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第2章 露天商をさせて生きていこう
22.事なかれ主義者はどんどん作ってほしい
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領主様からの依頼を受けて1週間が経った。
この一週間常に浮遊台車と、ホムラリクエストの既存の魔道具を少し大きさや見た目の違いをつけたものだけを作ってきた。
魔力が増えてきたようで、浮遊台車を作っても四個くらい魔道具を作れそうだ。
魔力の伸びが増えたのは、気絶するようなレベルの魔力切れが原因らしい。
「貴族がよくやる方法だな。アタシたちみたいな加護持ちは、知らず知らずのうちにやらかす事もあるけどな」
「普通に街に暮らしている人たちはなんでしないの?」
「魔石が不要な魔道具がない限りは魔法で魔力を使うくらいしか魔力の使い道がねぇからな。魔法も魔法使いから習うか、独学で学ぶしかねぇけど、そんな事させる暇があるなら働かせるわな。魔力が切れるまで使うと翌日も体調がすぐれねぇから、仕事なんてやってられねぇし」
「へー」
ラオさんと一緒に浮遊台車を押しながら冒険者ギルドに向かう時に、魔力の鍛え方について教えてもらう。
ラオさんも加護持ちなんだ。魔力切れの経験もあるのかな。
「アタシは別にそこまで魔力が必要ねぇからな。普段使いでちょっとずつ増やすだけで十分だし、した事はねぇな」
「そうなんだ。僕は魔力があればあるだけいろいろ作れるから頑張って増やさなきゃなー」
「常識の範囲内でやれよ」
この世界の常識ってなんだろうね。
俺、やっちゃいました? って言ってみたい。
冒険者ギルドで無事に納品を済ませて、とっとと退散する。
なんかどんどん注目を浴びるようになってきてる気がする。
中にはこちらをすごい形相で見ている人もいるから、関わる機会がないようにラオさんを盾にしてしのいだけどね。
「それにしてもどんどん増えるな」
「そうだねー。馬車が走る場所で走る人多いけどいいの?」
「なんでも、拡張工事中はいいらしいぜ」
「ふーん……ていうか、レンガで壁作るって強度的に大丈夫なの?」
ほら、地震とかきたらやばそうな気がするじゃん?
ただ、ラオさんはきょとんとしてこちらを見ていたが、「ああ、そうか」と一人で納得して先を歩く。
「火攻めされても燃えねぇから大丈夫だ。モンスターが寄ってこないようにドランの中心に魔物除けの魔道具が置かれている、と言われてる。基本的にモンスターの攻撃でもある程度は耐えれるけど、飛ぶ奴には意味がねぇな」
「飛んでくる魔物はどう対応するの?」
「基本的には魔法使いと加護持ちで退治だな。アタシも昔ドラゴンを相手にしたことはあったが、空を飛ばないアースドラゴンだったし、飛んでるやつは仲間が翼を氷漬けにして落としてたし、知らねぇな」
これは上空を防衛するための武器でも作るべきかな。……閃いた! けど、武器を作ったら厄介事が増えそうなのでやめとこう。
武器ばっかり作る事になるのは嫌だ。
この世界では楽しく生きられればそれでいいのに、武器を求めに来る貴族や商人の相手はしたくない。
……まあ、そういう事しなくて済むようにホムラがいるんだけどね!
