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第三十五話 エルウィン号北上す
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悠久なる大河アルターテ川の流量は、一般河川のそれを遥かに凌駕する莫大なものであった。
それ故、毎年の雨季による河川の氾濫規模もまた大変なものであり、周辺地域に絶大な恩恵をもたらしていた。
なぜならば河川の氾濫により上流域の、栄養分をたっぷりと含んだ肥沃な土壌が下流域に運ばれ、毎年農地を新たに覆うために、必然的に農業が栄えたからであった。
故に、メリッサ大陸における原初の文明は、このアルターテ川下流域で始まったと考えられている。
だがそれ故に、古来よりこの肥沃な土地をめぐって様々な勢力が相争い、膨大な量の血がこの地に流れた。
だがそれも、その血が乾かぬうちにまた新たなる氾濫により、綺麗にその血を洗い流したものであった。
そして今また大地が新たなる血を欲するがごとく、戦乱の兆しがこの肥沃なる大地に現れていた。
ヴァレンティン共和国きっての俊英ロンバルド・シュナイダー審議官は、その戦乱を未然に防ごうと悠久の大河の流れに逆らい、紛争地エスタへと急ぎ北上していた。
「どうやら緒戦の混乱は収まり、現在は膠着状態が続いているようです」
ロンバルドに付き従う有能なる副官、ヘルムート・シェスター参事官は船室内に入るや否や、机上に広げた地図を厳しい眼差しで睨みつけている上官に、そう報告した。
ロンバルドたちが乗る高速船エルウィン号にその報をもたらしたのは、懸案の地エスタに駐在する監視員が放った連絡船であった。
その連絡船はエルウィン号と同型の高速船で、エスタより属州エルムールに向けて急ぎ南下する途中で、北上するエルウィン号と遭遇した。
すれ違う両船はお互いを視認すると出来る限り近づき、すれ違いざまに連絡船側が報告書を結わいつけた矢を放ち、エルウィン号側が、設置した的に突き刺さった矢を受け取るという、非常に乱暴なものであった。
無論、お互いの視認時に入念に同胞であることを確認し、かつ事前に決めてある合言葉を言い合うことでさらなる同胞確認の補強としているとはいえ、やはりこれは大変粗雑な方法であるとのそしりをまぬかれないものと言えた。
だが彼らには、一刻を争う緊急事態なのだという認識があった。
そのため、彼らはやむなくこの緊急時においてのみ使われる方法を取らざるを得なかったのであり、このことこそが、事の重大さを否が応にも物語っているといえた。
「ではエスタは既に、ローエングリンが占拠しているのだな?」
アルターテ川中流域にある中洲地帯エスタは、元々はローエングリン教皇国とレイダム連合王国という両大国の国境係争地として中立地帯であったのだが、今回の紛争の緒戦において勝利したローエングリン教皇国が完全に占拠してしまったというのが、今回もたらされた報の最も重要な部分であった。
「エスタは、ローエングリンの兵で埋め尽くされているとのことです」
シェスターの報告は最悪というわけではなかったが、決して良いといえるものでもなかった。
なぜならば一度獲得した領土というものは、たとえその国がどのような政体を持つ国であれ、その国家の背骨を貫く本能として、なにがあろうと決して手放そうとはしないものだからだ。
つまりエスタは、既にローエングリンが獲得した新たなる領土となってしまったのであり、かつての中立地の状態に戻すことは、もはや至難の業であるといえた。
しかし、レイダム連合王国側からしてみれば、この状態は到底容認できるものではない。
故に、紛争を出来るだけ小規模に収めたいロンバルドたちにしてみれば、どこを落とし所として双方の矛を収めさせるかという妥協点を見極めることが、もはや大変困難なものとなっていた。
「エスタの監視団本部は、今どのような状態なのか……」
今からおよそ五十年程前に起こったローエングリンとレイダム両国間の大戦時、両国講和の仲介をした周辺七カ国は、両国南部の国境線をアルターテ川と定めた。
しかしその際、アルターテ川中流域の中洲地帯エスタをどちらの領土とするかでローエングリンとレイダム両国の代表間で紛糾したため、周辺七カ国の代表団はかの地を中立地帯とした。
