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後日譚
後日譚69.事なかれ主義者はちょっとは譲ってあげようと思った
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神聖エンジェリア帝国から出産祝いのためにやってきた使節団の代表であるオクタビア様からの内密な相談は僕には荷が重すぎる内容だった。
平和的に解決がしたい、という彼女の要望を叶えるのであれば、僕……というよりもエルフの国のリーダーの後ろ盾が欲しい、という感じのようだ。
後ろ盾の証明として一番手っ取り早い方帆ぐあ政略結婚となるわけだけど、正直これ以上お嫁さんを増やすつもりは僕にはない。
加護を返還した、という話が各国に伝わってからは加護目的で縁談を申し込んでいた王侯貴族の方々からの熱烈なラブレターは減ってきているそうなので、一人くらい増えても雪だるま式には増えないのではないか、なんて事を帰り際のリヴァイさんに言われたけど楽観視は禁物だ。
「ちょっとくらい増えてもいいと思うのですわ」
夜ご飯を食べながら会談の内容をみんなに伝えたら金色のツインドリルがトレードマークのレヴィさんがとんでもない事を言ったけど、同じく規格外の大きさの胸を持つランチェッタさんが同意するように頷いている。
二人の専属侍女であるセシリアさんとディアーヌさんも僕の視線に気づくと「そうですね」と同意していた。
お偉いさんたちはお嫁さんが複数人いても普通、という考え方のようだけど、お嫁さんたちの中ではそれは少数派だ。
「お姉ちゃんは平等に愛してくれるのなら何でもいいわ」
「ルウさん!?」
「ラオちゃんもそう思うでしょ?」
「どっちでもいいんじゃねぇか? まあ、養えるんだったら複数娶る奴もいたし。少数だったけど」
「ラオさん!?」
「お金はたくさんあります、マスター」
「相手が欲しければ作ればいいと思うわ、ご主人様」
「話がややこしくなるからホムラとユキは静かにしててね」
ホムラとユキはともかく、髪の毛の長さと目元以外そっくりな姉妹のラオさんとルウさんも消極的賛成はとは思わなかった。
ドーラさんは食事に夢中なのかもぐもぐと食べ続けている。
ノエルは興味がない様子だけど、最近は新しい魔道具が手に入らないからか食卓に残っている。
壁際に控えている元奴隷組はそれぞれ思い思いの事を話しているみたいだけど、かすかに聞こえてくる会話を聞く限り反対ではなさそうだ。
レヴィさんたちが少数派だと思っていたのは僕だけのようだ。
「過去の勇者たちの事やシズトの今の立場を考慮しても、側室はもっといても不思議じゃないのですわ。だから後はシズトの気持ち次第ですわね。どうして迷っているのですわ? 普段はすぐに拒否しているのですわ」
「それが平和的に解決できる手っ取り早い手段だから、って言われたから……」
「それを盾に今後要求を通そうとしてくる輩が出てくるかもしれないから、婚姻を迷っている理由は言わない方が良いですわね」
「無難なのは見た目が好みだったから、とかでいいんじゃないかしら?」
「見た目…………どんな人だったっけ?」
正直マナーや言葉遣い、居住まい等々、気にする事が多すぎて相手の事をよく見ていなかったのであんまり覚えていない。
「……まあ、そこら辺の理由付けは他者が勝手に考えるだけな気がするから言わなくていいのですわ」
指輪を嵌めていないレヴィさんは、そんな僕の心を読んだのかそう話を締めくくった。
なんかすみません…………。
僕がしょんぼりしている所でランチェッタさんがふと思い出したかのように口を開く。
「さっきからずっとシズトは自分の縁談の話ばかりしているけど、子どもたちに縁談の話は出されなかったのかしら?」
「あー、そういえばなかった気がする。だよね、ジュリウス」
僕の問いかけに答えたのは唯一室内にいた僕以外の男性は僕の専属護衛であるエルフの男性だ。
彼は会談にも同席していて、魔道具を使って室内にいた者たちに心を読んでいた。
「話は出ていませんでしたし、少なくともあの場でその様な思考はしていなかったです。が、シズト様があの場で縁談の申し込みを断っていたらお子様たちに話がいっていたかと」
「その可能性が高いって話だったもんね」
「シズト様が別れ際に子煩悩っぷりを意図せず発揮していたのでオクタビア様は諦めているかもしれませんが、皇帝から命じられていたら申し込みをしないわけにはいかないでしょうね」
「子煩悩な所なんて見せたっけ?」
「おむつ替えができるようになったとか、沐浴をできるだけしているとかですね」
「そんな事で!?」
「普通、王族の方は自分でおむつを換えたり夜泣きの対応をしたりしません」
「…………なるほど」
そういえばリヴァイさんやパールさんが羨ましがってたな。
レヴィさんやガントさん、ラピスさんが乳児の頃はそういうものだと思っていたのか、それとも仕事で忙しくてやりたくてもできなかったのかもしれない。
その代わりに育生の世話をしたがっているのかも?