猫の目の宿に入ると真っ先に対応してくれるのがホムラだ。
まあ、ホムラがいる時限定なんですけどね。
それに遅れる形でランが「おかえりー」と満面の笑顔で言ってくれる。
はあ、持ち帰りたいこの猫耳娘。
こういう妹が欲しかった。
「マスター、少しお話があります」
ランのくねくね動く尻尾を目で追いかけていたらホムラが視線に割り込んできた。
息遣いすら感じる距離だが、最近この近さに慣れてきた自分に何とも言えない気持ちになる。
彼女いない歴=年齢の男の子が慣れていいものなんだろうか。
ホムラに引っ張られる形でホムラの部屋に入ると、備え付けのもの以外ほとんど私物がなかった。
「ホムラ、そういえばずっとその服だよね」
「マスターからの贈り物ですので」
「お金使っていいから好きな服とか買ってきなよ」
「これ以外ありえません、マスター」
「……じゃあ、今度服買ってあげるからそれも着てね」
「かしこまりました、マスター」
そういう事になった。
ホムラは備え付けのテーブルの上に置かれていたランプを持ってきて、僕に見せる。
「今日、身に覚えのない誹謗中傷を言われ、確認したところコレが歓楽街で売られているようです、マスター」
「……浮遊ランプ?」
ホムラがランプに魔石を入れると弱弱しい光を発している。
僕はこんなの作った記憶がないから、誰かが作ったものだろうか。
「贋作のようです、マスター」
「ああ、それならアタシも聞いてんな。歓楽街の方で銀貨二枚で売られてるんだとか」
「へー。そんな事より、ホムラ、嫌な事言われたの?」
「そんな事って……まあ、お前がいいならいいけどよ」
「『銀貨二枚の物を買い貯めて金貨二枚で売るな』というようなニュアンスの事でした、マスター。少し静かになってもらった後、比較用として購入しようと思い聞いたところ、親切に教えてくれました」
「……そいつ、生きてんだよな」
「………」
「え、殺したの!?」
「いいえ、殺してません、マスター」
なんだ、じゃあいいか。そもそもホムラが手を出すわけがないか。
とりあえずなんかラオさんがぶつぶつ言っているのを放っておいて、贋作の浮遊ランプを見る。
ただのランプのように見えるが、ちゃんと宙に浮いている。ただ、ちょっと光が弱いのが気になる。
「光が弱いだけでなく、魔力効率も悪いようでスライムの魔石ではつきませんでした、マスター」
「そうなんだ。じゃあなに使ってるの?」
「最低限の光がつくのはワンランク上のゴブリンの魔石です。ただ、マスターの作られた浮遊ランプくらいの光だともっと上のランクが必要です、マスター」
「それで、結局どうすんだ? 殴り込みでもかけるか?」
「なんでそんな事をしなきゃいけないのさ」
ラオさんが露骨に残念そうだ。「腕が鈍っちまいそうだ」とかラオさんが言っているけどムシムシ。
別にちょっと性能が落ちるけど、安い物が出るのは前の世界じゃよくある事だったし。
客層が違うだろうからそこまで心配してない。
むしろどんどん作ってほしい。
もっといいものを、って思った時に買ってくれるお客様候補がたくさんできるだろうし。
ただ、これからもホムラが絡まれる可能性があるって考えたらちょっと心配だし、しばらく一緒に店番しようかな。
「お昼寝をしに来てくださるのですか? 太ももはいつでも準備万端です、マスター」
「違うよ!?」
この一週間常に浮遊台車と、ホムラリクエストの既存の魔道具を少し大きさや見た目の違いをつけたものだけを作ってきた。
魔力が増えてきたようで、浮遊台車を作っても四個くらい魔道具を作れそうだ。
魔力の伸びが増えたのは、気絶するようなレベルの魔力切れが原因らしい。
「貴族がよくやる方法だな。アタシたちみたいな加護持ちは、知らず知らずのうちにやらかす事もあるけどな」
「普通に街に暮らしている人たちはなんでしないの?」
「魔石が不要な魔道具がない限りは魔法で魔力を使うくらいしか魔力の使い道がねぇからな。魔法も魔法使いから習うか、独学で学ぶしかねぇけど、そんな事させる暇があるなら働かせるわな。魔力が切れるまで使うと翌日も体調がすぐれねぇから、仕事なんてやってられねぇし」
「へー」
ラオさんと一緒に浮遊台車を押しながら冒険者ギルドに向かう時に、魔力の鍛え方について教えてもらう。
ラオさんも加護持ちなんだ。魔力切れの経験もあるのかな。
「アタシは別にそこまで魔力が必要ねぇからな。普段使いでちょっとずつ増やすだけで十分だし、した事はねぇな」
「そうなんだ。僕は魔力があればあるだけいろいろ作れるから頑張って増やさなきゃなー」
「常識の範囲内でやれよ」
この世界の常識ってなんだろうね。
俺、やっちゃいました? って言ってみたい。
冒険者ギルドで無事に納品を済ませて、とっとと退散する。
なんかどんどん注目を浴びるようになってきてる気がする。
中にはこちらをすごい形相で見ている人もいるから、関わる機会がないようにラオさんを盾にしてしのいだけどね。
「それにしてもどんどん増えるな」
「そうだねー。馬車が走る場所で走る人多いけどいいの?」
「なんでも、拡張工事中はいいらしいぜ」
「ふーん……ていうか、レンガで壁作るって強度的に大丈夫なの?」
ほら、地震とかきたらやばそうな気がするじゃん?