そしてかの地には周辺七カ国の監視員が駐留する監視団本部を設置し、その後五十年の永きに渡り、かの地に平和をもたらしていた。
「まあ、おそらくローエングリンの兵士たちに取り囲まれているのでしょうが、連絡船が随時南下しているわけですから、自由は保障されているのでしょう。もちろん手出しされる心配はありませんね」
「当然だ。そんなことをローエングリンがしようものなら、周辺七カ国を敵に回すことになる。一国一国は小さいが、レイダムと併せた総戦力は相当なものだ。さらにその他の周辺諸国だって、駐留監視団に手を出すような国は信義にもとると参戦してくるだろう。その中にもう一つの大国、ダロス王国が加われば、いかに世界最強国家であるローエングリン教皇国といえども、ひとたまりもあるまい。そのような愚かな選択を彼の国がするとは到底思えんな」
「そうですね。監視団の敷地内ほど安全な場所は、今のエスタにはないでしょうね」
「確か、監視団の敷地内に港があるんだったか?」
「ええ、ありますね。中洲の最南端、二つに分かれたアルターテ川が再び合流する地が、監視団の所在地になります。ですので連絡船を最も早く港から出せるのは、本部というわけです」
「こういう場合を想定して、最南端に本部と港を同敷地内に設置しておいたというわけか」
「さすがはゲルハルト・シュナイダー閣下ですな。五十年前の大戦終結時に本部をエスタ最南端に設置するようになされたのは、審議官の曽祖父にあたられるゲルハルト・シュナイダー首相閣下のご判断だったそうですよ」
「へえ、そうかい」
ロンバルドはさもつまらなそうに、ふんと鼻息を一つ鳴らして言った。
その様を見たシェスターは、とても意地悪げに、にやにやとした笑いを浮かべた。
「随分とつれない返事ですね。さしもの審議官も、高名なるシュナイダー家の現当主としての重圧に苦しんでおられるので?」
ロンバルドは、シェスターの質問を明らかにはぐらかす。
「それにしてもローエングリンの連中、やることが汚い。レイダムのサイラス王が薨去されたことを察知してのことだろうが、やり口がどうも俺は好かん」
シェスターは、ロンバルドのはぐらかし方があまりにも幼稚だったため、思わず噴き出しそうになったが、なんとか堪えた。
そしてシェスターにとってロンバルドの幼稚さはとても好ましく思えたため、それ以上追及することを止めた。
「サイラス王亡き後、後継者が定まらぬのを見て取っての侵攻でしょうからね。まあ、常套手段と言ってしまえばその通りですが、少々やり口にあくどさを感じてしまいますね」
「だが、どうやらローエングリンにも君くらい頭の切れる奴がいると見えるな。サイラス王薨去を、なぜその者は知り得たのか。またそれを知ってから侵攻するまでの速度の速さときたらどうだ。そもそも君がサイラス王薨去を推測しえたのは、王の為と思われる弔いの花を買い付けにレイダムの船がエルムールに入港したからだったよな?」
「九月九日の夜のことです」
「だがローエングリンがエスタに侵攻したのは、それよりも半日以上も早い九月九日の未明のことだ」
「おそらく、サイラス王が薨去されたのは九月七日の朝方でしょうね。そして弔いの花を買い付ける船がその日の昼には出港し、エルムール到着が二日半後の九月九日の晩だった、ということだと思われます」
「ところがローエングリンによる侵攻は、サイラス王薨去のわずか二日後だ。たったの二日後に大規模に軍を動かし、エスタを瞬く間に占拠したのだぞ。これは異常といっていい速度だ」
「つまり審議官は、サイラス王の薨去は王の地位を伺う後継候補者による暗殺ではなく、ローエングリンの手の者による暗殺だと?」
「もしくは、後継候補者の誰かをローエングリンの者がそそのかしたか、ではないかと思っている」
「なるほど。それならば暗殺成功と同時に使者がローエングリンに向かい、すでに出撃準備を整えていたアルターテ川西岸に配備されている軍によって、わずか二日後にエスタへ侵攻することは時間的に可能になりますね」
「どうやらこの侵攻は突発的なものではなく、暗殺を含めて事前に全て仕組まれていたと考えるのが正しいようだ」
ロンバルドはシェスターと顔を見合わせた後、おもむろに視線を落として机上に広がるエスタを中心とした地図を再び睨みつけた。
