15 / 71
【聖女の育成って何ですか?】その6
私はルベンに聖女ノエミへの手紙を託した後、一週間ゆったり過ごした。
聖女の勉強を午前中に済ました後、いつものリハビリ散歩に出掛けた。
今日は月石の塔の美少女の赤毛ちゃんの姿は見えなかったが、マテオGの温室にはルベンが噴水の前で仁王立ちしていた。
私は面倒臭いので、Uターンしてバラ園に向かおうとした。
「待てい!」
「あら? ルベン様、いらしたのですか? 気が付きませんでした」
「嘘をつけ・・・今、ワザと気が付かないフリをしただろう?」
「さあ?」
にっこりと上品な笑顔で、首を傾げて見せた。
「・・・・・・・・・」
おうふっ! 魔王ルベン様がじっとりと疑いの眼で私を睨んでおられる・・・。
しかし、この初夏に暑苦しい長髪野郎だな。
「ミリアン・・・報酬は何が欲しい?」
「ほう・・・しゅう?」
私は再び反対側にコテンと首を傾げる。
「さすがはヒロコ様が選んだ侍女候補だ・・・どんな魔法を使ったのだ?」
「魔法?」
そして再び私は首を傾げる。
「ノエミ様が、正気を取り戻し始めたのだ」
「しょ・・・正気って・・・そんなにひどかったんですか?」
「こちらへ」
魔王ルックスのルベンが、温室の奥の開けた場所に、テーブルとお茶菓子セットを準備していた。
(ふおっ! 超おしゃれ・・・何これ、アフタヌーンティーセット?)
何故かそこには侍女のクレーが控えていた。
「クレー先輩、何故ここに?」
クレーは静かに笑顔をこぼし、私に優しく語った。
「ミリアン、今日はあなたがおもてなしの主役よ? さあ、座って」
「え・・・でも・・・」
「ルベン様はあなたが怯えないようにと、私をご指名されたの」
あ、そういう気遣いをしてくれたんだ魔王・・・て、私の中で何故かルベンの魔王呼びが定着してしまいそうだ。
これはいかんいかん、直さねば!
うっかり心の声が漏れたら一大事だよ!
「では、お言葉に甘えて、座ってもよろしいでしょうか?」
「どうぞ、ノエミ様の心の恩人、ミリアン」
静々と白いテーブルセットの椅子に座り、その向かい側にルベンが座った。
クレーが香りの良いジャスミンティーを淹れてくれたので、それを口にしてお互いにほっと一息ついた。
「ノエミ様のご体調はその後いかがでしょうか?」
「体調というよりは、精神面で参ってしまっているようで、こちらに来てから私の事を“マティアス”、マクシムの事を“アレクシ”、ナトンの事を“リュカ”と言って・・・会話が成立しなかったのだ」
「・・・ノエミ様にはお会いした事はありませんが、見た目よりとても幼い方なのでしょう。きっと異世界召喚のショックで、夢と現実の境目が曖昧になってしまっているようですね」
「その通りだ! そなたからのあのメッセージを半信半疑で渡したら、何故か私達をきちんと認識し始めたのだ・・・一体どんな魔法を使ったのだ?」
「あれは、ノエミ様の故郷の言葉です。ヒロコ様から教えて頂きました」
「そうなのか! だからノエミ様が元気になられて・・・」
チロリと私が横目でクレーを見ると、表情はポーカーフェイスを気取っているが、口の端と腹筋がピクピクとしている。
相当笑いをガマンしているようだ。
(スマヌ・・・クレーさん、こんな茶番に付き合わせてしまって!)
「あの・・・つかぬ事をお伺いしますが、ノエミ様は聖女としてこちらの一般常識の勉強はどれぐらいお進みですか? ヒロコ様はお体が弱く、少しずつしか進められていない状況なのですが」
ティーカップを持つルベンの指が、ピクリとだけ反応した。
どうやら答えたくないぐらい、西の聖女の育成は進んでいないらしい。
「そうですか、確かにヒロコ様はノエミ様に比べてお体も小さいですし、来たばかりに召喚士を介抱し・・・倒れられて三日以上床に臥っていたとお聞きしました」
(ウツ症状が出ちゃって、脱力して起き上がれなかったんですよ~)
「・・・はい、でも、毎日1ミリずつ進んでいますからきっと大丈夫ですよ」
「は? 1ミリ? 一歩ずつではなく?」
「あ、ヒロコ様は一歩進む前に倒れますから、1ミリずつ頑張ってもらってます」
「1ミリ」
「それでも1年間は520日ですから、1年後には確実に520ミリは進めます!」
「520ミリ」
「欲張って無理して進むと・・・倒れて休養が多く必要になってしまいますもの」
「いい事言った!」と自負しながら、美味しいマカロンをバクバク食べていた。
もうひとつ・・・と、マカロンに手を伸ばそうとしたら、クレーに「ペチッ」と、右手を叩かれた。
彼女の顔を見ると「食べすぎ!」と、書いてある様だった。
「本当は、今日ここへお連れしたかったのですが、どうもフラフラとして危なっかしてくて・・・」
「うん、その症状だと・・・まだ私とは会わない方がいいかもしれませんね。まだ、夢と現実の境目が不安定・・・」
クレーが睨んでいるので、これ以上マカロンのおかわりは無理だとあきらめた。
私は高級ジャスミン茶をひたすら啜る。
「もしかして、ノエミ様って夜はあまり眠れていないんじゃないですか?」
「そう言えば・・・昼寝はちょくちょくしてますが・・・」
「夜は不安で寂しくて眠れてないのかも」
「不安? 寂しい? なぜ・・・隣室には私も警備の者も控えてますし・・・」
あちゃ~! と、私は手で目を覆った。
「ノエミ様の食欲は」
「少食です・・・ほとんど飲み物しか受け付けず、今は私が“調合の才”で栄養満点の飲み物で体力的に問題はないかと」
(な、何よそれ!)
