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冒険者ギルド・・・1
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盗賊Aの始末を終えて、改めて、生き残りの数は盗賊が一人。
盗賊団から、金品と武器の回収を済ませると生き残りの盗賊を無理矢理起こす。
「ヒッ、あれ、盗賊頭のカシムが……」
記憶が曖昧なのは好都合だ。
「アナタに話があるの、アナタは普通に会話が出来る人なのかしら?」
「あ、は、はい」
怯えたように私の問に返事をする男、無理も無いだろう。一瞬で十人以上の仲間が始末されたのだ。怯えない方がおかしい。
「アナタの名前は? 私はパンドラよ」
「あ、僕は、ガストです……えっと、僕は殺されるのでしょうか……」
ズボンを握りしめた手が震えてる。見た目は二十代くらいだろう、盗賊には向かない人の良さそうな見た目をしている。
ガストの口にしたそれは、勇気ある質問だ。でも、愚かな質問だ。
「死を軽く語るやつは、早死にするわよ……それとも死にたかったの?」
「……」
無言で言葉を呑み込むガスト。
「主様が、聞いているです、それを無視ですか、なら、死ぬですよッ!」
クイーンが飛び掛かろうとするのをキングが止める。
「クイーン、お嬢が話してるんだ。邪魔したら、お前もあの人間と変わらないぞ」
「くっ、わかったですよ」
クイーンが悔しそうにキングを睨むも、その場に停止する。
「悪かったな、お嬢。あとガキ、次から黙りは無しだ。次は俺が頭を叩き割るぞ……分からないなら分からないと言え、いいな」
「は、はい……」
そこからは、無言になる事はなく、盗賊Aにした質問と同じ内容を質問する。
答え合わせのようなモノだ。片方の言い分だけが正しいなどと言う綺麗な世界である訳がないからだ。
ただ、予想外だったのは盗賊Aは全て真実を話していたようだ。ガストの答えとまったく同じだったからだ。
「アナタ、本当に盗賊なの?」
私の質問にガストは深呼吸をすると、口を開く。
「僕は、ジュネル村の人質の一人です……盗賊の雑用係として、連れられていました」
ガストは、ジュネル村から拐われた村人達の命を保証する代わりに、奴隷同様に扱き使われていた存在だった。
盗賊には、貴族の真似をして、奴隷のように村人を甚振る趣味があったのだろう。
聞けば聞く程に酷く醜い話である。
本来は冒険者ギルドのあるガレルから、防衛の為の冒険者がジュネル村を守るハズだったが、冒険者と盗賊団は裏で結託し、依頼料を貰い、裏切ると言う結果になっていた。
村の護衛費は、殆どがケストア王国から払われていたからだ。
現実のジュネル村の状況を知るのは派遣された冒険者だけであり、基本は、一年間同じ者が防衛者となる。
誰にも知られぬまま、ジュネル村は盗賊団のアジトとして使われていたのだ。
「お願いします……冒険者ギルドは信頼できない……どうか、村を救ってください。お願いします……お願いします」
ずっと頭を地面に擦り付けるガスト。
「アンタだけなら、逃げられるでしょ? 村を助けても私達には、あまりメリットが無いのよ」
「僕だけで、逃げるなんて出来ない。僕が黙って従ってたのは、幼い娘の為だ。妻は娘を産んでその時に……だから、娘だけは絶対に」
泣きながら、語るガストの言葉が胸に刺さる。私は捨てられた身なのに、しょうがないな。
「みんな、盗賊団を潰すわよ。あと、ガスト? 勘違いしないでね……私達はあくまでも喧嘩を売ってきた盗賊団を潰したいの……村人の安全なんて保証しないわよ」
ガストは、首を縦に数回振る。
私達はジュネル村を目指して動き出す。
ガストの案内で、村に予定よりも早く到着すると、盗賊団は頭が帰らないことを不審がって、数名の盗賊が探しに向かうところであった。
当然、調査に向かった盗賊団には、ダンジョンコアから、召喚したホーネットとラクネを向かわせた。
ある程度、離れた場所まで辿りついたら、調査に向かった盗賊団の始末を終わらせ、合流する予定になっている。
私達も行動を開始する。
正面から堂々と、ジュネル村に向かって歩いて行く。
入口で見張りの盗賊に止められる。
「まて、何者だ!」
「今は村には入れない、引き返せ、あと何処から来たんだ?」
当たり前の質問をする盗賊に私は微笑むと、 "影縫い"を発動し、身動きを封じる。
動けない盗賊の足元にクイーンがアシッドの水溜まりをつくる。声が出せないまま、二人の見張りが溶けて存在が無くなる。
相変わらず、おっかないな……アレだけは何度見ても、慣れないな。
そこから、ジュネル村の中に入ると、当選のように盗賊達が私達を囲む。
「てめぇら、何もんだ!」
聞き飽きた、悪人らしい口調で語る盗賊達。
「アンタ達を、始末しに来たのよ。あと、先に喧嘩売ったのはアンタらだからね。高くついたわよ」
速攻の "影縫い"からの、"無刀斬撃"を放つ、私を取り囲んでいた盗賊達は説明がいらない程、無惨な姿になり上半身と下半身が綺麗に別れてた。
私の攻撃が合図になり、皆が戦闘を開始する。
まさに悪夢だっただろう、数十人の盗賊団がアッサリと倒されていくのだから、しかし、それは村人からすれば、救いに感じられただろう。
