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ワガママでごめんね
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仏壇の前に手を合わせる。
写真の菜穂さんは、幸せでたまらないような笑顔だが、それがかえって、今彼女はここにいない悲しみを際立たせる。
しかし仏壇の左横にある床の間に目を向けると思わず「ふ」と笑ってしまった。
前から気付いていたことだが、菜穂さんは人望がある。
多くの友達から、彼女が好きだったアンジュルムックとかいうよくわからない歌手のグッズタオルや、ふなっしーのメモ帳を贈られていたらしく、ずらりと並べつくされていた。それがあまりにも彼女らしくて。
僕も菜穂さんが好きなものは知っていたし、一瞬考えたのだが、恥ずかしいし非常識なのだろうかと考えて、googleで検索を繰り返した後、結局無難な和菓子にしてしまった。
いつも僕は遅く茉莉さんより遅い。
おそらく茉莉さんも贈ったはずだ。茉莉さんはアンジュルムとかいうもののファン、いや、それ以上に菜穂さんのファンだった。それに気はきついが、茶目っ気のある人だ。
ゆっくりと菜穂さんに想いを馳せていたいと思い、そのために一周忌の1週間後の人がいない時にまたこうして来ている訳だが、やっぱり菜穂さんのお母さんの視線を感じて気恥ずかしくなり、
「今日もお邪魔してすみません、ありがとうございました。」と早口で言った。
「こちらこそありがとう。いいお友達ばかりで菜穂も喜んでいるよ。見てよ、このグッズ、いいわよね!わたしもファンになっちゃったからうれしいなぁ、なんて!ふふっ!」
とよくわからない歌手のタオルを広げて見せてくれる。
このイジワルっぽい笑顔は菜穂さんもよくしていて、そういうところが似ているな、と思う。
「この一帯、すごく菜穂さんらしさが出てますね。」「でしょう~!もう、本人が見たら大喜びでしょうね。うふふ」
あきれたように、でも嬉しそうに微笑んでくださった。
優しいお母さんだな、と思う。
このお母さんから、温かい愛情を受けて菜穂さんは育ったのだな、と羨ましく思う自分がいて、ふとその考えを急いでかき消し、お暇することとした。
ドラッグストアの横を通り過ぎ、派手な看板のある釣り屋が見えた。
この釣り屋の近くにある信号は、国道との交差点ということもあり、なかなか青色を見せてくれない。
いつもは寛容な僕だけど、あの日だけは許せなかった。
11月10日
彼女は、親友の茉莉さん、お母さん、お父さんに囲まれ、病院で亡くなった。
ちょうど日曜日の朝方で、日曜日でなければ茉莉さんも立ち会えなかったかもしれない。
僕は立ち会う事ができなかった。カラオケのアルバイトの勤務交代を何とか頼みこみ、タクシーで急いで病院に向かっていたのだが、あの釣り屋が傍にある信号の所。
茉莉さんから死去の電話連絡を聞いた。あの瞬間はずっと忘れられない。もう1年になるが、時間が止まったような感覚だった。
しかし、僕のそんな事はさておき、彼女は幸せだったのだと思う。
彼女は最期、息をするだけで必死の中「いい人生だった、ありがとう。」と口にしてくれたと聞いた。
菜穂さんらしいなと思う。
自分が極限に苦しいとき、僕は他人に感謝することができるだろうか。
そして僕は今亡くなったとして「いい人生」だなんて言えるだろうか?
