随筆

1

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「おまえ、こんなことしてていいのかよ？」
「なにが？」
別にコイツが私の心配してるわけじゃないのはわかってる。
「まぁいいか。」
そう言いながら笑って、背徳感に酔っている。

目の前の男にとって、私はたまたま都合がいい相手だったというだけのことで、それは私にとっても同じこと。
でも、快楽を得ることに従順で、その必死な形相は傑作だ。
お前にとっちゃあ、今夜のその捌け口は、私じゃなくても良かっただろうが、今こうして私でそれを満たしてる。

「イキそ……」
私ごときで。かわいそうな人。最高に面白い。死ねばいいのに。
私がいいよ、と答えると、糸が切れたようにどっぷりと果てた。
こんなヤツでも、今この瞬間は、私で果てて、私を必要としてた。本当にバカみたい。
私はおかしくて、笑い声こそこらえたけれど、口元はどうしたって緩みっぱなしだ。
「……楽しかったね」
不思議そうに見つめる男に気づき、誤魔化すようにそう言った。
「変なヤツ」

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そして、ぐうぐうと気持ち良さそうにイビキをかく春田の髪を撫で、タバコに立ち上がると同時に、私はその空想から離脱した。