継母の心得 〜 番外編 〜

トール

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番外編 〜 アベルとフローレンス 〜

番外編 〜 聖者コンビの大冒険1 〜 アベル5歳、フローレンス8歳



アベル視点


オレのなまえは、アベル・ユリシーズ・ディバイン。ディバインこーしゃくけの、じなんだ。

「もーいーかーい!」
「もーいーよー!」

いまは、フロちゃんとかくれんぼしてるところ。
オレがオークで、フロちゃんをさがしてるんだけど……、

「フロちゃんみつけたー!」

フロちゃんはいつも、キッチンにかくれるから、すぐみつけられるんだよね。

「つぎは、フロちゃんがオークね!」
「うん。いーち、にー……」
「もうかぞえだした! フロちゃんはやいよ!」

はやくかくれなきゃ! あっ、ここ!

「もーいーかーい」
「もーいーよ!」

ふふっ、ここならぜったい、みつからないよね!

「毎度ありがとうございまっす! ディバイン公爵領の事ならスミスに任せ! 街の御用聞きでお馴染みのスミスでっす!」
「お、来たか。新鮮な海産物は仕入れられたかぃ?」
「もちろんでっす! このスミスにお任せあれ!」

シェフと、だれかしらないひとが、はなしているのを、みつからないように、とおまきにあるきながら、かくれる。
ちょっとして、

「よいしょ。あーちゃん、みーつけた!」

ぜったいみつからないとおもったのに、すぐフロちゃんにみつかったんだ!

「!? なんでわかったのっ」
「だって、あーちゃんの周り、キラキラしてるもん」
「あっ、よーせーたち! ダメだよっ、ずるいよフロちゃん!」
「ずるくないもん。かってに見えるし」
『フローレンスは全然ズルくない。卵たちが聖者に寄っていくのは妖精の性質なのさ!』
『アベルのそばは、心地良いからどうしても妖精の卵が寄ってくるよね』

みんなでおはなしていたら、ガタンッてとつぜん、オレとフロちゃんがゆれたんだよ。

「え? なに??」
「うごきだした」

ガタゴトゆれて、そのたびに、オレとフロちゃんのからだがちゅうにうく。

「ガタゴトだぁ!」
「ガタゴトだね」

まわりには、きのはことか、ふくろとか、たくさんのにもつが、オレたちとおなじように、ガタガタゆれてた。

『アベル、早く降りようよ! これ荷馬車だよ!?』
『フローレンスも、早く降りないと外に出ちゃうよ!?』
「? うごいてるばしゃから、おりるの、あぶないよ」
「危ない。止まってから降りるべき」
『さすがフローレンス! 賢いなぁ』
『あ、うん。そうだよね……でも、いつ止まるの??』
「「そのうちとまるよ」」

『公爵家の敷地内にいるうちに降りた方が良いと思うよ』というウィルに、だいじょぶ、だいじょぶとあんしんさせて、おそとにはやくでないかなって、ワクワクしてくる。

オレ、そとにでるのは、おとうさまと、おかあさまといっしょの、おでかけするときだけだもん!
それに、こんなにガタガタゆれるばしゃも、はじめてでたのしい!

「あ、庭しのおじいちゃま!」
「ほんとぉだ! フロちゃん、てをふろぉよ!」
「そうだね。おーい、庭しのおじいちゃまー」
「バイバーイ」

ばしゃにかぶせてある、ぬのからかおをだして、てをふってたら、にわしちょーが、めをおおきくして、おいかけてきたんだよ。

「おじいちゃま追いかけて来てるね」
「なんでだろうね?」
『何か叫んでるけど、聞こえないね』
『……テオに怒られる未来しかみえないよ……』

とおざかっていくにわしちょーに、もういちどてをふって、またぬのをかぶる。

「フロちゃん、そとにでたら、おもちゃみにいこうよ!」
「おもちゃの宝箱、カフェはあるけど、エビフライはないから、後でその隣のおもちゃカフェにも行きたい」
「いいよ!」

あたらしいおもちゃ、でてるかな。

『ねぇ、二人ともお金持ってるの?』
『フローレンスは持ってないよね』
「ウィル、なーたん、だいじょぶ! きぞくは、あとでせーきゅーしょっていうのが、いえにとどくんだ。だからおかねは、いらない!」
「さすが貴族。無銭飲食が許される」
『フロちゃん、無銭飲食はダメだからね!?』


オレとフロちゃんは、こうして、ばしゃにのって、もんをとおりぬけたんだ!

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