊池さん、タカチさんを「今時の若い者は」攻撃をしている。
が、百田さんは老人が多いスポーツ・ジムの店舗責任者、菊池さんは子供の祖父祖母として老人も係わるのが多い保育士なので、絡まれても、軽やかにかわしている。
タカチさんは、そういうのが得意ではなさそうだが、二人のフォローと、オジサン会からの素人をイジメてはいかん的な扱いで、なんとか持ち堪えている。
アニキの奥さんは、生温かく見守りながらも、鋭いツッコミで、老人たちが行き過ぎないように牽制している。
こんなに、たくさんの人を、もてなしたのは、初めてだ。
もちろん、店では、もっとたくさんのお客様を相手にはするが、注文を受けての対応であって、ここまで自分から、どう喜んでもらえるか深く考えて、とまではできていなかったように思う。
ギネスの泡が、グラスの中でゆっくりと巡るのをアニキと眺めて、落ち着くのを待ちながら、
「ねえ、アニキ」
「なんでしょう?」
「僕、オジサンに会ってみたかったなあ」
料理も減ってきたので、デザートの焼きプリンを出した。
個別ではなく、大きくつくって切り分ける、しかも僕好みの、硬いやつだ。
滑らかなのが好きだったら、クリーム舐めていればいい、と強く主張したい。
これに、お好みでアイスクリームをトッピングしてもらう。
甘いデザートに合わせて、クリスマス・ビールを出してきた。
アンカー・スペシャルエールの千五百ミリリットル瓶だ。
毎年、レシピが違うので、呑むまで、どんな味かわからない。
しかも、十月くらいの予約で売り切れるので、注文したときは、どんな味が誰も知らない、というスペシャル過ぎるビールだ。
アニキが、大瓶を出したクーラーボックスに食いついている。
「おお、これ冷やせるんですね!?」
「うん、車のシガーソケットや、カセットガスでも冷えるんですよ」
「おおお、アウトドア向けですね!」
興奮するアニキに、カスミちゃんと奥さんが、冷たい目を向けている。
「え、と。呑む人ー?」
グラスを受け取り、水で濯いでスペシャルエールを注ぐ。
もう、飲み物セルフサービスが浸透しているので、カウンターに集まり、受け取っていく。
僕も、テイスティング。
とはいえ、もう去年の味を覚えていないので、「美味しい」としか言えないのがヘタレだ。
顔を上げる、と皆がカウンターを取り囲み、僕を見ていた。
「なんです?」
「ここで、一言じゃろ?」
「主催者挨拶だ」
皆がその言葉に頷く。
うろたえて、アニキを見るが、頷くだけ。
雪さんは、カスミちゃんと百田さんの妹が、僕の言葉を待っているので、遊んでもらえず、キツイ目で早くしなさいよ、と睨んでいる。
「えー」
あ、声が裏返った。
「えー、一年前は、この部屋にいる、誰とも知り合いではありませんでした。でも、不思議な縁で、みなさんと出会えました。あまり、そういう縁に恵まれていなかったので、」
嘘だ、オヤジにも出会っていたじゃないか、オヤジの店でのお客様にも。
「いえ、そういう縁に気づいていなかったので、出会えたと思えた皆さんに、感謝です。開店したら、ご贔屓に」
タカチさん、菊池さん、百田さんは、驚いた顔をしていた。
「あのお店、辞めちゃうの?」
「ここで、お店?」
「おお、店舗責任者ですね?」
そういえば、オヤジとオジサン関係者以外に、ここで店を開くって、言ってなかったっけ?
「ええと、この部屋で、お店を開きます。よろしくお願いします」
拍手が起こった。
思いのほか、大きな拍手だった。
なんだか、オジサン会が盛大に手を叩いている。
ええと、どうやって締めたらいいんだろう?
困って言った。
「乾杯」
『乾杯!』
「これ、お土産です」
一人ひとりに、箱が入った紙袋を渡す。
「なんじゃ?」
「シュトーレンです。涼しいところに置いておけば、日持ちしますから」
「土産は始めてだ」
と、オジサン会は喜んでいる。
「いや、一度お断りしているので」
「来てくれるんじゃないかな、って思ってたんで」
土産を断る百田さんに、カッコつけて言うが、実はお声がけした人はお世話になった方々なので、全員分を用意していたのだ。
後日、猫オバチャン夫婦にも、いろいろのお礼として持っていく予定だ。
ちなみに、オヤジ分もあるのだが、忍さんに刺されないか、いや今ならクリスマスをオヤジと過ごして機嫌がいいからチャンスでは、とかタイミングを伺う必要はある。
タカチさんは、僕がオヤジの店を辞めるのではと、いろいろと聞きたいようだが、我慢しているようだ。
今度、ちゃんと話さないといけないな。
菊池さんは、店が開くのは嬉しいらしいようだが、タカチさんが複雑な表情なので、大人しくしている。
アニキと百田さんは、自分の被保護者に、どんな店でも雪さんに会いにくる、と困らせていた。
そんな、如何わしいお店にはならない、はず。
「またくるぞ」
「でも、早く開店するように」
「次は開店祝いで」
「雪さん・・・」
「もう待たせるなよ」
えーと、違う部品混ざってるけど?
オジサン会が、迎えの車で、帰っていった。
アニキ一家とタカチさんは、駅に向かう。
女性が多いので、ちょっと心配だ、と思っていたら、百田さんが妹を部屋に送ったあと、駅までついていってくれることになった。
ジムに、念のため、顔を出したいのだそうだ。
気をつかわせちゃったかな?
ジムへのお土産用に、もう一つシュトーレンを渡した。
これは、百田さんは来られない予定だったので、お礼としてジムに持参したとき、他の方へはナシとはいかないので、用意した分だ。
「いや、ここまでしていただいては」
「まあ、クリスマスなので、地味ですけど今日から食べられますから、少しはクリスマス気分を、ね?」
「ありがとうございます。泣かなきゃいいけど、連中」
そんなに、キツそうだったの?
なんか、次にジム行きづらいな。
菊池さんは、一人で部屋に帰りたくないとのことで、百田さん妹といっしょに部屋に遊びに行くようだ。
迷惑かけないといいけ。
「ご馳走様でした」
「・・・またきます」
「今度、お店のこと、聞かせてください」
「またジムで」
「クリスマスよね、今日? ねえ?」
えーと、違う部品混ざってるけど?
「おやすみなさい。お気をつけて」
『おやすみなさい』
冷たい空気の外から戻ってくる、とまだ、人熱れの残った部屋は暖かかった。
ちょっと暑がりの気があるのに、この暖かさは、不快ではなかった。
アニキの奥さんと大型の食洗器のお陰で、ほとんど片付けは終わっていた。
雪さんは、遊び疲れたのか、元ドーム型ベッドに乗って丸くなっていた。
残っていたアンカーをグラスに注ぐ。
なんだろう?
買い物から準備まで、丸二日間。
構想をいれたら、もっと。
でも、疲れた、というより、楽しかった。
オジサンも、こんな感じだったのだろうか?
今更だけど、ちょっと会ってみたかったな。
今更だけど、ちょっとグラスを高く上げて。
今更、僕一人だけだけど、
「献杯」
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