ヴァレンティン共和国が誇る高速船エルウィン号は、いまだ紛争地エスタより時間にしてまだ一日の距離があった。
それ故、毎年の雨季による河川の氾濫規模もまた大変なものであり、周辺地域に絶大な恩恵をもたらしていた。
なぜならば河川の氾濫により上流域の、栄養分をたっぷりと含んだ肥沃な土壌が下流域に運ばれ、毎年農地を新たに覆うために、必然的に農業が栄えたからであった。
故に、メリッサ大陸における原初の文明は、このアルターテ川下流域で始まったと考えられている。
だがそれ故に、古来よりこの肥沃な土地をめぐって様々な勢力が相争い、膨大な量の血がこの地に流れた。
だがそれも、その血が乾かぬうちにまた新たなる氾濫により、綺麗にその血を洗い流したものであった。
そして今また大地が新たなる血を欲するがごとく、戦乱の兆しがこの肥沃なる大地に現れていた。
ヴァレンティン共和国きっての俊英ロンバルド・シュナイダー審議官は、その戦乱を未然に防ごうと悠久の大河の流れに逆らい、紛争地エスタへと急ぎ北上していた。
「どうやら緒戦の混乱は収まり、現在は膠着状態が続いているようです」
ロンバルドに付き従う有能なる副官、ヘルムート・シェスター参事官は船室内に入るや否や、机上に広げた地図を厳しい眼差しで睨みつけている上官に、そう報告した。
ロンバルドたちが乗る高速船エルウィン号にその報をもたらしたのは、懸案の地エスタに駐在する監視員が放った連絡船であった。
その連絡船はエルウィン号と同型の高速船で、エスタより属州エルムールに向けて急ぎ南下する途中で、北上するエルウィン号と遭遇した。
すれ違う両船はお互いを視認すると出来る限り近づき、すれ違いざまに連絡船側が報告書を結わいつけた矢を放ち、エルウィン号側が、設置した的に突き刺さった矢を受け取るという、非常に乱暴なものであった。
無論、お互いの視認時に入念に同胞であることを確認し、かつ事前に決めてある合言葉を言い合うことでさらなる同胞確認の補強としているとはいえ、やはりこれは大変粗雑な方法であるとのそしりをまぬかれないものと言えた。
だが彼らには、一刻を争う緊急事態なのだという認識があった。
そのため、彼らはやむなくこの緊急時においてのみ使われる方法を取らざるを得なかったのであり、このことこそが、事の重大さを否が応にも物語っているといえた。
「ではエスタは既に、ローエングリンが占拠しているのだな?」
アルターテ川中流域にある中洲地帯エスタは、元々はローエングリン教皇国とレイダム連合王国という両大国の国境係争地として中立地帯であったのだが、今回の紛争の緒戦において勝利したローエングリン教皇国が完全に占拠してしまったというのが、今回もたらされた報の最も重要な部分であった。
「エスタは、ローエングリンの兵で埋め尽くされているとのことです」
シェスターの報告は最悪というわけではなかったが、決して良いといえるものでもなかった。
なぜならば一度獲得した領土というものは、たとえその国がどのような政体を持つ国であれ、その国家の背骨を貫く本能として、なにがあろうと決して手放そうとはしないものだからだ。
つまりエスタは、既にローエングリンが獲得した新たなる領土となってしまったのであり、かつての中立地の状態に戻すことは、もはや至難の業であるといえた。
しかし、レイダム連合王国側からしてみれば、この状態は到底容認できるものではない。
故に、紛争を出来るだけ小規模に収めたいロンバルドたちにしてみれば、どこを落とし所として双方の矛を収めさせるかという妥協点を見極めることが、もはや大変困難なものとなっていた。
「エスタの監視団本部は、今どのような状態なのか……」
今からおよそ五十年程前に起こったローエングリンとレイダム両国間の大戦時、両国講和の仲介をした周辺七カ国は、両国南部の国境線をアルターテ川と定めた。
しかしその際、アルターテ川中流域の中洲地帯エスタをどちらの領土とするかでローエングリンとレイダム両国の代表間で紛糾したため、周辺七カ国の代表団はかの地を中立地帯とした。
そしてかの地には周辺七カ国の監視員が駐留する監視団本部を設置し、その後五十年の永きに渡り、かの地に平和をもたらしていた。
