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【それは偽りではなく、ノリです。】その4
二人が口にした“波紋”とは物質を越えて揺らめく眼に見える魔力の波の事を差していた。
魔力を持つ者は様々な現象を具現化するが、眼に見えるほどの魔力の波動を持つ者は稀である。
その中でも最高峰の癒し・浄化・回復を司る“金の波紋”を具現化できる者は聖女だけと言い伝えられている。
今月二回目のイスマエルのタオル巻き搬送である。
城の建屋の裏、雑木林のけもの道をクレーに案内されながら、イスマエルは私を抱えて進んでいく。
「アレは間違いなく“金の波紋”、ヒロコの存在を知っているからこそ判別がついたが・・・」
「魔力の低い者は判別すらできずに、何が起きたか理解できないでしょう」
「クレー・・・大事な事を忘れてないか?」
「は? 大事な事・・・」
「場所だ」
「え・・・と、つまり、看護塔?」
「明日は元気な患者が増えるな・・・」
「患者が居なくなるの間違いでは?」
「そうか・・・看護塔の看護される患者が居なくなる・・・と」
何が起きたのだろうか。
癒しの力?
“金の波紋”?
だってあの子は助からなかったのに。
頭から大きなタオルを被っている私には、黒っぽい服を着たイスマエルの腕と流れる風景の新緑しか視界に入らなかった。
「ミリアン、動くな・・・くすぐったい」
いやいや、私なんにもしてないよ?
ちょっと、ぴったりとくっついている身体を離そうとしたしただけで・・・。
「・・・歩けるので、降ろしてくださいイスマエル様」
イスマエルの腕に力がこもった。
「ダメだ・・・できれば誰にも見せたくない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
クレーが前を向きながら付け加えた。
「お察し下さい・・・ミリアンの姿で看護塔に居たのですよ、しかも先ほどの騒ぎ・・・、あの子供は多分、囮でしょう」
「この騒ぎに乗じて、本物が隠れている可能性がある」
「え? なになに? どういう意味?」
「狙われたのは大臣秘書だそうです」
「子供ひとりが城に侵入して暗殺を目論むなど不可能だ・・・まだ、本物の刺客は城内にいる可能性が高い」
本物の刺客? あの子供って・・・。
「その秘書さんは大丈夫なの?」
「・・・詳しい事は後で調べておく」
「ああいう事は城内ではよくあるの?」
「驚いたか? まあ・・・政治が動く場所だからな、実はよくある」
「看護塔は・・・どんなところなの?」
「傷ついた者の応急処置をする為の場所だ・・・これだけ重鎮がいる場所だ。プロが多く出没するので、護衛官も確実に急所をやられるんだ。その為、動かせない状態の人間が死を待つ場合も多いのだが・・・」
え? え? え? プロが多い? 死を待つ? 何ですかそれは?
「イスマエル様、イスマエル様! 説明を飛ばし過ぎです! それじゃあ、どこかの闘技場の話ですよ」
クレーが看護塔についてかみ砕いて説明してくれた。
「この城内には、多種多様な職業の者、沢山の勤め人がいますので、具合の悪くなった者やケガをする者が毎日たくさんいます」
うんうん、高層ビル内にある産業医のいる医療フロアーみたいな感じだね。
従業員数が多い会社は医療設備が絶対なきゃだめなのと一緒だね。
「ああ、もちろん出入りの業者がケガしてもちゃんと受け入れますよ? 専門の治癒士と、学位を取得した医師がちゃんといます」
「え・・・魔法でちょちょいとは治せないんだ・・・」
「さすがに魔法ですぐ治るとかは・・・国宝級の治癒士でなければ不可能なのですが、“調合の才”を持つ薬師もいますので、外傷程度での業務上の都合でやむを得ない場合と、救急患者の為に、入院可能な部屋があるのが看護塔です」
「ここでも“才”・・・か・・・よくわかんないな」
「ここだけの話ですが・・・城内の信用ある治療なので、そこら辺の町医者よりかなり人気ですね」
そりゃ・・・いいお医者さんがいる時点で、普通にお願いしたいわな?
