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【異世界召喚ですか?】その1
私は今日で25歳、そして、明日から無職が決定した。
ただ今、“うつ病キャンペーン実施中”である。
そして、先ほど会社帰りに受診した心療内科で、薬の増量キャンペーンを申し込んだばかりである。
種類が増えなかったのが救いだ。
体調も悪く、実家に泣きつく事も考えている。
しかし、専門学校まで通わせて貰って、このザマとは言いづらい・・・。
やっとのこと希望の職種に就職したが、ハードワークからのうつ病となり、元々業績の悪かった部署で働いていた派遣社員の私は、体調不良が原因で更新は無しとなった、お約束パターンである。
「死んじゃおうかな・・・」
汗の滲みたブラウス、出勤最終日と言えど取引先からのクレーム電話に、頓服を片手に対応し続け、紺色のタイトスカートは横ジワだらけになった。
退職の挨拶?花束?
斬り捨て御免の派遣社員に、そんなものはない!
忙し過ぎて会えなかった恋人とは、昨日の夜、LINEの一通で終わった。
『ごめん、君とこんな関係は続けていけない』
泣いたよ、泣いた、そりゃ泣いた!
大大大好きだった・・・主にルックスが!
別に「妻とは別れる」とかの言葉なんか要らなかったし、体目的でも良かった。
だが、これは私が全面的に悪い。
(いや、この思考が既に“病んでる”っぽい、鬱キタコレ!)
せっかくの彼のお誘いも残業三昧の毎日で、キャンセルしてばかりだった。
そうよね?
だってあの人若い子大好きだもんね?
だから童顔で背が低めの私に近づいたんだもんね?
都合良い女じゃなくなった私なんて、用済みよね?
派遣社員は軽く付き合ってポイよね?
ええ、わかってて付き合っちゃいましたよ。
だって、ルックスが超タイプだったんだもの!
カモン! イケおじ!
ビバ! ちょいワルオヤジ!
誰か紹介してぇぇぇっ!!
「はあっ~、“生き甲斐”ってなんだろうなあ?」
息をするのさえも苦痛でたまらない。
なんでこんな奈落の底掘ってる気分なのに、私は生きているんだろう?
(やっぱ、この思考の片寄り具合が“病んでる”YO!)
フラフラと特急電車がやって来る線路側に一歩・・・また一歩と近づく。
そう、このマイナー駅には特急電車は止まらない。
ドンっ!と、お尻に衝撃を感じて慌てて振り向いた。
私のお尻に顔をうずめてる幼児がいた。
(なにやっとんじゃ、このガキは?)
辺りを見渡すとおしゃべりに夢中な若いお母さんの集団がいた。
近くにはもう1人の暇を持て余している幼児が、こちらに視線を向けつつ母親と手を繋いでいた。
私のお尻に顔をうずめる1人の幼児を引きはがし、その幼児の目線に合わせて屈んだ。
「ぼうやぁ、電車が来るから危ないよぉ? ほら、お母さんのところへ戻りなさい」
幼児はつまらなそうな顔をして、とぼとぼと母親のもとに帰った。
もう1人の幼児と一言二言、何やら話している。
でも、これでひと安心と思い、姿勢を正して電車の来るホームへと向き直す。
ふふっと、私は鼻から息を出した。
「ある意味感謝かな? 少し正気にもど・・・」
ドスン!
次の尻への衝撃は、先程とは比べものにならなかった。
私はバランスを崩し、そのまま特急電車の入ってきた線路へ落ちた。
落ちてゆく私の視界には、さっきのもう1人の幼児の姿が入った。
どうやら母親の手を離し、ふざけて友達の真似をして、私の尻をド突いたのだろう。
「なんでじゃぁぁぁっつぁっ!?」
電車の警笛が激しく何度も響き渡った。
――――終わった。私の人生が・・・
両親の顔が浮かび、両眼から涙が溢れて飛び散った。
(小六での初恋の人・・・当時32歳の先生に会いたかったなぁ)
飛び散ったのは涙だけなのか、それとも・・・。
ぶわしゃーっっっ!