僕と菜穂さんは、単発のアルバイトで知り合った。
アンケートを配り、答えてもらうというものだ。お客さんが通らないときには暇なのか菜穂さんが話しかけてきて、全く気の利いたことも言えない硬い僕なのに、なぜか気に入ってもらった。
最初はうっとうしく思ったが、あちらも僕に気を遣わないので、僕も気を遣わずに自然体で接する事ができた。
それでも、美人という訳ではないが、愛嬌のある顔立ちで、面白いことを話す彼女は、人を魅きつけるものがあった。おそらく学校で会っていれば、きっと喋ることはなかったことだろう。
僕は大学を卒業して以来、話す人などいなくなっていた。
大学ではよく話す人もいたが、その程度の付き合いだったということだろう。
そんな僕にとって、菜穂さんは唯一の喋る人であり、世界との繋がりだった。
色々な音楽や居心地のいいお店を教えてもらえたし、彼女と話していると「そんな風に考えていいんだ」と価値観や世界が広がるような感覚があった。
また、彼女は僕のペースを振り回す人だった。僕の常識や当たり前をどんどん覆し、次々と新しいことに取り組んでいく柔軟さにはずいぶん驚かされた。
闘病中にバク転をしたいと言い出したこともあったっけ。さすがにそれは止められていたが。
あの時のこの世の終わりのような、とてつもなく残念そうな彼女の顔思い出すと、ふっと笑みがこぼれてしまう。
茉莉さんは菜穂さんを介して少し関わることもあったが、そこまで親密な訳でもなく、わざわざ会う関係性でもない。
僕はまた一人になった。
僕は家族にも愛されていないから、愛する人に見届けてもらいながら死ぬことはないのだろう。
居心地の悪い感覚が胸の中を渦巻く。
不謹慎だが、僕は菜穂さんに嫉妬している。
彼女のようになりたかった。
いつも素直で、自分の意見を飄々と言って、それでも傍にいるだけで和ませてくれる太陽のような彼女になりたかった。もっといろいろなことを教えてほしかった。
ふと車道を見ると、何故かバイクの運転しながら犬の散歩しているというデンジャラスな中年男性を見かけて、一体どんな散歩をする気なんだよ!?と笑って誰かに報告したくなった。でも報告する相手もいない。
僕は一人なんだ。
電車に揺られ、ぼんやりと、何を見る訳でもなく窓から景色を眺める。
しかし、こうして考えてみると僕はなんて薄情なんだろう。
彼女は最期まで他人のことを考えていたのに、僕は自分の寂しさだけでいっぱいだ。
もう手遅れだけれど、僕が菜穂さんの為に最後にできることって何なんだろう?
目を閉じてみた。
もし立場が逆だとして。
僕が亡くなったとして、この光景を見ているとしたら、どんな気持ちになるんだろう?
僕だったら…、うんと悲しんでほしい。
「わたしのお墓の前で泣かないでください」とかいう厳かな曲もあったが、僕は悲しんでほしい。
いい人だったとうんと悔やんでほしい。
そして、不謹慎だが、愛されていることを、愛されていたことを実感したい。
僕は自信がないから、自分の価値を他人に評価されることでしか感じられない。でも、認めてほしいと言うのは恥ずかしくて言えないんだ。菜穂さんと大きくちがうところだろう。忘れてほしくもない。他人の幸せなんて願えない。
両親は無理だけれど、きっと菜穂さんだけはまちがいなく泣いてくれるだろう。
茉莉さんも菜穂さんと一緒だから、色々なことをしてくれるんだろう。
いつも菜穂さんは友達がたくさんいて、つかみどころがない人だったので、彼女の泣く姿を想像すると、少し満たされるものがあった。僕は菜穂さんにとって特別なのだと実感できるからだ。
だが、それは同時に絶望的なことでもあると感じた。
僕はこんなに愛されているのに生きられない、会えない
それも少し苦しい。
例えば、それであまりの寂しさに彼女が、僕と同じように考えて、命を絶つとしたらどうだろう。
首を…、
電車に…、
ビルから…
僕は色々と調べたので、詳しく、ありありとイメージすることができた。
彼女が痛いと感じるのは自分以上に苦しい。強烈な眩暈。
こんなこと考えるだなんておかしい!
