2 / 71
【異世界召喚ですか?】その2
しおりを挟む
「ああ、やはりそうですか・・・」
「え? やはりってどういう意味ですか?」
「いえ・・・ね? 異世界から召喚された者は、元の世界に自分を示す名前を置いてきてしまうそうです」
ぷつり・・と、私の中で何かが切れた。
「ヲぉい待てやぁ? あん? 異世界から召喚? あんたら何したんだあ?」
びくり、と、ミニマムサイズのGさんは答えた。
「いや・・・あのう・・・こちらの星を巡る“生命の水”が枯渇しまして・・・ね? 異世界からそのぅ、生命の水を循環させる“特殊能力”と“希なる才”を持つ聖女様をですね・・・お取り寄せ? した感じでしてね?」
「はあぁぁぁん? 何やらかしてんだぁ・・・それともソレは上司命令かぁあん?」
(いかん、夢の中でも仕事に気を使ってる!)
気が付いた時には、小さいGさんの襟首を締め上げていた。
「す・・・すみません! 本当にすみません! この国は正直、弱小国家でして! 6つの国を統括している、皇帝陛下のご命令でして! 我が国の陛下もそれに逆らえず、国内東領地担当の宰相のワシが新月の今宵に命を懸けて、召喚術を発動しましたっ!! 申し訳ございません! 聖女様の向こう側の転生を奪う結果となったのは、重々承知しておりますぅ!!」
はっと、私はその手を放し、小さなGさんは床に崩れ落ちた。
「宰相様!」
「マテオ様! ご無事ですか!」
(あ~アレだ、確か宰相って国王の命令で逆らう貴族を武力モロモロで黙らせるエライ人だ。大臣の代表? みたいな?)
ちっこいGさんに駆け寄ってくる若者を、冷めた眼で私は眺めながら、さっきまで光を放っていた不思議な噴水に振り向いた。
濡れていたはずの服が、乾いていた事に気が付き、試しに手を噴水の水に触れさせてみた。
流れゆく澄んだ水は輝き始め、金色の光を放ち始めた。
手を離すと、すうっとその光は消え去り、どう見ても普通の水に見えた。
だが、手は一向に濡れていない。
死んだはずの私が、五体満足でこの噴水から出て来た?
おかしい。
見える・聞こえる・声が出る・・・身体に重力を感じ、頬に風を感じる。
本当にこれは夢だろうか?
けれど、私が聖女設定の夢なら、今頭に浮かんだ事が出来るはずだ。
なんとなく・・・だが、私はその不思議な水を両手で掬い、腰を抜かしている小さなGさんの両膝に少しずつ均等にかけた。
かすかな光が、ちっこいGさんの両膝に滲み込んでいくのが見えた。
「ご・・・ごめんなさい・・・私が急に手を放したから、膝を打ってしまいましたよね?」
二人の若者に支えられながら、そのちっこいGさんは膝をさすりながら立ち上がった。
「痛く・・・ない!」
(どうか傷害罪で訴えられませんように!)
『おおおっ!』
部屋中が騒めくが、四方の扉の前の警備をしている(ような?)騎士コスプレの人は微動だにしない。
(プロだ! きっと会場警備の人が騎士のコスプレをしているんだ・・・て、コレ夢だよね?)
その騎士の中に、ひと際私の眼を引く人物がいた。
(はて? どっかで? ・・・いや、似てる。色的にちょっと違うけど、知り合いに似てる人がいる!)
そう、あれは――――。
「では、聖女様・・・この世界でのあなたに仕える世話係をこの4名の中から選んでください」
「世話係?」
「はい。どんな時もあなたのお傍にいて、支える存在となりましょう」
私はさっきの警備のプロの方に視線を戻そうとしたが・・・それを遮る男性達が私の前に立ちはだかった。
(ちっ! 邪魔だよ、見えないよ!)
そんな私をスルーして、アイドルグループみたいな4人組が何故か自己紹介を始めた。
エントリーナンバーいちばん!
「マクシムと申します。身長179センチ、年齢21歳、趣味は音楽です。聖女様に退屈させないように努力させて頂きます」
(ちょ・・・眩しいよ! なにこの美形は!)
ふんわりと天使のような笑顔、王道の甘いマスクの金髪碧眼の青年・・・て、このタイプは将来太ると悲惨なのだ。
エントリーナンバーにばーん!
「ナトンって言います!身長158センチ、年齢16歳、趣味は・・・投げナイフ? 友達からはお笑い担当って言われてます」
くるんとした茶髪に、黄緑色の瞳をキラキラさせ、半ズボンが似合う・・・私は“ショタ派”ではない。“イケおじ派”だ!
(・・・っていうか、投げナイフが趣味って物騒だな)
このタイプは老けると需要がなくて苦労するのだ。
エントリーナンバーさんばん!