冷たい。
寝ぼけてプールに飛び込んだ覚えはないが、鼻から、口から水が入ったヲ!
「ぶはっ! な、なん・・・」
空気を求めて立ち上がると。
「お、足がついた?」
黒いビジネスバッグを斜めがけし、紺色のリクルートスーツを着た水浸しの私は、何やら室内の噴水の中にいるらしい。
美しい石像の女性が持った水瓶から、キラキラ光る水が絶え間なく自分の足元に流れ落ちていた。
「ご、ゴージャスだなあ・・・どこのホテルのエントランス?」
間近の噴水を見上げながら、あんぐりと口を開けたまま惚けていた私に、後ろから誰かが声を掛けた。
「あの・・・聖女様?」
「え? 聖女のコスプレ?どこにいんの? 」
(いかん、忙殺されててイベント行けてないから、夢にまでコスプレイベント願望が?)
耳に水が入った感じだったので、頭を左右に振ってから、私は視野を広げ、周囲を確認した。
水色のアーチ状の天井は高く、大理石の白い壁、御影石を敷き詰めた広い室内に、おおよそ20名ほどが自分に向かって跪いていた・・・壁際で四方の扉の警備をしている騎士(風のコスプレ?をした)数名を残して。
「な・・・なにごとヲっ!」
これは一体なんのコスイベですかね?
(最近は“小杉湯の銭湯OFF風呂会”以外、参加申し込みをした覚えがないですわ)
「ぜえはあっ・・・」と、目の前に跪く4名の老人がよろけながら、肩を揺らしていた。
「え・・・ちょっ! 大丈夫ですか?」
大変だ! 4名のヨボヨボの“Gさんズ”が、死にそうだ!
私は無我夢中で噴水から飛び出し、駆け寄った。
「血圧は大丈夫ですか? 仰向けは負担がかかるので、片腕を枕にして今すぐ横向きになって下さい! 血流が安定するまで急に立ち上がっちゃダメですよ!」
本当は足の高さを少し上げるリクライニングチェアーが欲しいところだが、無さそうなので4名のご老体(Gさんズ)を次々と横向きにして介抱した。
「済みません、そこの人! この服の作りが良く分からないので、服を緩めるのを手伝ってもらえませんか?」
私はGさんズの傍にいた、某有名ゲームに出てくるような神官服の長髪のお姉さんに助けを求めた。
「は、はい! 喜んで!」
ナイスバディの美人さん、あなたはどこの居酒屋店員ですか?
4名の介抱がひと段落したところで、息の上がってないひとりの小さめの、やはり某有名ゲームの偉そうな服を着た老人が話しかけてきた。
「さすがは聖女様! 魔力が枯渇した召喚士に次々と回復補助をして下さるとは!」
「――――は?」
どっかの森に住んでそうな、妖精の小さいオッサンっぽい。
今一度、私は周囲を見渡した。
後ろには見たこともない豪華な室内噴水、前方には跪く、中世ファンタジーな服装の人々・・・これは!
(うん、夢だ!)
「はあ、死に際にこんな夢を見ましたか・・・私・・・」
(現在、昏睡状態ならば・・・きっと上半身と下半身はさようなら状態だろうなあ)
私があの時しっかりしていれば、あの親子に心の傷を負わせずに済んだろうに・・・と、後悔せざるを得なかった。
そこまで過敏に物事を考えてしまう自分が、完全な鬱状態だと気が付き、更に落ち込んだ。
「そうだ、薬!」
私は後生大事に持ち歩いてる薬を求め、愛用のB4判(かなりでかい)バッグの中身を確認した。
「あった! ・・・よかった、夢でも、薬の存在はありがたいなぁ」
(今日も通常運転で病んでます!)
「聖女様、到着したばかりで混乱していますでしょうが、ご自身のお名前は憶えていますでしょうか?」
「え? なまえ・・・」
(名前?)
