さわやかヘリ

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さわやかヘリ

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ゴオオオオとけたたましい音がする。
この音は何だと思って、ふと窓から見上げるとヘリコプターが近くで飛んでいた。

あそこから見る世界はきっと爽快で、わたしなんてとっても小さく見えるんだろう。
広い世界が見渡せるのだろう。


わたしは実家に引きこもり、約半年が過ぎようとしている。
再就職活動を行ってはいるが、何度も重なる不採用通知に、もう悲しむ気力すら湧きあがらない。これを諦めというのだろうか。

もう未来はない。わたしの見る世界は大体この家の室内か、ハローワーク。
なんて狭い世界なんだろう。

それに比べて、あのヘリコプターから見る世界はきっと全然ちがうんだろうなぁ。
とても美しくて、爽やかで。わたしの濁った世界とは似ても似つかない世界が限りなく広がっている。

バカげていると思いながらGoogleに「ヘリコプター 乗りたい」と打ち込むと、Google先生からのお答えが即座に出た。ただし、それを読み取るわたしの理解力は遅い。
「3人以上で1万円」…無理、友達なんていない。なんて軽く落ち込みながら。


どうやらわたしの住む県の隣にはヘリコプターを遊覧するコースがあるらしく、4万円でできるらしい。無職の身には辛い出費だが、わたしはヘリコプターって10万円はかかると思い込んでいた。だから、へぇ、案外安く行けるんだ・・と。

わたしは思い込みで、世界を狭めていたのかもしれない。
世界を狭めていたのは・・・。

少し、ほんの少しだけ、自由でさわやかな青の世界に近づけたような、そんな気がした。
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