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第22章 安全第一で生きていこう
446.事なかれ主義者は待つ事にした
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昼食を食べ終えた後、熱戦を繰り広げていたリヴァイさんたちを呼び止めて、応接室へと通した。
「また後で決着をつけるデスよ!」
「今日こそ絶対勝つぞ、ラグナ!」
「ああ!」
三人共ストライクを取り続けているようだ。
あれってそんな狙って取れる物なんだろうか。
僕はまだその域に到達していないので、リヴァイさんたちとはもうボウリングをしないようにしよう。心が折れるから。
ふかふかのソファーに腰かけると、レヴィさんが隣に腰かけた。
リヴァイさんはレヴィさんの様子をじろじろと見ながら座った。
「体調はどうだ、レヴィ?」
「まだまだ問題ないのですわ」
「まあ、だろうな」
「今日は何の用ですわ? 名前の件はお断りしたのですわ」
「分かっている。今回はその件じゃない。シズト殿に伝え忘れていた事があったから来たんだ」
「俺には直接関係ないが、成り行きでな」
大方、サボりをするために来たのだろう。
レヴィさんも細かく聞く事はせず、リヴァイさんに話を促した。
「ドラゴニアから遥か北に進んだところにある大陸について知っているか?」
「いえ、知らないです。ヤマトの件でバタバタしてましたから」
「だろうな。その大陸の名前はミスティア。面積で言うとシグニール大陸と同程度だな。その大陸には大小さまざまな国があるが、その中の一つで革命が起きたらしい」
「革命、ですか」
革命にも産業革命とか、暴力的じゃなさそうな物もあるけど、今回の革命はどっちの革命なんだろうか。
「革命が起きたのは都市国家イルミンスール。ミスティア唯一の世界樹が生えている国だ。その国の王が引きずり降ろされた、という情報が数日前に入った。世界樹の真実を隠し、国民を騙していたからだそうだ」
「……なるほど」
「その様子、今後の展開も予想できているな。流石、我が息子だ」
まず十中八九、イルミンスールとかいう国から使節団がやってきて、「世界樹を何とかしてほしい」とか「世界樹の使徒として導いて欲しい」とか言うのが目に浮かぶ。
「どのくらいでイルミンスールの人たちが来ると思いますか?」
「分からん。次の王を誰にするかで揉めているのもあるが、どうやら邪神の信奉者がイルミンスールに潜り込んでいるようだ。革命が起きたのも、奴らが扇動していたのかもしれん」
「争い事が好きな連中だからな」
セシリアさんに淹れてもらった紅茶を一口飲んだラグナさんがぼそりと呟いた。
邪神の信奉者たちは人々が争うように仕向ける事が多いらしい。その理由は、彼らの加護に関係する。
世界が平和で争い事がなければ呪いなんて必要ないもんね。
「イルミンスールの人たちの様子は分かりますか?」
「様子というと?」
リヴァイさんが首を傾げて問い返してきた。
「フソーのエルフたちのように奴隷にされていないか、とか……」
「ああ、その事か。そこら辺は問題ない。フソーの時と違って、国が滅んだわけではないからな。なにより、呪いが広まっている事もあって、他国も手を出したいとは思っていないんだろう」
「呪いの矛先が自国民に向けられるかもしれんからな」
ラグナさんも頷きながらリヴァイさんの発言に同意した。
「なるほど……? じゃあそんなに急がなくてもいいかな?」
「それは分からないのですわ。世界樹を育てる力を持ったシズトに対して恨みを持ったエルフがシズトの事を呪うかもしれないのですわ。ただ、急いでも恨みを抱くエルフが減るだけで少なからずいると思うのですわ。急いでも急がなくても変わらないのなら、シズトが思うようにすればいいと思うのですわ」
「んー……面倒事はサクッと解決したいけど、僕一人の問題じゃないから一人で決められないし、皆が戻ってきたら聞いてみるよ」
別に今すぐ決めなくちゃいけない事じゃないし。
リヴァイさんとラグナさんも特に急かす様子もなく、むしろ「さあ、続きをするぞ!」と勇んで部屋から出て行ってしまった。
僕もついて行った方が良いんだろうか、と思ったけど、レヴィさんを見守りながらドライアドたちと戯れていても特に何も言ってこなかったので、放っておいても問題なかったって事だろう。