「・・・ルベンでございます。身長183センチ、年齢25歳、趣味は薬草学と魔術、あなたに私の知識を捧げましょう」
長く美しい黒髪、赤い宝石のような瞳、超絶美形! ・・・ですが、このタイプの現実的観点に於いて、しょうもないポイントは熟知している。
エントリーナンバーよんばん! よかった、やっと終わる。
「イスマエルと申します。身長は185センチ、年齢23歳、趣味は読書と酒・・・聖女様の補佐をさせて頂ければ光栄です」
上品な灰色の髪をオールバックに決めて、黒縁メガネの奥には南国の海のような深く青い瞳があった。
他の三人よりもルックスは地味だけど、十年後が楽しみな逸材だな!
小さいGさんが最後に前に出てきて、私に言った。
「さ、みな家柄も才能も申し分ない者達です。この中から一人“世話係”を選んで下さい。そして、あなたのこの世界での新しい名を決めて下され」
「あの人じゃダメですか?」
私は最初に眼を付けた騎士を掌でそっと示した。
ざわり、と、部屋中が緊張した空気を醸し出した。
(いいじゃん、言うだけならタダでしょうが?)
本人も眉間に皺を寄せて、困惑しているようだ。
「え~と、いけません! あの者は騎士ですので、世話係の教育は受けていません」
「でもぅ・・・」
「絶対ダメです! あの騎士には資格が・・・」
「聖女様、発言をお許し下さい」
オールバックのメガネキャラがなんか言ってる。
イケメンボイスの小さな声で、周りに聞こえないように私にそっと耳打ちしたのだ。
「チャンスはあります。世話係は途中交代可能ですから・・・」
(ぐほっ! やるなインテリキャラ! あんたの将来がおねーさん楽しみだよ!)
「イスマエル! 抜け駆けはずるいぞ!」
マクシムと名乗っていた金髪の凄い美形のおにーちゃんがなんか言ってる。
でも、今は夢なんだから最短距離を狙おう。
「世話係は途中交代可能なんですよね?」
ちっこいGさんに念の為、確認しておく。
「あ・・・いや・・・はい、やむを得ない場合は可能です」
(よしゃ! 言質とったぜ! 覚悟はいいな? そこのインテリっぽいメガネ!)
「では、イスマエル様を世話係にお願いします。かなりの覚悟があってのご意見でしたので」
イスマエルはふっと、目を伏せる。
(この人、何者なんだろうか?)
「では、“名呼び”を――――」
「名呼びって?」
「この世界での聖女様のお名前を、決めた世話係に呼んでもらうのです」
「は? この世界って・・・」
もう、何が何だかわからないが・・・私は、はた、と気が付き、床に放っていた鞄を開け、大慌てで財布を開いた。
「めめめめ、免許証ぉ! 私の名前!」
私の証明写真がぼやけ始め、印刷された氏名欄が薄くなっていくのが分かった。
「ダメ! 消えないで! 私はココにいるの! お願い!」
(呼んで! 誰か! 私の名前を――――)
部屋中を見渡し、跪くファンタジーな服装の人達と――――。
四方の大きな扉の前に立つ、4人の騎士達がいた。
私は思わず、その中の一人に駆け寄った。
「お願い! 私を認識して! そして、私の名前を・・・どうか私の名前を呼んで・・・」
元はきっと色白であったろう、日焼けした肌、短い煤けた金髪、刻まれた眉間の皺と、夕刻の深い青空色の瞳の横に、僅かな笑い皺のあと・・・鍛えられた無駄のない筋肉・・・。
ああ、この人だと思った。
「な、なんとお呼びすれば・・・」
「“ヒロコ”と、呼んで・・・先生ぃ」
「ヒロコ・・・大丈夫かい?」
(優しい、優しい・・・低く、甘く響くあなたの声・・・私はずっと・・・)
意識が遠退きそうだったが・・・それが私の全てを奪う現象だと察した。
全身の力が抜け、崩れゆく私の体を彼は支えてくれた。
その彼の両腕を、私は掴み返す。
私は目を見開き、頭に浮かんだ言葉を口にした。
「私は逆らう! “この星の意思”の全てに・・・この星が滅びの運命を迎えようとしていても、私が今この世界を見つめている限り・・・この星の命を繋げましょう! 私の全てと引き換えに!」
私は・・・鬱になんか負けない・・・いいえ、それと混じって感覚を薄められればいいんだ。
水だけの入った水槽に垂らされた一滴の墨汁をイメージした。
これが、世に言うテンプレ召喚ならば・・・私が呼ばれたこの感覚は、この星の意志は・・・私と同じかも知れない。
と、思いながらも、逞しいイケおじの腕にしがみつく私であった。
「え? やはりってどういう意味ですか?」
「いえ・・・ね? 異世界から召喚された者は、元の世界に自分を示す名前を置いてきてしまうそうです」
ぷつり・・と、私の中で何かが切れた。
「ヲぉい待てやぁ? あん? 異世界から召喚? あんたら何したんだあ?」
びくり、と、ミニマムサイズのGさんは答えた。
「いや・・・あのう・・・こちらの星を巡る“生命の水”が枯渇しまして・・・ね? 異世界からそのぅ、生命の水を循環させる“特殊能力”と“希なる才”を持つ聖女様をですね・・・お取り寄せ? した感じでしてね?」
「はあぁぁぁん? 何やらかしてんだぁ・・・それともソレは上司命令かぁあん?」
(いかん、夢の中でも仕事に気を使ってる!)