「散歩とかは?」
「部屋に閉じ籠りっきりです」
(おい、それ・・・アカンやつ!)
「とりあえず最近は、ちゃんとみんなを正しい名前で呼ぶようになったのですね?」
「はい・・・」
「ノエミ様の世話係はルベン様以外に決まっているのですか?」
「今は、確定しているのは私だけです」
「髪色に変化は?」
私は段々と、言葉遣いが素に戻っていくのを感じていた。
「・・・私の忠誠は、まだ受け入れて頂いていません」
「じゃあ、ノエミ様は身も心も独りぼっちじゃないの!!」
私との会話でどんどんと下を向いて行くルベンに、手を差し出した。
ひょんと、彼は顔を上げる。
「あの・・・何でしょうか?」
「手紙をよこせ!」
「な・・・何故それを知っている!」
「なぜ隠すの! 解読できないから? 私が敵国のスパイだと疑っているから? 声を上げて読んであげるわよ! 文句ある?」
「・・・・・・・・・」
図星を突かれたルベンが悔しそうに、懐から手紙を出した。
聖女の勉強を午前中に済ました後、いつものリハビリ散歩に出掛けた。
今日は月石の塔の美少女の赤毛ちゃんの姿は見えなかったが、マテオGの温室にはルベンが噴水の前で仁王立ちしていた。
私は面倒臭いので、Uターンしてバラ園に向かおうとした。
「待てい!」
「あら? ルベン様、いらしたのですか? 気が付きませんでした」
「嘘をつけ・・・今、ワザと気が付かないフリをしただろう?」
「さあ?」
にっこりと上品な笑顔で、首を傾げて見せた。
「・・・・・・・・・」
おうふっ! 魔王ルベン様がじっとりと疑いの眼で私を睨んでおられる・・・。
しかし、この初夏に暑苦しい長髪野郎だな。
「ミリアン・・・報酬は何が欲しい?」
「ほう・・・しゅう?」
私は再び反対側にコテンと首を傾げる。
「さすがはヒロコ様が選んだ侍女候補だ・・・どんな魔法を使ったのだ?」
「魔法?」
そして再び私は首を傾げる。
「ノエミ様が、正気を取り戻し始めたのだ」
「しょ・・・正気って・・・そんなにひどかったんですか?」
「こちらへ」
魔王ルックスのルベンが、温室の奥の開けた場所に、テーブルとお茶菓子セットを準備していた。
(ふおっ! 超おしゃれ・・・何これ、アフタヌーンティーセット?)
何故かそこには侍女のクレーが控えていた。
「クレー先輩、何故ここに?」
クレーは静かに笑顔をこぼし、私に優しく語った。
「ミリアン、今日はあなたがおもてなしの主役よ? さあ、座って」
「え・・・でも・・・」
「ルベン様はあなたが怯えないようにと、私をご指名されたの」
あ、そういう気遣いをしてくれたんだ魔王・・・て、私の中で何故かルベンの魔王呼びが定着してしまいそうだ。
これはいかんいかん、直さねば!
うっかり心の声が漏れたら一大事だよ!
