継母の心得

トール

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第二部 第2章

336.謎の鍵

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『アス、みて! かぎー!』
「アカ、そのかぎ、どこにあったのだ?」

珍獣の一件が無事片付き、テオ様と皇帝陛下が仕事に向かった後も、わたくしと皇后様、子供たちはゆっくりお茶をしていた。そんな穏やかな時間が流れている時だ。

『しんでんの、ほーもつこ!』
『おうかんに、ひっかかってた!!』

アカが、珍獣神殿の宝物庫から持って来たらしい鍵を、イーニアス殿下に見せているではないか。
一緒に持って帰ってきた王冠に引っ掛っていたのだそうだ。

「きれいな、かぎだ」
「きれーね」

殿下の綺麗という言葉に興味を持ったノアも、一緒に鍵を見ている。

「あっ、ぺーちゃんのかぎ、にてるの」
「にゃ?」

ノアが言うぺーちゃんの鍵とは、大司教がぺーちゃんに持たせた、教皇の間の鍵の事だ。テオ様曰く、教皇の間には、歴代の教皇の証である杖と指輪、『神の書』なるものがあるらしい。

その『神の書』読んでみたいですわ。

「ぺーちゃん、かぎ、みていい?」
「ぁーい!」

ぺーちゃんが自分の首からペンダントを頑張って外し、ペンダントトップになっている鍵をノアに渡している。よく見ると、確かにアカの持つ鍵と似ている。

「ほんとうだ! にている」
「おんなじ、かぎなの」
「にゃ……」

3人が集まって二つの鍵を覗き込み、似てる、同じと呟いている。

「本当、似てるわねぇ」

そこに皇后様まで加わって楽しそうだ。

「ぺーちゃんの鍵は教皇の間のものですが、アカが持っているものはどこのものなのでしょうか……?」
「教皇の間!?」

皇后様がぎょっとした顔でわたくしを見て、ぺーちゃんを見てを繰り返していますわ。

『これ、ほーもつこあった!』
「という事は、神殿のどこかの部屋の鍵の可能性が高いですわね」

教皇の間の鍵に似ているのは何故かしら?

「あかいとりさんに、きいてみよう!」
「え?」

イーニアス殿下は、さっき話し終わったばかりの珍獣をまた呼び出している。

『今度は何だ!? イーニアス、わしは散々な事を言われて傷心中なんだぞ!』
「あかいとりさん、アカがほうもつこから、かぎをもってきてしまいました。これは、どこのかぎでしょうか?」
『話を聞けぃ! ん……? かぎとな?』

一応珍獣もわたくしたちに聞こえるように会話をしてくれているので、先程の事が堪えたようだ。

「はい。ほうもつこにあった、おうかんに、ひっかかっていたのだそうです」
『かぎ……うーむ、何かあった気がするが、何千年も前の事過ぎて思い出せん……』
「しんでんのなかの、おへやのかぎではありませんか?」
『神殿内にそんな部屋があったか……? いや、あった気もする』

そんな忘れるくらいの軽いものなのかしら……。

『う~ん……、まぁ、たいしたものではないわ!』
「また、そちらにおうかがい、したときに、かぎのへやを、さがしてもいいでしょうか?」
『もちろんだ! この神殿はすでに管理者であるイーニアスのもの。好きにせい!』
「アスでんか、わたちも、さがちたい!」
「ぺぇちゃ、にょ!」
「うむ。みなで、いっしょにさがそう!」

ノアだけでなく、ぺーちゃんまで神殿に行こうとしておりますわ。

「こほんっ。ノア、お母様とのお約束は忘れておりませんわよね?」
「おやくしょく! おかぁさま、アスでんかと、ぺーちゃんと、ちんでん、いってもよろちぃでしょーか」

くっ、可愛いですわ! 

先程の約束を思い出したノアは、わたくしの足元までやってきて、可愛らしくお強請りしてきたのだ。

「ですがノアには焔神の加護はありませんわ。西の神殿は、焔の神の加護が無いと命の危険がありますのよ。イーニアス殿下は大丈夫ですけれど、ノアが行く許可はできません」
「しょんな……」
「ちょ、にゃ……っ」

いくら可愛くとも、そんな危険な場所に行くなんて、許可出来るはずもありませんわ。

『それならば安心して良いぞ! 罠ならば、管理者であるイーニアスが許可すれば、発動せんからな』
「それならば、ぺーちゃんと、ノアが、しんでんにはいるのを、きょかします!」

イーニアス殿下は、嬉しそうに声を高々と上げたのだ。

というか、さすがに赤ちゃんのぺーちゃんは難しいのではなくて!?


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