俺TUEEEの【転生魔術師】~ほのぼの暮らしながらも陰から仲間の復讐を支援します~

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第2章 魔術学園編

14話 出来レースな会議への抵抗

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 マロンとマリアの口論となった教室内。
 キリトが静止を求めるが、ヒートアップした女子の間に挟まれれば否応なく引き下がるしかない。

「アーガネットさんが一人でいいって言ってるなら、それでいいじゃん?」
「確かに。協調性がない人と組んでも、チームがバラバラになるだけだしね」

 マロン率いる女子グループから、マロンへの援護が飛び交う。
 それを見て、孤高の少女は鞄を手に取って帰ってしまった。教室を後にする際、彼女の肩はブルブル震えていた。怒り心頭といったところか。

「どうしよう……」

 悩めるリーダー、キリトは教壇の前で肩を落とす。マリアが退出したとして、ジルたち四人もこの話し合いに参加していない。元よりチーム分けなど決まるはずも無かったのだ。

 無論、キリトもそのことを理解していただろう。それでもD組の中から退学者を出したくなかったのか、話し合いの場を設けてクラスの結束を図ったのだ。

 が────、

 それも裏目に出てしまったようだ。
 個性の強いD組の生徒たちをまとめるには──時期尚早だった。

「この話し合いに参加していない人と、勝手に帰った人を省いてチーム分けしましょうよ?」

 マロンからの提案。
 彼女のグループ外からも賛同の声があがる。

「いや、いくらなんでもそれは……」

 イケメン君は抵抗を見せるが、

 元より会議に参加していないジルたち一向とマリア。奇しくも5人。教室に残るのは35名だ。
 チーム上限の7人で5チームつくれる状況が整っている。
 自身の退学がかかった大事な試験である。上限人数でチームを組みたいのは、当然の事だ。

 マロンは強引に話を進めていく。
 彼女は黒板にクラスメイトたちの名前を書いていき、5チームの草案を作り上げた。

「……これでどうかしら? みんなの実力とか、仲の良さとかを考慮してみたんだけど? もちろんコレはあくまでも提案よ」

 マロンが描いたチーム分け。確かに悪くない。
 入学してから二ヶ月あった。クラスメイトたちの得手不得意や、相関図はある程度把握している。

「これなら不満ないけど」
「俺も賛成するよ」
「私もー」

 教室に残ったクラスメイトたちのほとんどが納得の様子だ。多少不満がある者もいるだろう。だが、賛成者多数なこともあり、発言し難い状況が作り上げられている。

 ティアナも一歩踏み出せずにいるようだ。
 心優しい彼女なら、この場にいない5人の事を想わない訳がないと思うのだが。意を唱える事をしない。
 別グループとはいえ、ティアナとマロンは敵対しているわけではないからなのか……。

「キリト君、みんな賛成みたいだけど?」

 マロンはキリトに話を振る。
 最終決定はキリトに預けたようだ。
 彼が決定をくだせば──マロンの草案は確定する。
 キリトはクラスメイトたちを見渡して、

「マロン君の意見に反対する人はいないかな?」

 誰も動かない。
 その様子を見届けたキリトは、

「じゃあ、このチーム分けで決め──」

 彼のチーム分け決定の言葉は途中で止まった。
 クラスメイトたちは、唐突に立ち上がった俺に注目する。

「グラッド君、どうしたの?」

 マロンは不安げな表情を浮かべている。
 俺は机にかけている鞄を手に取り、

「悪い。俺はアーガネットとチーム組むわ」

 とだけ残して教室を後にしたのだ。



 †
 †


 天邪鬼なのはマリアに限った訳ではない。
 俺も彼女と同じく、右と言われれば左を向きたくなる厄介な性格を有しているのだ。
 元の世界にいたときの俺は、そんな奴ではなかった。
 記憶をなくしているとはいえ、違う人物に転生したのだ。その記憶の断片が昨今、俺の性格に変化を生じさせているのを感じる。

 俺は先に帰ってしまったマリアを追いかけるため、瞬間移動を駆使して上空から寮の前まで先回りした。

 マリア・アーガネット。
 俺が進級まで保護すると決めた四人のうちの一人だ。無論、ティアナもその対象である。
 残る二人は……俺が保護する必要もないと判断した。アイツらは放っておいても大丈夫だろう。

 学園寮のエントランス脇にある花壇に座る事五分。赤髪の少女が視界に入った。
 向こうもこちらの存在に気付いたようだ。眉がキリッと上がり、しかめっ面となった。
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