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その他
番外編 〜 ネロウディアスの模型展示会3 〜 ノア7歳
ジェラルド王と話しながらクジの順番を待っている時、ディバイン公爵といつも一緒にいる補佐殿の姿も見かけたが、すごく目立っていたので話し掛けるのは止めておいた。
朕には、一斉に注目されている者に話しかける勇気はない。
クジを引いて、コンテストにエントリーし、番号札(シール)をもらったので、クジで当たったブースに行き、先に番号札をケースへと貼り付ける。
「うむ。なかなか良い場所に当たったのだ!」
会場の入口近くのブースが当たり、周りを眺めると、朕の愛息子と、ノアが二人で模型を運んでいる姿が目に飛び込んできて、思わずそっちへ駆け出した。
「イーニアス! ノア! 二人とも何をしているのだ!?」
「あ、父上! やっぱり父上も参加するのですね!」
「ネロおじさま、こんにちは」
二人が参加するなど聞いてないのだぞ!?
「うむ。もしかして、その作品は共同作品なのだろうか?」
「はい! ノアと一緒に作りました!」
「がんばりました!」
相変わらず可愛らしい二人は、作品を大切そうに運び、そっとケースの中に置くと、番号札をペタンと張っているではないか!
ど、どうしたらいいのだ!? コンテストで投票出来るのは一作品のみ……エリザの作品に票を入れようと思っていたのだが、まさかイーニアスとノアが作品を出展するとは!!
一体どうしたらいいのだ……っ
「アス殿下、あとで他の作品も見に行きましょう!」
「うむ! アカも作品を出展するとはりきっていたし、ディバイン公爵も作品を出すらしい。楽しみだ!」
子供たちは楽しそうに自分たちの模型の角度を決めて、その後わくわくしながら会場の中を探検し始める。
朕は未だかつてないピンチに、どうするべきかと項垂れた。
もし、朕がエリザの作品に票を入れてしまって、イーニアスがそれを知ったら……。逆もまた然りなのだ!
『アカも、さぎょーブース、つかいたい! でも、だれもどいてくれない! ムキー!』
『アカ、よーせー、みえてない!!』
『!? アスー! アカ、たすけてー!』
と声が聞こえてきたが、今はそれどころではないのだ……っ
「ジェラルド、このブースだとお前の作品が目立たないではないか! 主催者に文句を言ってこよう!」
「ちょ、止めてよ兄上!」
誰か、ユニヴァ殿を今すぐ止めてくれ。
「そうだ! レーテに頼んで、明日の投票をイーニアスに入れてもらうのだ! そして朕はエリザに入れれば、平等なのだぞ!」
そうしよう! さすが朕。ナイスアイデアなのだ!
「明日はベルに最優秀賞をプレゼントしよう」
「旦那様、いくら旦那様でもこればかりは負けませんよ」
おおっ、ディバイン公爵と補佐殿は、互いのブースが近いようなのだ。クジでも縁は切り離せぬのだな。
「……って、えぇ!? ディバイン公爵、本当にそれを出展する気なのか!?」
ディバイン公爵の作品が目に入った瞬間、思わず二度見してしまったのだ。
「何ですか陛下。文句でもあると?」
「え、いや……だってそれ……」
こわいっ、ディバイン公爵に睨まれたのだ。ここは何も言わず退散するに限る。
「あ、朕も早く陳列しよ~……」
ふぅ、あの重力の修業かと言わんばかりの威圧感の中から抜け出せたのだ。
さて、朕も陳列を……、ん? あれはまさか……っ、新作の組立式模型の“販売ブース”だと!?
会場の一角に、なにやら立派なブースが作られているとは思っていたが、看板を掲げた瞬間、皆が一斉に販売ブースに注目したのだ!!
今から商品を並べる!? 見たい!! 欲しい!! うぬ……っ、おおっ、今運び込まれたあの箱の中に新作が……!?
じりじりと皆が少しずつにじり寄っていく。するとそこへ、
「おおっ! 見てみるのだノア! 新作の模型が販売されるらしいぞ!」
「うわぁっ、どんなものがあるか、見たいです!」
イーニアス!!
愛息子とノアが販売ブースの前で立ち止まり、近付いていくではないか。
「ここで見ていても良いでしょうか」
「邪魔しません!」
良い子!! 朕のイーニアス、あんなに良い子に育って……っ
「構いませんよ! なんなら、注文も出来ますけど、どうしますか?」
な、なんだってー!?
それを聞いていた紳士たちの目が、獲物を狙う目に変わる。
「わぁ! …………? アス殿下、わたし、あの模型もう持っています。お母様がくれました。アス殿下と一緒に作ろうと思って、まだ開けてませんけど」
ノアはおもちゃの宝箱の創始者の息子だったのだ……! 忘れていた……っ
「それならば、また一緒に作ろう!」
「はい!」
くぅ~っ、かわゆい子たち!!
二人はそう言って、「見学させてくれて、ありがとうございました」とお礼をし、歩いて行ってしまったのだ。
その後、販売ブースに愛好家たちが殺到したのは言うまでもないだろう。
まさか新作が、変形する模型だとは……っ
おもちゃの宝箱……侮れぬ!!
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