そう考えるとちょっとは譲ってあげても良いのかもしれないけど……経験がないらしいし、しっかりと産婆さんから学んでからにしてもらおう。
平和的に解決がしたい、という彼女の要望を叶えるのであれば、僕……というよりもエルフの国のリーダーの後ろ盾が欲しい、という感じのようだ。
後ろ盾の証明として一番手っ取り早い方帆ぐあ政略結婚となるわけだけど、正直これ以上お嫁さんを増やすつもりは僕にはない。
加護を返還した、という話が各国に伝わってからは加護目的で縁談を申し込んでいた王侯貴族の方々からの熱烈なラブレターは減ってきているそうなので、一人くらい増えても雪だるま式には増えないのではないか、なんて事を帰り際のリヴァイさんに言われたけど楽観視は禁物だ。
「ちょっとくらい増えてもいいと思うのですわ」
夜ご飯を食べながら会談の内容をみんなに伝えたら金色のツインドリルがトレードマークのレヴィさんがとんでもない事を言ったけど、同じく規格外の大きさの胸を持つランチェッタさんが同意するように頷いている。
二人の専属侍女であるセシリアさんとディアーヌさんも僕の視線に気づくと「そうですね」と同意していた。
お偉いさんたちはお嫁さんが複数人いても普通、という考え方のようだけど、お嫁さんたちの中ではそれは少数派だ。
「お姉ちゃんは平等に愛してくれるのなら何でもいいわ」
「ルウさん!?」
「ラオちゃんもそう思うでしょ?」
「どっちでもいいんじゃねぇか? まあ、養えるんだったら複数娶る奴もいたし。少数だったけど」
「ラオさん!?」
「お金はたくさんあります、マスター」
「相手が欲しければ作ればいいと思うわ、ご主人様」
「話がややこしくなるからホムラとユキは静かにしててね」
ホムラとユキはともかく、髪の毛の長さと目元以外そっくりな姉妹のラオさんとルウさんも消極的賛成はとは思わなかった。
ドーラさんは食事に夢中なのかもぐもぐと食べ続けている。
ノエルは興味がない様子だけど、最近は新しい魔道具が手に入らないからか食卓に残っている。
壁際に控えている元奴隷組はそれぞれ思い思いの事を話しているみたいだけど、かすかに聞こえてくる会話を聞く限り反対ではなさそうだ。
レヴィさんたちが少数派だと思っていたのは僕だけのようだ。
「過去の勇者たちの事やシズトの今の立場を考慮しても、側室はもっといても不思議じゃないのですわ。だから後はシズトの気持ち次第ですわね。どうして迷っているのですわ? 普段はすぐに拒否しているのですわ」
「それが平和的に解決できる手っ取り早い手段だから、って言われたから……」
「それを盾に今後要求を通そうとしてくる輩が出てくるかもしれないから、婚姻を迷っている理由は言わない方が良いですわね」
「無難なのは見た目が好みだったから、とかでいいんじゃないかしら?」
「見た目…………どんな人だったっけ?」
正直マナーや言葉遣い、居住まい等々、気にする事が多すぎて相手の事をよく見ていなかったのであんまり覚えていない。
「……まあ、そこら辺の理由付けは他者が勝手に考えるだけな気がするから言わなくていいのですわ」
指輪を嵌めていないレヴィさんは、そんな僕の心を読んだのかそう話を締めくくった。
なんかすみません…………。
僕がしょんぼりしている所でランチェッタさんがふと思い出したかのように口を開く。
「さっきからずっとシズトは自分の縁談の話ばかりしているけど、子どもたちに縁談の話は出されなかったのかしら?」
「あー、そういえばなかった気がする。だよね、ジュリウス」
僕の問いかけに答えたのは唯一室内にいた僕以外の男性は僕の専属護衛であるエルフの男性だ。
彼は会談にも同席していて、魔道具を使って室内にいた者たちに心を読んでいた。
「話は出ていませんでしたし、少なくともあの場でその様な思考はしていなかったです。が、シズト様があの場で縁談の申し込みを断っていたらお子様たちに話がいっていたかと」
「その可能性が高いって話だったもんね」
「シズト様が別れ際に子煩悩っぷりを意図せず発揮していたのでオクタビア様は諦めているかもしれませんが、皇帝から命じられていたら申し込みをしないわけにはいかないでしょうね」
「子煩悩な所なんて見せたっけ?」
「おむつ替えができるようになったとか、沐浴をできるだけしているとかですね」
「そんな事で!?」
「普通、王族の方は自分でおむつを換えたり夜泣きの対応をしたりしません」
「…………なるほど」
そういえばリヴァイさんやパールさんが羨ましがってたな。
レヴィさんやガントさん、ラピスさんが乳児の頃はそういうものだと思っていたのか、それとも仕事で忙しくてやりたくてもできなかったのかもしれない。
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