いつもの夕食の時間よりも少し遅れてしまったけど、皆屋敷に戻ってきた。
冒険者組は防具に汚れはついていなかったけど、念のため着替えてくるそうだ。
食堂で待っていると、着替え終わったラオさんとルウさんが二人揃って部屋に入ってきた。フラグを立ててしまった気がしたけど、怪我はしてなさそうだ。
「ダンジョンはどうだった?」
「まだ最後まで探索してないけど、今の所異常はないわ」
「あの時みたいに時季外れのスタンピードなんてめったに起こるもんじゃないんだよ」
ラオさんはぶっきらぼうに言うけど、ルウさんはそんなラオさんを見てクスクス笑っている。
そんなルウさんをぎろりと睨みつけたラオさんだったけど、本人は気にした様子はなかった。
ラオさんたちが着席してから数分後、全身鎧を脱いだドーラさんが食堂に入ってきた。
小柄で華奢な体なのに、あんなにも動き辛そうな鎧を着る事ができているのは彼女の二種類の加護のおかげだ。転移者でもないのに、二つも加護を授かっているのは珍しいらしい。
「ドーラさんも無事だった?」
「ん」
端的に返事をすると、ドーラさんは何やら紙とペンを取り出して手紙を書き始めた。
何を書いているのか聞くと「報告書」と淡々と返された。お風呂の時と寝る前以外は基本的に感情が表に出ないんだよな。微かに変化する時もあるけど、それを見分ける事ができるようになったのはつい最近の事だ。
手紙を書いている様子を見ている間に、ホムラとユキが食堂に入ってきた。
それから少し遅れてノエルも魔道具を見ながら歩いてやってきた。お姫様抱っこで運ばれるのがそこまで嫌だったのか、定刻になるとこうして自分で来るようになりつつある。
「後はジューンさんたちか」
「皆が揃ってから話をするのですわ?」
「そうだね。ランチェッタさんとかの意見も聞きたいし」
「分かったのですわ~」
その後、いつもの時間よりも遅れてランチェッタさんとジューンさん、モニカが戻ってきた。
妊娠祝いを持ってやってきた面会希望者が予想以上に多かったらしい。
その話もとりあえず食事をしながら聞こう、という事になったので食前の挨拶をしてから食べ始めた。
「あ。ノエル、食べ終わっても食堂に残ってね」
いつものように料理を口の中に詰め込みまくっていたノエルがピタッと止まった。
口の中にたくさん物を入れているから上手く話せないのだろう。
しばらくもぐもぐと口を動かし、詰まっていた物を飲み込んでから口を開いた。
「…………なんでっすか?」
「ちょっと皆の意見を聞きたいから」
「ボクに意見を求められても困るっすけど……」
「座って聞いてるだけでもいいからさ」
「……まあ、いいっすけど」
その後、残ってくれたノエルも含めてミスティア大陸にある都市国家イルミンスールについて話をしたけど、どういう状況か分からない以上、安易に行かない方が良い、という結論に至った。
ただ、その内イルミンスールの使節団が来るだろう、というのは共通認識だったので、クレストラ大陸の観光は後回しにして、魔道具作りに専念する事になった。
「また後で決着をつけるデスよ!」
「今日こそ絶対勝つぞ、ラグナ!」
「ああ!」
三人共ストライクを取り続けているようだ。
あれってそんな狙って取れる物なんだろうか。
僕はまだその域に到達していないので、リヴァイさんたちとはもうボウリングをしないようにしよう。心が折れるから。
ふかふかのソファーに腰かけると、レヴィさんが隣に腰かけた。
リヴァイさんはレヴィさんの様子をじろじろと見ながら座った。
「体調はどうだ、レヴィ?」
「まだまだ問題ないのですわ」
「まあ、だろうな」
「今日は何の用ですわ? 名前の件はお断りしたのですわ」
「分かっている。今回はその件じゃない。シズト殿に伝え忘れていた事があったから来たんだ」
「俺には直接関係ないが、成り行きでな」
大方、サボりをするために来たのだろう。
レヴィさんも細かく聞く事はせず、リヴァイさんに話を促した。
「ドラゴニアから遥か北に進んだところにある大陸について知っているか?」
「いえ、知らないです。ヤマトの件でバタバタしてましたから」
「だろうな。その大陸の名前はミスティア。面積で言うとシグニール大陸と同程度だな。その大陸には大小さまざまな国があるが、その中の一つで革命が起きたらしい」
「革命、ですか」