「ワタシノナマエ?」
(はて? 私は・・・誰だろう?)
ただ今、“うつ病キャンペーン実施中”である。
そして、先ほど会社帰りに受診した心療内科で、薬の増量キャンペーンを申し込んだばかりである。
種類が増えなかったのが救いだ。
体調も悪く、実家に泣きつく事も考えている。
しかし、専門学校まで通わせて貰って、このザマとは言いづらい・・・。
やっとのこと希望の職種に就職したが、ハードワークからのうつ病となり、元々業績の悪かった部署で働いていた派遣社員の私は、体調不良が原因で更新は無しとなった、お約束パターンである。
「死んじゃおうかな・・・」
汗の滲みたブラウス、出勤最終日と言えど取引先からのクレーム電話に、頓服を片手に対応し続け、紺色のタイトスカートは横ジワだらけになった。
退職の挨拶?花束?
斬り捨て御免の派遣社員に、そんなものはない!
忙し過ぎて会えなかった恋人とは、昨日の夜、LINEの一通で終わった。
『ごめん、君とこんな関係は続けていけない』
泣いたよ、泣いた、そりゃ泣いた!
大大大好きだった・・・主にルックスが!
別に「妻とは別れる」とかの言葉なんか要らなかったし、体目的でも良かった。
だが、これは私が全面的に悪い。
(いや、この思考が既に“病んでる”っぽい、鬱キタコレ!)
せっかくの彼のお誘いも残業三昧の毎日で、キャンセルしてばかりだった。
そうよね?
だってあの人若い子大好きだもんね?
だから童顔で背が低めの私に近づいたんだもんね?
都合良い女じゃなくなった私なんて、用済みよね?
派遣社員は軽く付き合ってポイよね?
ええ、わかってて付き合っちゃいましたよ。
だって、ルックスが超タイプだったんだもの!
カモン! イケおじ!
ビバ! ちょいワルオヤジ!
誰か紹介してぇぇぇっ!!
「はあっ~、“生き甲斐”ってなんだろうなあ?」
息をするのさえも苦痛でたまらない。
なんでこんな奈落の底掘ってる気分なのに、私は生きているんだろう?
(やっぱ、この思考の片寄り具合が“病んでる”YO!)
フラフラと特急電車がやって来る線路側に一歩・・・また一歩と近づく。
そう、このマイナー駅には特急電車は止まらない。
ドンっ!と、お尻に衝撃を感じて慌てて振り向いた。
私のお尻に顔をうずめてる幼児がいた。
(なにやっとんじゃ、このガキは?)
辺りを見渡すとおしゃべりに夢中な若いお母さんの集団がいた。
近くにはもう1人の暇を持て余している幼児が、こちらに視線を向けつつ母親と手を繋いでいた。
私のお尻に顔をうずめる1人の幼児を引きはがし、その幼児の目線に合わせて屈んだ。
「ぼうやぁ、電車が来るから危ないよぉ? ほら、お母さんのところへ戻りなさい」
幼児はつまらなそうな顔をして、とぼとぼと母親のもとに帰った。
もう1人の幼児と一言二言、何やら話している。
でも、これでひと安心と思い、姿勢を正して電車の来るホームへと向き直す。
ふふっと、私は鼻から息を出した。
「ある意味感謝かな? 少し正気にもど・・・」
ドスン!
次の尻への衝撃は、先程とは比べものにならなかった。
私はバランスを崩し、そのまま特急電車の入ってきた線路へ落ちた。
落ちてゆく私の視界には、さっきのもう1人の幼児の姿が入った。
どうやら母親の手を離し、ふざけて友達の真似をして、私の尻をド突いたのだろう。
「なんでじゃぁぁぁっつぁっ!?」
電車の警笛が激しく何度も響き渡った。
――――終わった。私の人生が・・・
両親の顔が浮かび、両眼から涙が溢れて飛び散った。
(小六での初恋の人・・・当時32歳の先生に会いたかったなぁ)
飛び散ったのは涙だけなのか、それとも・・・。
ぶわしゃーっっっ!
