俺TUEEEの【転生魔術師】~ほのぼの暮らしながらも陰から仲間の復讐を支援します~

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第一章 序章

1話 2話 異世界移転?

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 俺こと『草野 隆』は、三十五歳にして疲れ果てていた。
 週休一日、残業当たり前の毎日。
 電車で寝過ごすことなど日常の毎日を送っている。

 唯一の楽しみはネット小説を読むこと。
 自分みたいな社畜が、ファンタジーの世界で俺TUEEEすることに魅力を感じていたのだ。

 そして今日は待ちに待った休日。
 一週間読まずに溜めておいた、【ゼロから始まる俺TUEEEの異世界生活】を読むために、ラフな格好のままコンビニへと出かけた。

「家で俺TUEEE読みながらの、ポテチこそ至高」

 ポテチとジュースを手に取りレジへ。
 
「おっと、ホットスナックも欠かせない」

 俺は店員にからあげ君レッドを頼んだ。
 店員は面倒くさげに商品をレジ袋に入れる。
 
「おいっ、冷たいジュースとホットスナックは袋分けろや!」

 と、思ったが口には出さなかった。

 商品が入った袋を持ってコンビニを後にする。
 店員は、「あっーざっしたー」とやる気の無い棒読みで挨拶したので、

「てめー、挨拶ぐらいちゃんとしろやっ!」

 と、キレかけたが、これも口には出さなかった。

「やれやれ」

 店員に聞こえないように口癖を呟く。
 俺もいい年した大人だ。コンビニバイト君を生暖かい目で許してやった。

 帰宅路を歩く。
 道中、からあげ君を一つだけつまみ食いしようと、横断歩道で立ち止まった瞬間──、

 俺はトラックに轢かれたのだ。

 五メートルほど吹っ飛ばされた俺は、冷たいアスファルトの上に倒れ込んだ。
 ──身体が動かない。

 俺を轢いたDQN運転手の男が駆け寄ってくる。携帯で救急車を呼んでいる。
 俺の意識は薄らいでいく。
 そして意識は白々とした世界へと落ちていったのだ。

 
 
 そして──。

 俺は、何も無い空間で目を覚ました。
 辺りは真っ白。
 立ち上がり、身体を確かめてみる。怪我どころかかすり傷一つない。

「俺は死んだのか?」

 何故か直ぐにそう理解出来た。
 しかし悲しみよりも、気がかりな事が頭によぎる。

「スマホに保存しまくっているエロ画像を消しておくんだった」

 後悔先に立たずとはコレのことか。
 スマホのエロ画像が親の目に晒されるという、羞恥プレイ。

 頭を抱えていると、背後から声が聞こえてきた。

「すみません。貴方はここで死ぬ運命では無かったのですが、手違いで死んでしまいました。お詫びにチート能力と若返りをプレゼントします。それでは異世界へ転送しますね」

 いかにも神様っぽい女が早口でまくし立てると、俺は質問する間も無く異世界へと転送されたのだ。
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