のぞまぬ転生 暴国のパンドラ

夏カボチャ

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ダンジョン二層目・・・1

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 一角ウサギの狂暴性を目の当たりにした後、私達は目的の泉を目指して突き進む。

 なんとなく方向が意思疎通で分かる。

 スライムちゃんも、なんか嬉しそうだわ。

 鬱蒼とした森の中を進み、茂みの奥から水音がする。

 それと同時に〘警告! 警告! 今のままでは危険、直ぐに停止を推奨します。警告! 警告・・・!〙サポートさんが、警報を鳴らしまくったの。

 スライムちゃん! ストップ! 

 私の意思に従い、スライムちゃんがいきなり止まり籠が軽く傾く。

 籠が傾き、覗き見えたそれは、二層を千里眼で見た際に見つけた小さな毒沼だったの。

 待て待て! 泉ってスライムちゃん言ったけど、毒の泉なの、飲めないし、水浴びも、身体も拭けないじゃない!

 せっかく来たのに、なんか悲しい気持ちだわ。

『やほ、二層の泉発見と到着おめでとう。真名には、失敗したみたいね? 真名をつけるには、モンスターの本質を理解しないとなのよね』

 全てを見透かしてる言い方が、本当に嫌味だわ。

『ちなみにヒントよ。普通のスライムは、この毒沼に近寄ることすら出来ないわ、死んじゃうからね』

 え、そうなの? スライムちゃんはテイム前から、ここが住処なのよね?

『感謝しなさいよ。今は"毒耐性"が発動するように解除してあげたんだから、あのままだと、バブちゃん、毒で身体が動かせないまま10年ここに放置だったわよ』

 背筋に寒気が走る。ずっと10年死ねないまま、放置とか拷問じゃん!

 てか、 スライムちゃんの正体はポイズン? 

『はい、正解。よく出来ました。花丸あげちゃうわ。正解したバブちゃんにはご褒美にスキルを解除してあげる』

 ・"鑑定"
 ・"毒球ポイズンショット"
 ・"悪臭耐性"

『三つを使えるようにしてあげる。あと、"毒耐性"もそのまま使えるから、泳いでも大丈夫よ。なんて優しいのかしら』

 最後はイラッとしたが、今回は感謝しよう。
 素直に有難いし……って! 封印したのコイツじゃん。

 今の感謝した自分が嫌だーーッ!

『ふふっ、また会いましょう。バブちゃん従魔に一度、鑑定をするといいわよ。まぁ信じないなら、沈没するだけだけど、頑張ってね(ハート)』

 最後のいらないだろうがっ!

 とりあえず、"鑑定"対象はスライムちゃん。

〘サポートが解説を開始します。よろしいですか? YES/NO〙

 YES、開始して。

〘これ以降も解説時に、開始の承認を求めますか? YES/NO〙

 NOね。いちいち聞かれてもダルいから。

〘鑑定解説。???スライム幼体、所持耐性により、複数の個体に進化可能。個体所持耐性 "毒耐性" "物理耐性" 個体性別メス 従魔 テイム者???(バブちゃん?)・・・〙

 最後がおかしい・・・いや、私、名前ないんだっけ、忘れてたわ……

 とりあえず、女の子なのね? スライムって性別無しが普通だった気がするけど?
 でも、セバスチャンなんて、名前は拒否されて当たり前ね、理解したわ。

 つまり、毒沼のスライムなのよね? でも他の仲間は・・・いないのかしら?

 単純な話だ、ポイズンスライム達は、二層の生存競争に負けて、一層に逃げたんだと分かる。

 一層は、確かに天敵は居ないけど、ポイズンスライムに大切な毒沼のような場所は存在しない。
 スライムちゃんは、幼体だから、一層でも大丈夫だった。
 成体の仲間達は、多分、二層に戻ってやられちゃったか、隠れてるのか、二択かな?

 少し気になり、再度鑑定を行う、ゆっくり読めるようにサポートさんにお願いしてみたら、画面表示が可能だと、わかったので、今はそれを見ている。

 ・名前
 ・性別
 ・種族
 ・職業
 ・耐性
 ・スキル
 ・説明

 この順番で表示されるみたいね。力とか魔力とか? もっと見れたらべんりなんだけど、贅沢はいえないわね。

 ・名前 ???スライム(幼体)
 ・性別 メス
 ・種族 スライム
 ・職業 従魔
 ・耐性 "毒耐性"MAX "物理耐性"MAX "炎被ダメ増加"  
 ・スキル "自動回復" "自動復元" "毒吸収" "毒噴射" "体当たり"
 ・説明 あるスライムの幼体、成体になれば、本来の力を発揮する。毒沼の支配者の生き残り。

 毒沼の支配者? 随分と凄い言い回しね? とりあえず、支配者か?

 よし、決めた! スライムちゃんに真名を今度こそつける!

 スライムちゃんに籠を地面に置いてもらい、しっかりと見つめ、短い手でスライムちゃんの頭に手を当てる。

 アナタは偉大な毒沼の支配者の生き残りよ、だから強い女性になるの、アナタの名前は【クイーン】よ。

 突然スライムちゃんが輝き出すと、スライムちゃんの身体が2倍程に膨らみ、元のサイズに戻る。

 そして、頭の中に初めて聞く、女の子の声が響く。

『主様、お名前、ありがとうございます。クイーンの名前、凄く嬉しいです』

 スライムちゃん、なんて可愛いの。

だぁあこちらこそあぅぅだぁぇよろしくね

 伝わったかな?

 今の私は言葉を発せないのよね……伝わらないかな?

『あらあら、不安なの? バブちゃん~?』

 出たな、女神!

『女神をじゃけにしないでよ? それよりおめでとう。初の真名成功じゃない。なんで意思疎通を強化してあげようかと、思ったけど、いらないかしら?』

 え、欲しい! すごく欲しいです。

『なら、お願いは大切よね?』そう言うとニヤリと悪い笑みを女神が浮かべたわ。

 お願いします。女神・・・様、私に力をください。

 少し抵抗はあったものの、何とかお願いをする。

『言い方はあれだけど、祝いの気持ちは大切だからね、はい、プレゼント』

 私の意思疎通の力が強化される。

 スライムちゃん改め、クイーンとちゃんと念話と言う形で意思疎通が可能になった。

 女神はそれからすぐに消えていったわ、今回は本当にお祝いみたいで、なんか、疑った自分が恥ずかしい。

『クイーン。改めてよろしくね。いきなりなんだけど、いいかしら?』

 先ずは、話をしたいとクイーンに伝える。

『わかりました。でも、先ずは、一層に移動します。此処は危険です』

 クイーンの提案に賛成して、二層の出口から、一層へ戻り、その場で話を再開する。

 そして、私はクイーンの一族について聞くことになる。
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