気が付いた時には、小さいGさんの襟首を締め上げていた。
「す・・・すみません! 本当にすみません! この国は正直、弱小国家でして! 6つの国を統括している、皇帝陛下のご命令でして! 我が国の陛下もそれに逆らえず、国内東領地担当の宰相のワシが新月の今宵に命を懸けて、召喚術を発動しましたっ!! 申し訳ございません! 聖女様の向こう側の転生を奪う結果となったのは、重々承知しておりますぅ!!」
はっと、私はその手を放し、小さなGさんは床に崩れ落ちた。
「宰相様!」
「マテオ様! ご無事ですか!」
(あ~アレだ、確か宰相って国王の命令で逆らう貴族を武力モロモロで黙らせるエライ人だ。大臣の代表? みたいな?)
ちっこいGさんに駆け寄ってくる若者を、冷めた眼で私は眺めながら、さっきまで光を放っていた不思議な噴水に振り向いた。
濡れていたはずの服が、乾いていた事に気が付き、試しに手を噴水の水に触れさせてみた。
流れゆく澄んだ水は輝き始め、金色の光を放ち始めた。
手を離すと、すうっとその光は消え去り、どう見ても普通の水に見えた。
だが、手は一向に濡れていない。
死んだはずの私が、五体満足でこの噴水から出て来た?
おかしい。
見える・聞こえる・声が出る・・・身体に重力を感じ、頬に風を感じる。
本当にこれは夢だろうか?
けれど、私が聖女設定の夢なら、今頭に浮かんだ事が出来るはずだ。
なんとなく・・・だが、私はその不思議な水を両手で掬い、腰を抜かしている小さなGさんの両膝に少しずつ均等にかけた。
かすかな光が、ちっこいGさんの両膝に滲み込んでいくのが見えた。
「ご・・・ごめんなさい・・・私が急に手を放したから、膝を打ってしまいましたよね?」
二人の若者に支えられながら、そのちっこいGさんは膝をさすりながら立ち上がった。
「痛く・・・ない!」
(どうか傷害罪で訴えられませんように!)
『おおおっ!』
部屋中が騒めくが、四方の扉の前の警備をしている(ような?)騎士コスプレの人は微動だにしない。
(プロだ! きっと会場警備の人が騎士のコスプレをしているんだ・・・て、コレ夢だよね?)
その騎士の中に、ひと際私の眼を引く人物がいた。
(はて? どっかで? ・・・いや、似てる。色的にちょっと違うけど、知り合いに似てる人がいる!)
そう、あれは――――。
「では、聖女様・・・この世界でのあなたに仕える世話係をこの4名の中から選んでください」
「世話係?」
「はい。どんな時もあなたのお傍にいて、支える存在となりましょう」
私はさっきの警備のプロの方に視線を戻そうとしたが・・・それを遮る男性達が私の前に立ちはだかった。
(ちっ! 邪魔だよ、見えないよ!)
そんな私をスルーして、アイドルグループみたいな4人組が何故か自己紹介を始めた。
エントリーナンバーいちばん!
「マクシムと申します。身長179センチ、年齢21歳、趣味は音楽です。聖女様に退屈させないように努力させて頂きます」
(ちょ・・・眩しいよ! なにこの美形は!)
ふんわりと天使のような笑顔、王道の甘いマスクの金髪碧眼の青年・・・て、このタイプは将来太ると悲惨なのだ。
エントリーナンバーにばーん!
「ナトンって言います!身長158センチ、年齢16歳、趣味は・・・投げナイフ? 友達からはお笑い担当って言われてます」
くるんとした茶髪に、黄緑色の瞳をキラキラさせ、半ズボンが似合う・・・私は“ショタ派”ではない。“イケおじ派”だ!
(・・・っていうか、投げナイフが趣味って物騒だな)
このタイプは老けると需要がなくて苦労するのだ。
エントリーナンバーさんばん!