革命にも産業革命とか、暴力的じゃなさそうな物もあるけど、今回の革命はどっちの革命なんだろうか。
「革命が起きたのは都市国家イルミンスール。ミスティア唯一の世界樹が生えている国だ。その国の王が引きずり降ろされた、という情報が数日前に入った。世界樹の真実を隠し、国民を騙していたからだそうだ」
「……なるほど」
「その様子、今後の展開も予想できているな。流石、我が息子だ」
まず十中八九、イルミンスールとかいう国から使節団がやってきて、「世界樹を何とかしてほしい」とか「世界樹の使徒として導いて欲しい」とか言うのが目に浮かぶ。
「どのくらいでイルミンスールの人たちが来ると思いますか?」
「分からん。次の王を誰にするかで揉めているのもあるが、どうやら邪神の信奉者がイルミンスールに潜り込んでいるようだ。革命が起きたのも、奴らが扇動していたのかもしれん」
「争い事が好きな連中だからな」
セシリアさんに淹れてもらった紅茶を一口飲んだラグナさんがぼそりと呟いた。
邪神の信奉者たちは人々が争うように仕向ける事が多いらしい。その理由は、彼らの加護に関係する。
世界が平和で争い事がなければ呪いなんて必要ないもんね。
「イルミンスールの人たちの様子は分かりますか?」
「様子というと?」
リヴァイさんが首を傾げて問い返してきた。
「フソーのエルフたちのように奴隷にされていないか、とか……」
「ああ、その事か。そこら辺は問題ない。フソーの時と違って、国が滅んだわけではないからな。なにより、呪いが広まっている事もあって、他国も手を出したいとは思っていないんだろう」
「呪いの矛先が自国民に向けられるかもしれんからな」
ラグナさんも頷きながらリヴァイさんの発言に同意した。
「なるほど……? じゃあそんなに急がなくてもいいかな?」
「それは分からないのですわ。世界樹を育てる力を持ったシズトに対して恨みを持ったエルフがシズトの事を呪うかもしれないのですわ。ただ、急いでも恨みを抱くエルフが減るだけで少なからずいると思うのですわ。急いでも急がなくても変わらないのなら、シズトが思うようにすればいいと思うのですわ」
「んー……面倒事はサクッと解決したいけど、僕一人の問題じゃないから一人で決められないし、皆が戻ってきたら聞いてみるよ」
別に今すぐ決めなくちゃいけない事じゃないし。
リヴァイさんとラグナさんも特に急かす様子もなく、むしろ「さあ、続きをするぞ!」と勇んで部屋から出て行ってしまった。
僕もついて行った方が良いんだろうか、と思ったけど、レヴィさんを見守りながらドライアドたちと戯れていても特に何も言ってこなかったので、放っておいても問題なかったって事だろう。
いつもの夕食の時間よりも少し遅れてしまったけど、皆屋敷に戻ってきた。
冒険者組は防具に汚れはついていなかったけど、念のため着替えてくるそうだ。
食堂で待っていると、着替え終わったラオさんとルウさんが二人揃って部屋に入ってきた。フラグを立ててしまった気がしたけど、怪我はしてなさそうだ。
「ダンジョンはどうだった?」
「まだ最後まで探索してないけど、今の所異常はないわ」
「あの時みたいに時季外れのスタンピードなんてめったに起こるもんじゃないんだよ」
ラオさんはぶっきらぼうに言うけど、ルウさんはそんなラオさんを見てクスクス笑っている。
そんなルウさんをぎろりと睨みつけたラオさんだったけど、本人は気にした様子はなかった。
ラオさんたちが着席してから数分後、全身鎧を脱いだドーラさんが食堂に入ってきた。
小柄で華奢な体なのに、あんなにも動き辛そうな鎧を着る事ができているのは彼女の二種類の加護のおかげだ。転移者でもないのに、二つも加護を授かっているのは珍しいらしい。
「ドーラさんも無事だった?」
「ん」
端的に返事をすると、ドーラさんは何やら紙とペンを取り出して手紙を書き始めた。
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「後はジューンさんたちか」
「皆が揃ってから話をするのですわ?」
「そうだね。ランチェッタさんとかの意見も聞きたいし」
「分かったのですわ~」
その後、いつもの時間よりも遅れてランチェッタさんとジューンさん、モニカが戻ってきた。
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