「では、お言葉に甘えて、座ってもよろしいでしょうか?」
「どうぞ、ノエミ様の心の恩人、ミリアン」
静々と白いテーブルセットの椅子に座り、その向かい側にルベンが座った。
クレーが香りの良いジャスミンティーを淹れてくれたので、それを口にしてお互いにほっと一息ついた。
「ノエミ様のご体調はその後いかがでしょうか?」
「体調というよりは、精神面で参ってしまっているようで、こちらに来てから私の事を“マティアス”、マクシムの事を“アレクシ”、ナトンの事を“リュカ”と言って・・・会話が成立しなかったのだ」
「・・・ノエミ様にはお会いした事はありませんが、見た目よりとても幼い方なのでしょう。きっと異世界召喚のショックで、夢と現実の境目が曖昧になってしまっているようですね」
「その通りだ! そなたからのあのメッセージを半信半疑で渡したら、何故か私達をきちんと認識し始めたのだ・・・一体どんな魔法を使ったのだ?」
「あれは、ノエミ様の故郷の言葉です。ヒロコ様から教えて頂きました」
「そうなのか! だからノエミ様が元気になられて・・・」
チロリと私が横目でクレーを見ると、表情はポーカーフェイスを気取っているが、口の端と腹筋がピクピクとしている。
相当笑いをガマンしているようだ。
(スマヌ・・・クレーさん、こんな茶番に付き合わせてしまって!)
「あの・・・つかぬ事をお伺いしますが、ノエミ様は聖女としてこちらの一般常識の勉強はどれぐらいお進みですか? ヒロコ様はお体が弱く、少しずつしか進められていない状況なのですが」
ティーカップを持つルベンの指が、ピクリとだけ反応した。
どうやら答えたくないぐらい、西の聖女の育成は進んでいないらしい。
「そうですか、確かにヒロコ様はノエミ様に比べてお体も小さいですし、来たばかりに召喚士を介抱し・・・倒れられて三日以上床に臥っていたとお聞きしました」
(ウツ症状が出ちゃって、脱力して起き上がれなかったんですよ~)
「・・・はい、でも、毎日1ミリずつ進んでいますからきっと大丈夫ですよ」
「は? 1ミリ? 一歩ずつではなく?」
「あ、ヒロコ様は一歩進む前に倒れますから、1ミリずつ頑張ってもらってます」
「1ミリ」
「それでも1年間は520日ですから、1年後には確実に520ミリは進めます!」
「520ミリ」
「欲張って無理して進むと・・・倒れて休養が多く必要になってしまいますもの」
「いい事言った!」と自負しながら、美味しいマカロンをバクバク食べていた。
もうひとつ・・・と、マカロンに手を伸ばそうとしたら、クレーに「ペチッ」と、右手を叩かれた。
彼女の顔を見ると「食べすぎ!」と、書いてある様だった。
「本当は、今日ここへお連れしたかったのですが、どうもフラフラとして危なっかしてくて・・・」
「うん、その症状だと・・・まだ私とは会わない方がいいかもしれませんね。まだ、夢と現実の境目が不安定・・・」
クレーが睨んでいるので、これ以上マカロンのおかわりは無理だとあきらめた。
私は高級ジャスミン茶をひたすら啜る。
「もしかして、ノエミ様って夜はあまり眠れていないんじゃないですか?」
「そう言えば・・・昼寝はちょくちょくしてますが・・・」
「夜は不安で寂しくて眠れてないのかも」
「不安? 寂しい? なぜ・・・隣室には私も警備の者も控えてますし・・・」
あちゃ~! と、私は手で目を覆った。
「ノエミ様の食欲は」
「少食です・・・ほとんど飲み物しか受け付けず、今は私が“調合の才”で栄養満点の飲み物で体力的に問題はないかと」
(な、何よそれ!)
「散歩とかは?」
「部屋に閉じ籠りっきりです」
(おい、それ・・・アカンやつ!)
「とりあえず最近は、ちゃんとみんなを正しい名前で呼ぶようになったのですね?」
「はい・・・」
「ノエミ様の世話係はルベン様以外に決まっているのですか?」
「今は、確定しているのは私だけです」
「髪色に変化は?」
私は段々と、言葉遣いが素に戻っていくのを感じていた。
「・・・私の忠誠は、まだ受け入れて頂いていません」
「じゃあ、ノエミ様は身も心も独りぼっちじゃないの!!」
私との会話でどんどんと下を向いて行くルベンに、手を差し出した。
ひょんと、彼は顔を上げる。
「あの・・・何でしょうか?」
「手紙をよこせ!」
「な・・・何故それを知っている!」
「なぜ隠すの! 解読できないから? 私が敵国のスパイだと疑っているから? 声を上げて読んであげるわよ! 文句ある?」
「・・・・・・・・・」
図星を突かれたルベンが悔しそうに、懐から手紙を出した。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―
佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。
19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。
しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。
突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。
「焦らず、お前のペースで進もう」
そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。
けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。
学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。
外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。
「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」
余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。
理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。
「ゆっくり」なんて、ただの建前。
一度火がついた熱は、誰にも止められない。
兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
恋愛
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。
さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった!
しかしハルの血が特殊だと知った騎士はハルを連れ帰って?
いっそ美味しい血と癒しを与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?
玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。
ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。
これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。
そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ!
そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――?
おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!?
※小説家になろう・カクヨムにも掲載