冷たい。
寝ぼけてプールに飛び込んだ覚えはないが、鼻から、口から水が入ったヲ!
「ぶはっ! な、なん・・・」
空気を求めて立ち上がると。
「お、足がついた?」
黒いビジネスバッグを斜めがけし、紺色のリクルートスーツを着た水浸しの私は、何やら室内の噴水の中にいるらしい。
美しい石像の女性が持った水瓶から、キラキラ光る水が絶え間なく自分の足元に流れ落ちていた。
「ご、ゴージャスだなあ・・・どこのホテルのエントランス?」
間近の噴水を見上げながら、あんぐりと口を開けたまま惚けていた私に、後ろから誰かが声を掛けた。
「あの・・・聖女様?」
「え? 聖女のコスプレ?どこにいんの? 」
(いかん、忙殺されててイベント行けてないから、夢にまでコスプレイベント願望が?)
耳に水が入った感じだったので、頭を左右に振ってから、私は視野を広げ、周囲を確認した。
水色のアーチ状の天井は高く、大理石の白い壁、御影石を敷き詰めた広い室内に、おおよそ20名ほどが自分に向かって跪いていた・・・壁際で四方の扉の警備をしている騎士(風のコスプレ?をした)数名を残して。
「な・・・なにごとヲっ!」
これは一体なんのコスイベですかね?
(最近は“小杉湯の銭湯OFF風呂会”以外、参加申し込みをした覚えがないですわ)
「ぜえはあっ・・・」と、目の前に跪く4名の老人がよろけながら、肩を揺らしていた。
「え・・・ちょっ! 大丈夫ですか?」
大変だ! 4名のヨボヨボの“Gさんズ”が、死にそうだ!
私は無我夢中で噴水から飛び出し、駆け寄った。
「血圧は大丈夫ですか? 仰向けは負担がかかるので、片腕を枕にして今すぐ横向きになって下さい! 血流が安定するまで急に立ち上がっちゃダメですよ!」
本当は足の高さを少し上げるリクライニングチェアーが欲しいところだが、無さそうなので4名のご老体(Gさんズ)を次々と横向きにして介抱した。
「済みません、そこの人! この服の作りが良く分からないので、服を緩めるのを手伝ってもらえませんか?」
私はGさんズの傍にいた、某有名ゲームに出てくるような神官服の長髪のお姉さんに助けを求めた。
「は、はい! 喜んで!」
ナイスバディの美人さん、あなたはどこの居酒屋店員ですか?
4名の介抱がひと段落したところで、息の上がってないひとりの小さめの、やはり某有名ゲームの偉そうな服を着た老人が話しかけてきた。
「さすがは聖女様! 魔力が枯渇した召喚士に次々と回復補助をして下さるとは!」
「――――は?」
どっかの森に住んでそうな、妖精の小さいオッサンっぽい。
今一度、私は周囲を見渡した。
後ろには見たこともない豪華な室内噴水、前方には跪く、中世ファンタジーな服装の人々・・・これは!
(うん、夢だ!)
「はあ、死に際にこんな夢を見ましたか・・・私・・・」
(現在、昏睡状態ならば・・・きっと上半身と下半身はさようなら状態だろうなあ)
私があの時しっかりしていれば、あの親子に心の傷を負わせずに済んだろうに・・・と、後悔せざるを得なかった。
そこまで過敏に物事を考えてしまう自分が、完全な鬱状態だと気が付き、更に落ち込んだ。
「そうだ、薬!」
私は後生大事に持ち歩いてる薬を求め、愛用のB4判(かなりでかい)バッグの中身を確認した。
「あった! ・・・よかった、夢でも、薬の存在はありがたいなぁ」
(今日も通常運転で病んでます!)
「聖女様、到着したばかりで混乱していますでしょうが、ご自身のお名前は憶えていますでしょうか?」
「え? なまえ・・・」
(名前?)
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