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相手は最強の剛……ロイの様子
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「ついに残り1勝だ!あと1回勝てば娘に会える!」
「そうだね。ただ、最後の相手が3神のハルバートなんて……」
メイナスが暗い顔をしているので気になった俺は、
「そんなに強いのか?」
と尋ねる。
「そうだね。人が話しているのを聞いただけだから本当かどうかわからないけど、君がなんとか倒した最強の盾を武器を使わずに打撃だけで倒したことがあるらしい」
(あの硬い体を殴って平気なのか!というかダメージを与えられるのか?)
「ハルバートとやらは武器は使わずに戦うのが普通なのか?」
「まあ、最強の盾と同等の硬さを誇る肉体を持つらしいけど、彼は武器を使って戦うよ。彼が使う武器は、ロイが使うハンマーと同じ大きさの戦斧だよ」
「得意武器を使わずに最強の盾に勝つのは、今の俺でも難しいな……」
2人で暗い顔をしてしまう。
だが、戦う張本人は、
「まあ、考えたって始まらねーよ。そんなに強いなら今の自分の全力をただぶつけるだけだろ?それに試合までまだ1ヶ月ある。俺はこの3ヶ月でかなり強くなった。まだまだ強くなれる実感がある。だから、この1ヶ月で、そして試合中にその相手に勝てるレベルまで強くなればいいだけの話だ。そうだろ?」
すでに覚悟を決めているようで、話しながら笑っていた。
「はぁ……そうだね。考えても始まらないね。決まってしまったものはしょうがない。いつだって考えるのはどうやって勝つかだけだったもんね」
「そうさ。今までと変わらねえよ!それにアークはそんな化け物達と残りの6試合を連戦しなきゃならねぇんだから俺の方がましさ」
「確かに。お兄さんかなり王様に嫌われてるみたいですごく厳しい組み合わせにされてるしね」
いつもの調子に戻った2人は、俺をみて笑い出す。
「別段嫌われることは何もしていないのだがな……まあ、立ちはだかるものは全て斬るだけだ」
「出たよ!いつも二言目には斬る斬る!そこら辺の人斬りよりも言ってる回数多いんじゃねえか?」
「いやいや。絶対に人斬りより多く言ってるよ」
「……そんなに言っているか?」
「うん」
「おう。もう口癖のように言ってるぞ。たまに寝言でも言ってる時あるぞ」
(それはまずいな……姫様の側に立つものが二言目には斬る斬るというのは……)
「……気をつける」
それから1ヶ月……
俺たちは今まで以上に特訓に励んだ。
特にロイは1ヶ月前よりも確実に強くなっており、力強さ、速さも格段に増した。
明らかに最強の盾よりも強くなったことが感じられた。
「出来ることはやった。後は、明日勝って、娘と再開するだけだ!待っていてくれ!ミレイ!……zzz」
「何で娘の名前を叫んだ途端に眠てしまうの?どういう理屈?」
「……わからん。ただ、この単純さは見習いたいところがあるな」
「確かに。僕はどうも試合の前日は落ち着かなくて少ししか眠れないからおじさんが羨ましいよ……僕も妹の名前を叫べば眠れるかな?」
メイナスがロイに影響されて変な方向に行こうとするので、
「勘弁してくれ……そんな奴は1人でたくさんだ」
と、思わず心の声が漏れてしまった。
「あははは……冗談だよ。冗談……」
メイナスは誤魔化そうとしていたが、目が泳ぎまくっていた。
ー翌日ー
「奴隷番号90!ロイ!出番だ!」
「おう!」
ロイが武器を持ち、立ち上がり、闘技場へと向かう。
「そうだね。ただ、最後の相手が3神のハルバートなんて……」
メイナスが暗い顔をしているので気になった俺は、
「そんなに強いのか?」
と尋ねる。
「そうだね。人が話しているのを聞いただけだから本当かどうかわからないけど、君がなんとか倒した最強の盾を武器を使わずに打撃だけで倒したことがあるらしい」
(あの硬い体を殴って平気なのか!というかダメージを与えられるのか?)
「ハルバートとやらは武器は使わずに戦うのが普通なのか?」
「まあ、最強の盾と同等の硬さを誇る肉体を持つらしいけど、彼は武器を使って戦うよ。彼が使う武器は、ロイが使うハンマーと同じ大きさの戦斧だよ」
「得意武器を使わずに最強の盾に勝つのは、今の俺でも難しいな……」
2人で暗い顔をしてしまう。
だが、戦う張本人は、
「まあ、考えたって始まらねーよ。そんなに強いなら今の自分の全力をただぶつけるだけだろ?それに試合までまだ1ヶ月ある。俺はこの3ヶ月でかなり強くなった。まだまだ強くなれる実感がある。だから、この1ヶ月で、そして試合中にその相手に勝てるレベルまで強くなればいいだけの話だ。そうだろ?」
すでに覚悟を決めているようで、話しながら笑っていた。
「はぁ……そうだね。考えても始まらないね。決まってしまったものはしょうがない。いつだって考えるのはどうやって勝つかだけだったもんね」
「そうさ。今までと変わらねえよ!それにアークはそんな化け物達と残りの6試合を連戦しなきゃならねぇんだから俺の方がましさ」
「確かに。お兄さんかなり王様に嫌われてるみたいですごく厳しい組み合わせにされてるしね」
いつもの調子に戻った2人は、俺をみて笑い出す。
「別段嫌われることは何もしていないのだがな……まあ、立ちはだかるものは全て斬るだけだ」
「出たよ!いつも二言目には斬る斬る!そこら辺の人斬りよりも言ってる回数多いんじゃねえか?」
「いやいや。絶対に人斬りより多く言ってるよ」
「……そんなに言っているか?」
「うん」
「おう。もう口癖のように言ってるぞ。たまに寝言でも言ってる時あるぞ」
(それはまずいな……姫様の側に立つものが二言目には斬る斬るというのは……)
「……気をつける」
それから1ヶ月……
俺たちは今まで以上に特訓に励んだ。
特にロイは1ヶ月前よりも確実に強くなっており、力強さ、速さも格段に増した。
明らかに最強の盾よりも強くなったことが感じられた。
「出来ることはやった。後は、明日勝って、娘と再開するだけだ!待っていてくれ!ミレイ!……zzz」
「何で娘の名前を叫んだ途端に眠てしまうの?どういう理屈?」
「……わからん。ただ、この単純さは見習いたいところがあるな」
「確かに。僕はどうも試合の前日は落ち着かなくて少ししか眠れないからおじさんが羨ましいよ……僕も妹の名前を叫べば眠れるかな?」
メイナスがロイに影響されて変な方向に行こうとするので、
「勘弁してくれ……そんな奴は1人でたくさんだ」
と、思わず心の声が漏れてしまった。
「あははは……冗談だよ。冗談……」
メイナスは誤魔化そうとしていたが、目が泳ぎまくっていた。
ー翌日ー
「奴隷番号90!ロイ!出番だ!」
「おう!」
ロイが武器を持ち、立ち上がり、闘技場へと向かう。
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