その日、村をアジトとしていた盗賊団がケストア王国から消えたのだ。
盗賊団から、金品と武器の回収を済ませると生き残りの盗賊を無理矢理起こす。
「ヒッ、あれ、盗賊頭のカシムが……」
記憶が曖昧なのは好都合だ。
「アナタに話があるの、アナタは普通に会話が出来る人なのかしら?」
「あ、は、はい」
怯えたように私の問に返事をする男、無理も無いだろう。一瞬で十人以上の仲間が始末されたのだ。怯えない方がおかしい。
「アナタの名前は? 私はパンドラよ」
「あ、僕は、ガストです……えっと、僕は殺されるのでしょうか……」
ズボンを握りしめた手が震えてる。見た目は二十代くらいだろう、盗賊には向かない人の良さそうな見た目をしている。
ガストの口にしたそれは、勇気ある質問だ。でも、愚かな質問だ。
「死を軽く語るやつは、早死にするわよ……それとも死にたかったの?」
「……」
無言で言葉を呑み込むガスト。
「主様が、聞いているです、それを無視ですか、なら、死ぬですよッ!」
クイーンが飛び掛かろうとするのをキングが止める。
「クイーン、お嬢が話してるんだ。邪魔したら、お前もあの人間と変わらないぞ」
「くっ、わかったですよ」
クイーンが悔しそうにキングを睨むも、その場に停止する。
「悪かったな、お嬢。あとガキ、次から黙りは無しだ。次は俺が頭を叩き割るぞ……分からないなら分からないと言え、いいな」
「は、はい……」
そこからは、無言になる事はなく、盗賊Aにした質問と同じ内容を質問する。
答え合わせのようなモノだ。片方の言い分だけが正しいなどと言う綺麗な世界である訳がないからだ。
ただ、予想外だったのは盗賊Aは全て真実を話していたようだ。ガストの答えとまったく同じだったからだ。
「アナタ、本当に盗賊なの?」
私の質問にガストは深呼吸をすると、口を開く。
「僕は、ジュネル村の人質の一人です……盗賊の雑用係として、連れられていました」
ガストは、ジュネル村から拐われた村人達の命を保証する代わりに、奴隷同様に扱き使われていた存在だった。
盗賊には、貴族の真似をして、奴隷のように村人を甚振る趣味があったのだろう。
聞けば聞く程に酷く醜い話である。
本来は冒険者ギルドのあるガレルから、防衛の為の冒険者がジュネル村を守るハズだったが、冒険者と盗賊団は裏で結託し、依頼料を貰い、裏切ると言う結果になっていた。
村の護衛費は、殆どがケストア王国から払われていたからだ。
現実のジュネル村の状況を知るのは派遣された冒険者だけであり、基本は、一年間同じ者が防衛者となる。
誰にも知られぬまま、ジュネル村は盗賊団のアジトとして使われていたのだ。
「お願いします……冒険者ギルドは信頼できない……どうか、村を救ってください。お願いします……お願いします」
ずっと頭を地面に擦り付けるガスト。
「アンタだけなら、逃げられるでしょ? 村を助けても私達には、あまりメリットが無いのよ」
「僕だけで、逃げるなんて出来ない。僕が黙って従ってたのは、幼い娘の為だ。妻は娘を産んでその時に……だから、娘だけは絶対に」
泣きながら、語るガストの言葉が胸に刺さる。私は捨てられた身なのに、しょうがないな。
「みんな、盗賊団を潰すわよ。あと、ガスト? 勘違いしないでね……私達はあくまでも喧嘩を売ってきた盗賊団を潰したいの……村人の安全なんて保証しないわよ」
ガストは、首を縦に数回振る。
私達はジュネル村を目指して動き出す。
ガストの案内で、村に予定よりも早く到着すると、盗賊団は頭が帰らないことを不審がって、数名の盗賊が探しに向かうところであった。
当然、調査に向かった盗賊団には、ダンジョンコアから、召喚したホーネットとラクネを向かわせた。
ある程度、離れた場所まで辿りついたら、調査に向かった盗賊団の始末を終わらせ、合流する予定になっている。
私達も行動を開始する。
正面から堂々と、ジュネル村に向かって歩いて行く。
入口で見張りの盗賊に止められる。
「まて、何者だ!」
「今は村には入れない、引き返せ、あと何処から来たんだ?」
当たり前の質問をする盗賊に私は微笑むと、 "影縫い"を発動し、身動きを封じる。
動けない盗賊の足元にクイーンがアシッドの水溜まりをつくる。声が出せないまま、二人の見張りが溶けて存在が無くなる。
相変わらず、おっかないな……アレだけは何度見ても、慣れないな。
そこから、ジュネル村の中に入ると、当選のように盗賊達が私達を囲む。
「てめぇら、何もんだ!」
聞き飽きた、悪人らしい口調で語る盗賊達。
「アンタ達を、始末しに来たのよ。あと、先に喧嘩売ったのはアンタらだからね。高くついたわよ」
速攻の "影縫い"からの、"無刀斬撃"を放つ、私を取り囲んでいた盗賊達は説明がいらない程、無惨な姿になり上半身と下半身が綺麗に別れてた。
私の攻撃が合図になり、皆が戦闘を開始する。
まさに悪夢だっただろう、数十人の盗賊団がアッサリと倒されていくのだから、しかし、それは村人からすれば、救いに感じられただろう。
その日、村をアジトとしていた盗賊団がケストア王国から消えたのだ。
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