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初めてのワーイ!ワーイ!

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 「だははは!それでパーティー名「金の亡者」か!面白いね!確かにエマとユリはお金が好きだからあってるよ!」

 豪快に笑う女性は黒髪を後ろで一つにまとめ、女性にしてはがっしりした体型をしている。

 服装はホットパンツにビキニとエマと同じ大胆な格好……ナイス

 その女性の名は「サキ」さん。

 エマとユリが暮らす施設「元気の家」を自費で営んでいる。

 C級冒険者PT「暗闇」で盗賊をしているそう。

 性格は見ての通りとにかく豪快で明るくどこが暗闇?と聞きたくなる人物。

 「嫌だよ!明らかに守銭奴って感じだもん!」
 「いやいや。冒険者は守銭奴がほとんどだから安心しろ。かくいう私も目先の小銭を追いかける守銭奴だ!」

 親指を立てて目を光らせるサキさん。

 やはり同族だったか……気配でわかったよ

 「私は目先の大金に目が眩む守銭奴だ!」
 「私は目先の財布を盗む守銭奴だ!」

 サキさんの後に続き、私、エマも親指を立てて目を光らせる。

 くそ!2人とも立派なお胸様を揺らしやがって!……拝んどかねば……大金持ちになれますように!
 
 「はぁ……子供達が真似するからやめて」

 ツッコミに疲れたユリがぐったりと椅子に腰掛ける。

 「ほらぁ!馬鹿やってないで、机の上片付けて!ご飯できたよ!」
 「できたよぉ」

 元気の家のしっかり者のハンナ(10)と将来は絶対に私好みの女性に成長するだろうハーフエルフのクルミ(7)が台所からリビングへ顔を出す。

 「飯だぁ!」
 「だあ!」
 「……」

 元気の家のガキ大将カンタ(9)、その子分コータ(8)と物静かなケンタ(7)がお風呂からタオル姿で飛び出してきた。

 元気いいねぇ!負けてられないぜ!

 「ちゃんと服を着ないやつはこうだぁ!」

 わしゃわしゃとタオルで体を拭いてやる。

 「ぎゃあ!怪人タオルババアが現れたぁ!」
 「はっはっはっ!よくわかったな!私こそ大金を稼ぐ守銭奴ババア……まだババアじゃねえわ!お前と5個しか変わらねえわ!くらえ!守銭奴ハンド!」
 「ぐあああ!やるな!お返しだあ!ガキ大将体当たり!」
 「ぐはぁぁ!やるではないか!ガキ大将!」
 「お前もな!ババア!」

 互いに相手を認め合い固い握手を交わす。

 フッ……これがライバルと言うやつか。

 「すげえ!」
 「カッコイイ」

 私とカンタに魅了されるコータとケンタ。

 フッ……照れるじゃないか。おまいたち。

 「何でそんなに感動してんだ?」
 「さあ?」
 「男の子だからじゃない。さぁ、ご飯にしよう」

 私たちの友情を冷めた感じであしらう女性陣。

 女には伝わらない男の友情という物があるのだよ。

 そんな感じですっかりと溶け込んだ「元気の家」には、いつまでもいて良いことになった。

 やったぜ!明日からギャンブルにクエストに稼ぎまくるぜ!

 「おーおー危険な香りがするねー」


 ーー翌日ーー


 「うぅ……もう少し寝てたいよー」
 「ほら!起きろ!ご飯だぞ!」

 深酒で二日酔いに苦しむエマを元気よく私が起こす。
 この光景を見たユリはーー

 「え!クミがエマを起こしてる!ーー血の雨でも降るのかな?」

 驚きながら天気を確認しに行きやがった。

 心外な!降るとしたら槍だ!

 その後二日酔いに苦しむエマとサキさんを連れてギルドへと向かう。

 ダンジョンへはランクという条件を満たしていたらクエストがなくても入ることができるそうで、サキさんは面倒なクエストよりもそちらの方が金になるからと途中で学園都市東地区にあるドラゴンダンジョンへと向かった。

 「いいなぁ!ドラゴンダンジョン!私も早くC級になりたい!」
 「それは私も同じだな」
 「いいよね。ドラゴンダンジョンは危険な割に宝とかが出るから当たりダンジョンらしいから」
 
 2人のいうようにこの世界にはいろんなタイプのダンジョンがある。

 レベル上げや危険な冒険を楽しむダンジョン、お宝の出現頻度が多いダンジョンと本当に様々。

 聖国にいた時はそんなことすらも知らなかったから、昨日からワクワクが止まらない。

 稼げるダンジョン!最高だぜ!まさに私たち「金の亡者」にぴったりだ!

 「まあ、私達は最低ランクだから街の掃除とか薬草採取だけどね……」
 「そうなのか……」

 それから数日薬草よりも稼げる街の清掃をし続けた。主に下水が多かったが……

 「まあ、大聖堂にいた時の部屋と似たようなもんだからいいか」

 特に気にならない私。
 懐かしさすら感じる。

 「昔、2人で根城にしていた下水よりはマシだな」
 「そうだね」

 と、2人も似たような経験があったらしく、
 3人して大した精神的ダメージはなく。
 むしろ、あの日々を懐かしく思い出す。

 「なんか知らないけど下水を根城にしていた時はネズミと友達になって言葉が通じ合うようになったよな」
 「そうそう!長く一緒にいるとなんか言いたいことがわかるんだよね!」
 「確かに!私の住んでところにもネズミいたけど友達になったことある!」

 話が盛り上がり、大いに楽しいクエストとなった。
 そうそう!これを求めてたんだ!楽しい!
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