大体ばかばかしい話じゃないか。死んだらもう終わりなんだし「もしも話」で何をしているんだ。
自宅のアパートに入り、ベッドに横たわり、天井をぼんやり眺めた。
眩暈は少しだけ落ち着くが、まだ少し残っている。しばらくこうしていよう。
でも、もしも…
目を閉じれば、また先程の想像の世界に容易に引き戻される。
もしも、そうなったとしたら、僕は菜穂さんに忘れてほしくもないし苦しんでほしくもない。
でも心の中の大切な宝箱にそっとしまってほしいと思った。
そして、たまにその宝箱を空けて、微笑んだり、切なくなったりしてほしい。そこには誰も入ることができないのだ。
精神的に繋がっているのがどうとかくだらないけれど、一度思いついたそれに強烈に憧れてしまった。そうであってほしい。そうしたい。あぁ、それなら今の僕でもできるんじゃないか?
菜穂さんと僕しか知らない思い出。
アンケートの回収数を一緒にごまかしていたことなんかもあったっけ。
ふと時間を確かめるためにスマホを見ると「猫みたいだね」と菜穂さんの声を思い出した。
僕が落としたスマホのヒビが猫のような形をしていると言ってくれたんだった。くだらない些細な思い出が、案外多くて、それを思い出すと寂しいし、「こう返事をすればよかった」なんて悔やんだりもするけれど、やはり愛おしい。
誰にも絶対教えない、秘密にしておく、大切な宝物。
こんな素敵なものを持っているんだから、しばらくはこの世界も楽しめそうだ。
ずっととは決めてないけど、とりあえず、今は。
また死ぬ予定は延長された。ずっとペンディング事案だ。
僕は仕事はサクサクこなす人間なのに、この事案だけはなかなかできそうにない。彼女は本当に僕を振り回してくれる。本当に敵わない。
ふふっ。
突然女性の声がした気がして振り向いた。誰もいない。床の軋みか何かの音だったのだろう。
でも、彼女が、イジワルな顔をして微笑んで、そこにいてくれたような気がした。
写真の菜穂さんは、幸せでたまらないような笑顔だが、それがかえって、今彼女はここにいない悲しみを際立たせる。
しかし仏壇の左横にある床の間に目を向けると思わず「ふ」と笑ってしまった。
前から気付いていたことだが、菜穂さんは人望がある。
多くの友達から、彼女が好きだったアンジュルムックとかいうよくわからない歌手のグッズタオルや、ふなっしーのメモ帳を贈られていたらしく、ずらりと並べつくされていた。それがあまりにも彼女らしくて。
僕も菜穂さんが好きなものは知っていたし、一瞬考えたのだが、恥ずかしいし非常識なのだろうかと考えて、googleで検索を繰り返した後、結局無難な和菓子にしてしまった。
いつも僕は遅く茉莉さんより遅い。
おそらく茉莉さんも贈ったはずだ。茉莉さんはアンジュルムとかいうもののファン、いや、それ以上に菜穂さんのファンだった。それに気はきついが、茶目っ気のある人だ。
ゆっくりと菜穂さんに想いを馳せていたいと思い、そのために一周忌の1週間後の人がいない時にまたこうして来ている訳だが、やっぱり菜穂さんのお母さんの視線を感じて気恥ずかしくなり、
「今日もお邪魔してすみません、ありがとうございました。」と早口で言った。
「こちらこそありがとう。いいお友達ばかりで菜穂も喜んでいるよ。見てよ、このグッズ、いいわよね!わたしもファンになっちゃったからうれしいなぁ、なんて!ふふっ!」
とよくわからない歌手のタオルを広げて見せてくれる。
このイジワルっぽい笑顔は菜穂さんもよくしていて、そういうところが似ているな、と思う。
「この一帯、すごく菜穂さんらしさが出てますね。」「でしょう~!もう、本人が見たら大喜びでしょうね。うふふ」
あきれたように、でも嬉しそうに微笑んでくださった。
優しいお母さんだな、と思う。