ただ、ラオさんはきょとんとしてこちらを見ていたが、「ああ、そうか」と一人で納得して先を歩く。
「火攻めされても燃えねぇから大丈夫だ。モンスターが寄ってこないようにドランの中心に魔物除けの魔道具が置かれている、と言われてる。基本的にモンスターの攻撃でもある程度は耐えれるけど、飛ぶ奴には意味がねぇな」
「飛んでくる魔物はどう対応するの?」
「基本的には魔法使いと加護持ちで退治だな。アタシも昔ドラゴンを相手にしたことはあったが、空を飛ばないアースドラゴンだったし、飛んでるやつは仲間が翼を氷漬けにして落としてたし、知らねぇな」
これは上空を防衛するための武器でも作るべきかな。……閃いた! けど、武器を作ったら厄介事が増えそうなのでやめとこう。
武器ばっかり作る事になるのは嫌だ。
この世界では楽しく生きられればそれでいいのに、武器を求めに来る貴族や商人の相手はしたくない。
……まあ、そういう事しなくて済むようにホムラがいるんだけどね!
猫の目の宿に入ると真っ先に対応してくれるのがホムラだ。
まあ、ホムラがいる時限定なんですけどね。
それに遅れる形でランが「おかえりー」と満面の笑顔で言ってくれる。
はあ、持ち帰りたいこの猫耳娘。
こういう妹が欲しかった。
「マスター、少しお話があります」
ランのくねくね動く尻尾を目で追いかけていたらホムラが視線に割り込んできた。
息遣いすら感じる距離だが、最近この近さに慣れてきた自分に何とも言えない気持ちになる。
彼女いない歴=年齢の男の子が慣れていいものなんだろうか。
ホムラに引っ張られる形でホムラの部屋に入ると、備え付けのもの以外ほとんど私物がなかった。
「ホムラ、そういえばずっとその服だよね」
「マスターからの贈り物ですので」
「お金使っていいから好きな服とか買ってきなよ」
「これ以外ありえません、マスター」
「……じゃあ、今度服買ってあげるからそれも着てね」
「かしこまりました、マスター」
そういう事になった。
ホムラは備え付けのテーブルの上に置かれていたランプを持ってきて、僕に見せる。
「今日、身に覚えのない誹謗中傷を言われ、確認したところコレが歓楽街で売られているようです、マスター」
「……浮遊ランプ?」
ホムラがランプに魔石を入れると弱弱しい光を発している。
僕はこんなの作った記憶がないから、誰かが作ったものだろうか。
「贋作のようです、マスター」
「ああ、それならアタシも聞いてんな。歓楽街の方で銀貨二枚で売られてるんだとか」
「へー。そんな事より、ホムラ、嫌な事言われたの?」
「そんな事って……まあ、お前がいいならいいけどよ」
「『銀貨二枚の物を買い貯めて金貨二枚で売るな』というようなニュアンスの事でした、マスター。少し静かになってもらった後、比較用として購入しようと思い聞いたところ、親切に教えてくれました」
「……そいつ、生きてんだよな」
「………」
「え、殺したの!?」
「いいえ、殺してません、マスター」
なんだ、じゃあいいか。そもそもホムラが手を出すわけがないか。
とりあえずなんかラオさんがぶつぶつ言っているのを放っておいて、贋作の浮遊ランプを見る。
ただのランプのように見えるが、ちゃんと宙に浮いている。ただ、ちょっと光が弱いのが気になる。
「光が弱いだけでなく、魔力効率も悪いようでスライムの魔石ではつきませんでした、マスター」
「そうなんだ。じゃあなに使ってるの?」
「最低限の光がつくのはワンランク上のゴブリンの魔石です。ただ、マスターの作られた浮遊ランプくらいの光だともっと上のランクが必要です、マスター」
「それで、結局どうすんだ? 殴り込みでもかけるか?」
「なんでそんな事をしなきゃいけないのさ」
ラオさんが露骨に残念そうだ。「腕が鈍っちまいそうだ」とかラオさんが言っているけどムシムシ。
別にちょっと性能が落ちるけど、安い物が出るのは前の世界じゃよくある事だったし。
客層が違うだろうからそこまで心配してない。
むしろどんどん作ってほしい。
もっといいものを、って思った時に買ってくれるお客様候補がたくさんできるだろうし。
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