【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ

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第25章 片手間にサポートしながら生きていこう

524.事なかれ主義者は寝泊まりする場所を用意した

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 お昼ご飯を食べる頃にやっと陽太がやってきたようだ。

「あの遅刻癖、なんとかした方が良いんじゃないの?」
「問題が陽太だけだったら楽だったんですけどね」

 どうやら陽太の監視役であるラックという男性は運が悪いようだ。
 陽太が早く起きてもだいたい何かしらのトラブルに巻き込まれてこっちに来るのが遅れるらしい。

「もういっその事、ドランの屋敷で寝泊まりすれば? 今もドランの屋敷にある転移陣を使ってこっちに来てるんでしょ? その方が楽なんじゃない?」
「いいんですか?」
「んー……まあ、いいよ。面倒事が起きてもセバスチャンが何とかしてくれるだろうし」

 モニカが妊娠していると発覚した際に向こうの屋敷の管理用に作ったセバスチャンという魔法生物は高ランクの魔石で作っているので戦闘力もあるらしい。
 具体的にどのくらい強いのかは知らないけど、ジュリウスが他の警備を引き上げたと以前言っていたので、ジュリウスが信頼する程度には強いのだろう。
 屋敷を任せっきりでずっと会ってないし、陽太の事も話を通しておきたいしお昼を食べたら行こうかな。

「あ、でも女性を連れ込むのは無しね。お金はもちろんもらうし……あと、何かあったら屋敷の防衛に協力させてよね」
「分かりました。細かい条件面などはまた帰ってきたら話したいです」
「今日はのんびりする予定だったから別にいいよ。気を付けてね」
「はい」

 明はカレンさんと一緒に陽太たちのもとへと歩いて行く。
 ……明相手だったら随分普通に話せるようになってきたな。
 まあ、強い味方が僕の後ろについているから何かあっても大丈夫って安心して話せるだけなんだろうけど。

「お話はもう終わりましたか?」

 傍で控えていたエミリーが話しかけてきた。
 離れた場所にいた彼女は狐人族なので耳はとても良い。
 明と僕の会話を聞いていたのだろう。眉を下げながら「本当によろしいのですか」と尋ねてきた。

「一緒に生活しろって言われたら無理だけど、向こうの屋敷で寝泊まりしてもらう分には問題ないよ。ああ、でもあそこは一応ドーラさんの屋敷になってるんだったっけ? 一応確認しておいた方が良いか」

 そう思ってレヴィさんと一緒に畑の世話をしていたドーラさんの所へ行って確認してみたけど、彼女はただ「ん」と頷いただけだった。



 お昼ご飯を済ませた後は各自自由行動となった。
 妊娠組は軽い運動として、自分たちの畑の世話をしに行った。
 普段はドライアドたちがついでにお世話をしてくれているらしいから、彼女たちのテリトリーとなりつつあるけど、お世話する分には怒らないので問題ない。
 むしろ水をどのくらい上げるのかとか、余分な所の間引きはどれがいいかとか説明をしてもらっているようだ。

「エミリーは畑の世話をしなくていいの?」
「はい。今日はシズト様のお世話係ですから、いついかなる時もお世話をする事ができるようについて行きます」

 ぶんぶんとモフモフの尻尾を振っているエミリーには悪いけど、一服盛られない限りは外で発情する事はないのでエミリーにお世話をしてもらう必要もない。
 ただ、一人で行動するのはラオさんがあんまりいい顔をしないので、ドランの屋敷にはエミリーと行く事にした。
 もちろん、護衛としてジュリウスもついて来るので二人っきりという訳ではないんだけど、ジュリウスは転移陣で転移した後すぐに気配を消した。

「お待ちしておりました、ご主人様」

 綺麗なお辞儀をして出迎えてくれたのはこの屋敷の管理を任せているセバスチャンだった。
 彼は僕のイメージに影響されたのか、執事服を着用している。その服には皺ひとつなく、靴もピカピカに磨かれていた。
 真っ白な布手袋をつけた彼に案内してもらった部屋のソファーに腰かけると、エミリーがすぐ隣に座った。甘いいい香りが漂ってくるけど、それを意識しないように気を付けて、紅茶を準備してくれているセバスチャンを見る。

「急にごめんね。毎日たくさん人が来るって聞いてたけど、大丈夫?」
「問題ございません。それで、本日はどの様なご用件でしたでしょうか」
「ちょっと急で悪いんだけど、今日から知り合いが寝泊まりするかもしれないんだけどいいかな?」
「はい。問題ございません。ただ、ファマリアから子どもたちを集めてもよろしいでしょうか? 最上級のおもてなしをするうえで、人手はもう少しあった方が良いかと愚考いたします」
「あー、そういうの要らないよ。むしろお手伝いの女の子たちは引き上げた方が良いかも」
「どのような方が寝泊まりするのでしょうか」
「陽太っていうんだけど、知ってるよね? いつも転移陣を使うために訪れてると思うんだけど……」
「なるほど、あの方ですか。では、女性たちはファマリアに返し、男性を代わりに派遣してもらえるように申請しておきます」

 セバスチャンから見ても陽太は女性の敵っぽい感じのようだ。
 とりあえず何かしら問題を起こしたら実力行使していいよとセバスチャンに言っておいた。
 ……陽太がセバスチャンより強かったらその時はその時だ。
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