このお母さんから、温かい愛情を受けて菜穂さんは育ったのだな、と羨ましく思う自分がいて、ふとその考えを急いでかき消し、お暇することとした。
ドラッグストアの横を通り過ぎ、派手な看板のある釣り屋が見えた。
この釣り屋の近くにある信号は、国道との交差点ということもあり、なかなか青色を見せてくれない。
いつもは寛容な僕だけど、あの日だけは許せなかった。
11月10日
彼女は、親友の茉莉さん、お母さん、お父さんに囲まれ、病院で亡くなった。
ちょうど日曜日の朝方で、日曜日でなければ茉莉さんも立ち会えなかったかもしれない。
僕は立ち会う事ができなかった。カラオケのアルバイトの勤務交代を何とか頼みこみ、タクシーで急いで病院に向かっていたのだが、あの釣り屋が傍にある信号の所。
茉莉さんから死去の電話連絡を聞いた。あの瞬間はずっと忘れられない。もう1年になるが、時間が止まったような感覚だった。
しかし、僕のそんな事はさておき、彼女は幸せだったのだと思う。
彼女は最期、息をするだけで必死の中「いい人生だった、ありがとう。」と口にしてくれたと聞いた。
菜穂さんらしいなと思う。
自分が極限に苦しいとき、僕は他人に感謝することができるだろうか。
そして僕は今亡くなったとして「いい人生」だなんて言えるだろうか?
僕と菜穂さんは、単発のアルバイトで知り合った。
アンケートを配り、答えてもらうというものだ。お客さんが通らないときには暇なのか菜穂さんが話しかけてきて、全く気の利いたことも言えない硬い僕なのに、なぜか気に入ってもらった。
最初はうっとうしく思ったが、あちらも僕に気を遣わないので、僕も気を遣わずに自然体で接する事ができた。
それでも、美人という訳ではないが、愛嬌のある顔立ちで、面白いことを話す彼女は、人を魅きつけるものがあった。おそらく学校で会っていれば、きっと喋ることはなかったことだろう。
僕は大学を卒業して以来、話す人などいなくなっていた。
大学ではよく話す人もいたが、その程度の付き合いだったということだろう。
そんな僕にとって、菜穂さんは唯一の喋る人であり、世界との繋がりだった。
色々な音楽や居心地のいいお店を教えてもらえたし、彼女と話していると「そんな風に考えていいんだ」と価値観や世界が広がるような感覚があった。
また、彼女は僕のペースを振り回す人だった。僕の常識や当たり前をどんどん覆し、次々と新しいことに取り組んでいく柔軟さにはずいぶん驚かされた。
闘病中にバク転をしたいと言い出したこともあったっけ。さすがにそれは止められていたが。
あの時のこの世の終わりのような、とてつもなく残念そうな彼女の顔思い出すと、ふっと笑みがこぼれてしまう。
茉莉さんは菜穂さんを介して少し関わることもあったが、そこまで親密な訳でもなく、わざわざ会う関係性でもない。
僕はまた一人になった。
僕は家族にも愛されていないから、愛する人に見届けてもらいながら死ぬことはないのだろう。
居心地の悪い感覚が胸の中を渦巻く。
不謹慎だが、僕は菜穂さんに嫉妬している。
彼女のようになりたかった。
いつも素直で、自分の意見を飄々と言って、それでも傍にいるだけで和ませてくれる太陽のような彼女になりたかった。もっといろいろなことを教えてほしかった。
ふと車道を見ると、何故かバイクの運転しながら犬の散歩しているというデンジャラスな中年男性を見かけて、一体どんな散歩をする気なんだよ!?と笑って誰かに報告したくなった。でも報告する相手もいない。
僕は一人なんだ。
電車に揺られ、ぼんやりと、何を見る訳でもなく窓から景色を眺める。
しかし、こうして考えてみると僕はなんて薄情なんだろう。
彼女は最期まで他人のことを考えていたのに、僕は自分の寂しさだけでいっぱいだ。
もう手遅れだけれど、僕が菜穂さんの為に最後にできることって何なんだろう?