「まあ、おそらくローエングリンの兵士たちに取り囲まれているのでしょうが、連絡船が随時南下しているわけですから、自由は保障されているのでしょう。もちろん手出しされる心配はありませんね」
「当然だ。そんなことをローエングリンがしようものなら、周辺七カ国を敵に回すことになる。一国一国は小さいが、レイダムと併せた総戦力は相当なものだ。さらにその他の周辺諸国だって、駐留監視団に手を出すような国は信義にもとると参戦してくるだろう。その中にもう一つの大国、ダロス王国が加われば、いかに世界最強国家であるローエングリン教皇国といえども、ひとたまりもあるまい。そのような愚かな選択を彼の国がするとは到底思えんな」
「そうですね。監視団の敷地内ほど安全な場所は、今のエスタにはないでしょうね」
「確か、監視団の敷地内に港があるんだったか?」
「ええ、ありますね。中洲の最南端、二つに分かれたアルターテ川が再び合流する地が、監視団の所在地になります。ですので連絡船を最も早く港から出せるのは、本部というわけです」
「こういう場合を想定して、最南端に本部と港を同敷地内に設置しておいたというわけか」
「さすがはゲルハルト・シュナイダー閣下ですな。五十年前の大戦終結時に本部をエスタ最南端に設置するようになされたのは、審議官の曽祖父にあたられるゲルハルト・シュナイダー首相閣下のご判断だったそうですよ」
「へえ、そうかい」
ロンバルドはさもつまらなそうに、ふんと鼻息を一つ鳴らして言った。
その様を見たシェスターは、とても意地悪げに、にやにやとした笑いを浮かべた。
「随分とつれない返事ですね。さしもの審議官も、高名なるシュナイダー家の現当主としての重圧に苦しんでおられるので?」
ロンバルドは、シェスターの質問を明らかにはぐらかす。
「それにしてもローエングリンの連中、やることが汚い。レイダムのサイラス王が薨去されたことを察知してのことだろうが、やり口がどうも俺は好かん」
シェスターは、ロンバルドのはぐらかし方があまりにも幼稚だったため、思わず噴き出しそうになったが、なんとか堪えた。
そしてシェスターにとってロンバルドの幼稚さはとても好ましく思えたため、それ以上追及することを止めた。
「サイラス王亡き後、後継者が定まらぬのを見て取っての侵攻でしょうからね。まあ、常套手段と言ってしまえばその通りですが、少々やり口にあくどさを感じてしまいますね」
「だが、どうやらローエングリンにも君くらい頭の切れる奴がいると見えるな。サイラス王薨去を、なぜその者は知り得たのか。またそれを知ってから侵攻するまでの速度の速さときたらどうだ。そもそも君がサイラス王薨去を推測しえたのは、王の為と思われる弔いの花を買い付けにレイダムの船がエルムールに入港したからだったよな?」
「九月九日の夜のことです」
「だがローエングリンがエスタに侵攻したのは、それよりも半日以上も早い九月九日の未明のことだ」
「おそらく、サイラス王が薨去されたのは九月七日の朝方でしょうね。そして弔いの花を買い付ける船がその日の昼には出港し、エルムール到着が二日半後の九月九日の晩だった、ということだと思われます」
「ところがローエングリンによる侵攻は、サイラス王薨去のわずか二日後だ。たったの二日後に大規模に軍を動かし、エスタを瞬く間に占拠したのだぞ。これは異常といっていい速度だ」
「つまり審議官は、サイラス王の薨去は王の地位を伺う後継候補者による暗殺ではなく、ローエングリンの手の者による暗殺だと?」
「もしくは、後継候補者の誰かをローエングリンの者がそそのかしたか、ではないかと思っている」
「なるほど。それならば暗殺成功と同時に使者がローエングリンに向かい、すでに出撃準備を整えていたアルターテ川西岸に配備されている軍によって、わずか二日後にエスタへ侵攻することは時間的に可能になりますね」
「どうやらこの侵攻は突発的なものではなく、暗殺を含めて事前に全て仕組まれていたと考えるのが正しいようだ」
ロンバルドはシェスターと顔を見合わせた後、おもむろに視線を落として机上に広がるエスタを中心とした地図を再び睨みつけた。
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