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番外編 〜 ぺーちゃん 〜
番外編 〜 教皇の正体2 〜 ノア10歳、アベル5歳
ノア視点
「うむ。確かにフローレンスは正常かと疑いたくなるほどのエビフライ狂だが、彼女の中では正常範囲内だそうだ」
アス殿下が咄嗟に返した言葉に、フローレンスのほっぺたが膨らむ。
エビフライを口いっぱいに入れているからなのか、ぷくっと膨らませているのかはわからないけど、リスみたいだ。
「むぐ、むぐ……、アス殿下、失礼です、わ」
「ハハッ、そう怒るな。フェリクス殿に聞かれたので答えたのだ」
「おやおや、フェリクスはお嬢さんに失言してしまったようですな。申し訳ない」
「じーじ、ぺーちゃ、めぇ?」
こてんと首を傾げる子供は可愛らしい。ミーシャに会いたくなってくる。
「フェリクス殿はフローレンスの行動が不思議だったのだろう。ダメではないので気にするな」
「にー、ちゅき!」
「うむ? 私を好いてくれるのか。ありがとう」
アス殿下は子供に好かれる。
そういう所はネロおじさまそっくりだなぁ。
「さて、フェリクス、お土産を買って帰ろうか」
「!? ペーちゃ、やっ! もちゃーしゅりゅ!」
大司教はすんなり帰ろうとしていたけど、ペーちゃんがおもちゃの宝箱の連絡通路を指差して、帰るのを拒否している。
「フェリクス殿は、おもちゃで遊びたいのだろう」
「もちゃー! にー、もちゃー、しゅりゅ!」
「ん? 私とおもちゃで遊びたいのか?」
ペーちゃんはアス殿下の言葉に激しく頷き、大司教は困った顔をしている。
「じーじ、ペーちゃ、もちゃー」
「はぁ……仕方ない。イーニアス皇太子殿下、少しだけお付き合いいただいてもよろしいでしょうか?」
「うむ。構わぬ。フェリクス殿、おもちゃで遊ぼう」
「もちゃー! にーも!」
私とも遊びたいというペーちゃんに頷き、フローレンスも一人にしておくのは不安なので、一緒におもちゃの宝箱で遊んだんだ。
大司教は、特に怪しい行動などもなく、ペーちゃんと滑り台を滑ったり、ボールプールで遊んだりと、本当に良いお爺さんをしていたように思う。
そして───
「にー、ねー、ペーちゃ、ばいばい」
「うむ。フェリクス殿、また会おう」
「ペーちゃんバイバイ」
「ペーちゃんまたね」
たっぷり遊んだ後、大司教の腕の中で手を振るペーちゃんと別れ、私たちもアベルにお土産を買って帰路についた。
ペーちゃん、可愛かったなぁ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「何ですか、ペーちゃんとは……」
「フフ……かわいかったらろう。わたちは、かわいいペーちゃ、にちゃい、だ」
「……まぁ、年齢的にはあれが普通ではありますが、あなたがあのようにかわいこぶると震えがきますな」
「しちゅれいな!」
「はぁ……、あなた本気で楽しんでいましたよね」
「う、うりゅちゃい! ちゅべりだいとやりゃが、おもっちゃより、たのちぃのがわりゅい!」
「はいはい。ところで、フローレンス嬢は間違いなく聖女でしたか」
「まちがいにゃい! やはり、じぇんちぇのじんちぇーと、かわらにゅ!」
「そうですか……。イーニアス皇太子殿下は聞いていた話とは全く違うようでしたが……」
「しょ、しょのよーなめで、みりゅな! いっちゃだりょ。いじゃべりゅ・どーりゃ・でぃばいんが、うんめぇを、かえちゃんだ!」
「はいはい」
「ちんじてにゃいにゃ!?」
「信じておりますよ。『教皇猊下』」
「ふんっ、ちょにかく、こにょまま、ニョアにあやちまれにゃいよう、ちかじゅくんだ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イザベル視点
『───ッテ、タマゴタチイッテタノ!』
「チロ、良くやった」
『チロチガウノ。タマゴタチ、ガンバッタノ』
「そうか。卵たちも良くやってくれた」
テオ様がチロから報告を受けて褒めると、卵たちもチロも喜んでテオ様の周りを飛び回っている。
わたくしは、ノアがわたくしのお店で楽しく遊んでくれていたと聞き、内心嬉しく思っていたりする。
最近は一緒にお出かけしてくれる頻度が減っていたから、寂しく思っていたけれど、おもちゃが好きな所は相変わらずですのね。
「イザベル以外にも、回帰前の記憶を持つ者がいるとはな…」
「つまり、フロちゃんが聖女という事はとっくに知られていたということですわね」
「今回の接触は偶然を装い、フローレンスが今世も聖女であるかを確かめたのだろう」
「ナサニエルは嘘をついてはいないと言っていたようですが……?」
「恐らく、遠目から観察し、教皇に鑑定させる予定だったのが、偶々相席になってしまったというところだろう」
なるほど。さすがテオ様、鋭い観察眼ですわ。
「教皇は回帰前の記憶がある為に、アベルの事は予測し得なかったのだろう。何しろ回帰前、アベルは生まれていないからな」
「では、ノアに近付こうとする目的は、アベルに直接会って、鑑定の能力を使用する気ですのね」
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