どこぞかの大企業経営の総合病院みたいなもんですか・・・はい。
魔力を持つ者は様々な現象を具現化するが、眼に見えるほどの魔力の波動を持つ者は稀である。
その中でも最高峰の癒し・浄化・回復を司る“金の波紋”を具現化できる者は聖女だけと言い伝えられている。
今月二回目のイスマエルのタオル巻き搬送である。
城の建屋の裏、雑木林のけもの道をクレーに案内されながら、イスマエルは私を抱えて進んでいく。
「アレは間違いなく“金の波紋”、ヒロコの存在を知っているからこそ判別がついたが・・・」
「魔力の低い者は判別すらできずに、何が起きたか理解できないでしょう」
「クレー・・・大事な事を忘れてないか?」
「は? 大事な事・・・」
「場所だ」
「え・・・と、つまり、看護塔?」
「明日は元気な患者が増えるな・・・」
「患者が居なくなるの間違いでは?」
「そうか・・・看護塔の看護される患者が居なくなる・・・と」
何が起きたのだろうか。
癒しの力?
“金の波紋”?
だってあの子は助からなかったのに。
頭から大きなタオルを被っている私には、黒っぽい服を着たイスマエルの腕と流れる風景の新緑しか視界に入らなかった。
「ミリアン、動くな・・・くすぐったい」
いやいや、私なんにもしてないよ?
ちょっと、ぴったりとくっついている身体を離そうとしたしただけで・・・。
「・・・歩けるので、降ろしてくださいイスマエル様」
イスマエルの腕に力がこもった。
「ダメだ・・・できれば誰にも見せたくない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
クレーが前を向きながら付け加えた。
「お察し下さい・・・ミリアンの姿で看護塔に居たのですよ、しかも先ほどの騒ぎ・・・、あの子供は多分、囮でしょう」
「この騒ぎに乗じて、本物が隠れている可能性がある」
「え? なになに? どういう意味?」
「狙われたのは大臣秘書だそうです」
「子供ひとりが城に侵入して暗殺を目論むなど不可能だ・・・まだ、本物の刺客は城内にいる可能性が高い」
本物の刺客? あの子供って・・・。
「その秘書さんは大丈夫なの?」
「・・・詳しい事は後で調べておく」
「ああいう事は城内ではよくあるの?」
「驚いたか? まあ・・・政治が動く場所だからな、実はよくある」
「看護塔は・・・どんなところなの?」
「傷ついた者の応急処置をする為の場所だ・・・これだけ重鎮がいる場所だ。プロが多く出没するので、護衛官も確実に急所をやられるんだ。その為、動かせない状態の人間が死を待つ場合も多いのだが・・・」
え? え? え? プロが多い? 死を待つ? 何ですかそれは?
「イスマエル様、イスマエル様! 説明を飛ばし過ぎです! それじゃあ、どこかの闘技場の話ですよ」
クレーが看護塔についてかみ砕いて説明してくれた。
「この城内には、多種多様な職業の者、沢山の勤め人がいますので、具合の悪くなった者やケガをする者が毎日たくさんいます」
うんうん、高層ビル内にある産業医のいる医療フロアーみたいな感じだね。
従業員数が多い会社は医療設備が絶対なきゃだめなのと一緒だね。
「ああ、もちろん出入りの業者がケガしてもちゃんと受け入れますよ? 専門の治癒士と、学位を取得した医師がちゃんといます」
「え・・・魔法でちょちょいとは治せないんだ・・・」
「さすがに魔法ですぐ治るとかは・・・国宝級の治癒士でなければ不可能なのですが、“調合の才”を持つ薬師もいますので、外傷程度での業務上の都合でやむを得ない場合と、救急患者の為に、入院可能な部屋があるのが看護塔です」
「ここでも“才”・・・か・・・よくわかんないな」
「ここだけの話ですが・・・城内の信用ある治療なので、そこら辺の町医者よりかなり人気ですね」
そりゃ・・・いいお医者さんがいる時点で、普通にお願いしたいわな?
どこぞかの大企業経営の総合病院みたいなもんですか・・・はい。
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