目を閉じてみた。
もし立場が逆だとして。
僕が亡くなったとして、この光景を見ているとしたら、どんな気持ちになるんだろう?
僕だったら…、うんと悲しんでほしい。
「わたしのお墓の前で泣かないでください」とかいう厳かな曲もあったが、僕は悲しんでほしい。
いい人だったとうんと悔やんでほしい。
そして、不謹慎だが、愛されていることを、愛されていたことを実感したい。
僕は自信がないから、自分の価値を他人に評価されることでしか感じられない。でも、認めてほしいと言うのは恥ずかしくて言えないんだ。菜穂さんと大きくちがうところだろう。忘れてほしくもない。他人の幸せなんて願えない。
両親は無理だけれど、きっと菜穂さんだけはまちがいなく泣いてくれるだろう。
茉莉さんも菜穂さんと一緒だから、色々なことをしてくれるんだろう。
いつも菜穂さんは友達がたくさんいて、つかみどころがない人だったので、彼女の泣く姿を想像すると、少し満たされるものがあった。僕は菜穂さんにとって特別なのだと実感できるからだ。
だが、それは同時に絶望的なことでもあると感じた。
僕はこんなに愛されているのに生きられない、会えない
それも少し苦しい。
例えば、それであまりの寂しさに彼女が、僕と同じように考えて、命を絶つとしたらどうだろう。
首を…、
電車に…、
ビルから…
僕は色々と調べたので、詳しく、ありありとイメージすることができた。
彼女が痛いと感じるのは自分以上に苦しい。強烈な眩暈。
こんなこと考えるだなんておかしい!
大体ばかばかしい話じゃないか。死んだらもう終わりなんだし「もしも話」で何をしているんだ。
自宅のアパートに入り、ベッドに横たわり、天井をぼんやり眺めた。
眩暈は少しだけ落ち着くが、まだ少し残っている。しばらくこうしていよう。
でも、もしも…
目を閉じれば、また先程の想像の世界に容易に引き戻される。
もしも、そうなったとしたら、僕は菜穂さんに忘れてほしくもないし苦しんでほしくもない。
でも心の中の大切な宝箱にそっとしまってほしいと思った。
そして、たまにその宝箱を空けて、微笑んだり、切なくなったりしてほしい。そこには誰も入ることができないのだ。
精神的に繋がっているのがどうとかくだらないけれど、一度思いついたそれに強烈に憧れてしまった。そうであってほしい。そうしたい。あぁ、それなら今の僕でもできるんじゃないか?
菜穂さんと僕しか知らない思い出。
アンケートの回収数を一緒にごまかしていたことなんかもあったっけ。
ふと時間を確かめるためにスマホを見ると「猫みたいだね」と菜穂さんの声を思い出した。
僕が落としたスマホのヒビが猫のような形をしていると言ってくれたんだった。くだらない些細な思い出が、案外多くて、それを思い出すと寂しいし、「こう返事をすればよかった」なんて悔やんだりもするけれど、やはり愛おしい。
誰にも絶対教えない、秘密にしておく、大切な宝物。
こんな素敵なものを持っているんだから、しばらくはこの世界も楽しめそうだ。
ずっととは決めてないけど、とりあえず、今は。
また死ぬ予定は延長された。ずっとペンディング事案だ。
僕は仕事はサクサクこなす人間なのに、この事案だけはなかなかできそうにない。彼女は本当に僕を振り回してくれる。本当に敵わない。
ふふっ。
突然女性の声がした気がして振り向いた。誰もいない。床の軋みか何かの音だったのだろう。
でも、彼女が、イジワルな顔をして微笑んで、そこにいてくれたような気がした。
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