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番外編 〜 ミーシャ 〜
番外編 〜 ミーシャの日常 授業参観編3 〜
ミーシャ視点
「馬車で来る親御さんには、出来るだけご家族で乗り合わせて、少ない台数で、出来れば1台で来ていただくようお願いしてもらいたい。当日は保護者が入れる場所は制限させていただくので───」
ウチはウォルトやミランダも来るだろうけど、お父様は私とお母様以外の女性とは、例え使用人であっても絶対同乗しないのだ。馬車は1台でというが、難しいかもしれない。
「また、馬車を2台以上使用する場合は、予め申請すること。わかったかな、ロペス君」
「承知いたしました。後ほど申請させていただきます」
「では、後で職員室に申請用紙を取りに来ること」
申請用紙をもらいに行かないといけないのか。
お昼休みに職員室に行かなければ……。
と、ランチ前に職員室に向かったのだけど……、
「ではロペス君、この申請用紙は必ず保護者のサインを貰ってから、参観日の前日までには提出するように」
「はい。ありがとう存じます」
ロペス侯爵令嬢が先に先生と話していた。
申請書には保護者のサインがいる……? それ、提出したらディバインだって先生にバレるんじゃ……。
「ん? アボット君、どうした。授業でわからない所でもあったのかね?」
ロペス侯爵令嬢がチラリと私を見た後、会釈をして職員室から出ていくと、先生が私に気付きどうしたと話しかけてきた。
先生の言うアボットとは、アカデミーで男爵令嬢の家名として使っている。
「先生、馬車の台数の申請書をいただきに来ました」
「君が?」
確かに貧乏男爵家の設定だけど、そんなもの必要ないだろうという感情が露骨に伝わってきすぎではないだろうか。
「アボット君、申請用紙は遊びで使用するものではないのだよ。先生をからかいに来たのなら、出て行きたまえ」
「からかいに来たわけではなく、私の両親とは別の馬車に、使用人が乗って来ると思うので、2台になりそうなんです」
「アボット男爵家はそれほど裕福ではないと、君から聞いたと思うのだが?」
先生は落ち着いた声で、どういう事なのだろうかと私を見る。
「それが、馬車を2台も所有し、さらには使用人も連れて来るなど、到底信じらることではない。君は、私が平民出身だから何もわからないと思って、からかっているのか……??」
そんなことは思ってないのに……。
「アボット君は真面目だと思っていたが、このような冗談も言うのだね。私も楽しい冗談には付き合ってやりたいが、すまないね。参観日の準備で忙しくてね。君の冗談に付き合っている暇がないのだよ」
結局、申請用紙はもらえず追い出されてしまった。
「───それで、用紙を貰えなかったの!?」
「それは先生ともう一度話す必要がありそうだけど……」
「そんな風に言われたら、担任にはもう話せないよね」
お弁当を持って、中庭のガゼボに集まっていた三人に先ほどあったことを言えば、うーん、と一緒に考えてくれる。頼もしい友人たちだ。
「お父様とお母様には変装して来てもらう予定だけど、馬車は絶対2台必要だし……」
「ん? ねぇミーシャ……、変装って何!? 聞き捨てならないことを言ってない!?」
「氷の大公様と、女神様を変装させる!?」
「ミーちゃんったら、冗談ばっかり~」
「?」
冗談など一言も言っていないが、コニーは引きつったように笑っているし、クロエもナツィーもぎょっとしている。
「ミーシャ、ディバイン公爵家にある馬車って、最新型しかなさそうだけど?」
「そういえば、最近変えたばっかり……」
「でしょうね!」
「家紋が入っていないタイプを使用するとしても、最新型なんて乗ってるのは、皇族と公爵家くらいのものだと思うよ……」
「限定モデルだもんね」
コニーの言葉に動揺する。
「え、ウチの馬車、限定モデルなの……?」
「なんなら、馬からして違うよ……。気付いてなかったの?」
今度はナツィーが苦笑いしているではないか。
「じゃあ……変装しても、馬車でバレるってこと……?」
「「「そうだね」」」
えぇ……
「だからね、変装して来るにしても、学校側には連絡しておいた方が良いと思うの」
「クロエ、それは学校側に伝えた時点で大事になりそうだけど……」
「ナツィー、どっちみち大事になるんだから、先に伝えるべきだわ!」
友人たちは、そう提案してくれるが、ディバイン公爵が来ますなんて言う方が信じてもらえない気がする……。
お父様から、学校側に言ってもらうしかないのかな……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「皆、大変だ! 今度の参観日に、皇帝陛下と皇后陛下が、アカデミーに来られるらしい!! 職員はこれから、緊急会議をするからミーティングルームに集合するようにと、学長からの伝言だ!」
「「「「エェーーーー!?」」」」
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