「・・・ルベンでございます。身長183センチ、年齢25歳、趣味は薬草学と魔術、あなたに私の知識を捧げましょう」
長く美しい黒髪、赤い宝石のような瞳、超絶美形! ・・・ですが、このタイプの現実的観点に於いて、しょうもないポイントは熟知している。
エントリーナンバーよんばん! よかった、やっと終わる。
「イスマエルと申します。身長は185センチ、年齢23歳、趣味は読書と酒・・・聖女様の補佐をさせて頂ければ光栄です」
上品な灰色の髪をオールバックに決めて、黒縁メガネの奥には南国の海のような深く青い瞳があった。
他の三人よりもルックスは地味だけど、十年後が楽しみな逸材だな!
小さいGさんが最後に前に出てきて、私に言った。
「さ、みな家柄も才能も申し分ない者達です。この中から一人“世話係”を選んで下さい。そして、あなたのこの世界での新しい名を決めて下され」
「あの人じゃダメですか?」
私は最初に眼を付けた騎士を掌でそっと示した。
ざわり、と、部屋中が緊張した空気を醸し出した。
(いいじゃん、言うだけならタダでしょうが?)
本人も眉間に皺を寄せて、困惑しているようだ。
「え~と、いけません! あの者は騎士ですので、世話係の教育は受けていません」
「でもぅ・・・」
「絶対ダメです! あの騎士には資格が・・・」
「聖女様、発言をお許し下さい」
オールバックのメガネキャラがなんか言ってる。
イケメンボイスの小さな声で、周りに聞こえないように私にそっと耳打ちしたのだ。
「チャンスはあります。世話係は途中交代可能ですから・・・」
(ぐほっ! やるなインテリキャラ! あんたの将来がおねーさん楽しみだよ!)
「イスマエル! 抜け駆けはずるいぞ!」
マクシムと名乗っていた金髪の凄い美形のおにーちゃんがなんか言ってる。
でも、今は夢なんだから最短距離を狙おう。
「世話係は途中交代可能なんですよね?」
ちっこいGさんに念の為、確認しておく。
「あ・・・いや・・・はい、やむを得ない場合は可能です」
(よしゃ! 言質とったぜ! 覚悟はいいな? そこのインテリっぽいメガネ!)
「では、イスマエル様を世話係にお願いします。かなりの覚悟があってのご意見でしたので」
イスマエルはふっと、目を伏せる。
(この人、何者なんだろうか?)
「では、“名呼び”を――――」
「名呼びって?」
「この世界での聖女様のお名前を、決めた世話係に呼んでもらうのです」
「は? この世界って・・・」
もう、何が何だかわからないが・・・私は、はた、と気が付き、床に放っていた鞄を開け、大慌てで財布を開いた。
「めめめめ、免許証ぉ! 私の名前!」
私の証明写真がぼやけ始め、印刷された氏名欄が薄くなっていくのが分かった。
「ダメ! 消えないで! 私はココにいるの! お願い!」
(呼んで! 誰か! 私の名前を――――)
部屋中を見渡し、跪くファンタジーな服装の人達と――――。
四方の大きな扉の前に立つ、4人の騎士達がいた。
私は思わず、その中の一人に駆け寄った。
「お願い! 私を認識して! そして、私の名前を・・・どうか私の名前を呼んで・・・」
元はきっと色白であったろう、日焼けした肌、短い煤けた金髪、刻まれた眉間の皺と、夕刻の深い青空色の瞳の横に、僅かな笑い皺のあと・・・鍛えられた無駄のない筋肉・・・。
ああ、この人だと思った。
「な、なんとお呼びすれば・・・」
「“ヒロコ”と、呼んで・・・先生ぃ」
「ヒロコ・・・大丈夫かい?」
(優しい、優しい・・・低く、甘く響くあなたの声・・・私はずっと・・・)
意識が遠退きそうだったが・・・それが私の全てを奪う現象だと察した。
全身の力が抜け、崩れゆく私の体を彼は支えてくれた。
その彼の両腕を、私は掴み返す。
私は目を見開き、頭に浮かんだ言葉を口にした。
「私は逆らう! “この星の意思”の全てに・・・この星が滅びの運命を迎えようとしていても、私が今この世界を見つめている限り・・・この星の命を繋げましょう! 私の全てと引き換えに!」
私は・・・鬱になんか負けない・・・いいえ、それと混じって感覚を薄められればいいんだ。
水だけの入った水槽に垂らされた一滴の墨汁をイメージした。
これが、世に言うテンプレ召喚ならば・・・私が呼ばれたこの感覚は、この星の意志は・・・私と同じかも知れない。
と、思いながらも、逞しいイケおじの腕にしがみつく私であった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?
玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。
ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。
これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。
そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ!
そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――?
おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!?
※小説家になろう・カクヨムにも掲載
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる