【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ

文字の大きさ
1,202 / 1,403
後日譚

後日譚390.事なかれ主義者は見逃された

しおりを挟む
 栄人の誕生日も無事に祝った翌日には、エミリーが栄人を連れて故郷に顔を出しに行った。新年の挨拶と一緒に行けばいいんじゃないか、と考えていたようだけど、祖父母にとって孫の誕生日は早く祝いたいんじゃないかと思ってそうするように促したんだけど、それでよかったらしい。
 お土産をたくさんもらったエミリーは、久しぶりの実家でのんびり過ごせたみたいだし、栄人はいろいろな物を見たそうでたくさんお話してくれた。その中には今じゃなくて未来の事も含まれていたが、大した事はなかったので伝えなくてもいいだろう。

「シズト、今日は何をして過ごすのですわ?」
「そうだねぇ。大晦日と言えば大掃除だけど、日頃からモニカたちが頑張って掃除してくれるから頑固な汚れとかもなかったし……」
「ほとんどが魔道具のおかげですけどね。外壁や屋根の上も手持無沙汰な時にジュリーンやダーリアがしてくれますし」
「魔道具の管理や別館の人たちに掃除の指示をしてくれてるから綺麗に保ててるんだよ。……ただ、それはそれで大晦日にやる事が無くて暇なんだけど」
「暇なら遊ぶデス! お年玉を賭けた勝負をするデスよ」

 子どもが貰うイメージのお年玉だけど、我が家では僕の有り余る御財布から皆に日頃の感謝も込めてお年玉をあげていた。月々のお小遣いよりも多く、結構な額だけどそれの使用方法は様々だ。
 それを賭けて勝負するのならたくさん遊べるんだろうけど……。

「まだもらってない物を賭けるのは良くないじゃん」
「前借じゃないデスよ。貰える額をそれで変動するデス!」
「そういうのって新年に集まった時にやるイメージだったんだけど……まあ、そういう事なら別にいいか。暇だし」
「じゃあ早くご飯を食べるデスよ!」

 早食いをし始めたパメラが喉に物を詰まらせたけど、それ以外はいつものように朝ご飯の時間が過ぎて行った。
 食後ののんびりタイムはやめて早く遊びたいとピーチクパーチク騒ぐパメラを大人しくさせるために何をするかを決める事にした。

「人数が多すぎるからやっぱり無難に麻雀かな?」
「シズトも入れると十七人になって微妙な人数になるけれどどうするのですわ?」
「僕はあげる側だから別にみてるだけでもいいけど……」
「それだとやらない人が増えると思うのですわ」
「だな。少なくともアタシはやんねぇぞ。減っても問題ねぇけど増えたところで使い道に悩むだけだからな」
「お酒買えばいいじゃん」
「お姉ちゃんもシズトくんと一緒に過ごしたいから見学に回ろうかしら」
「という感じで、どんどん減ると思うのですわ」
「大勢で遊びたいデス!」
「なるほど。じゃあ参加するとして、無難にジュリウスとかアンジェラを誘う?」
「ジュリウスは無しデス! シズト様にわざと振り込むデス!」
「確かに」
「アンジェラちゃんを指そうならぁ、リーヴィアちゃんも誘ったらどうでしょうかぁ」
「まぁ、二人とも意味合いが異なるけどお年玉挙げてるしありじゃない?」

 二人には子どもとしてお年玉を挙げているからあげている金額が違うけど、まあそこを下限にすればパメラも一文無しになる事もないだろう。

「後一人どうしようね」
「エドガスを入れるデス!」
「エドガスくんを? まあ、親戚だしお年玉挙げても良いけど、麻雀出来るの?」
「できるデスよ! 昼寝してる時に何度か遊んだデス!」
「それならまあ、良いのかな?」

 チラッとエミリーを見ると悩んだようだったけど、結局オッケーが出たので最後の一人はエドガスくんになった。
 今日もアンジェラと鍛錬をするために来ていたみたいだから、お昼寝をする前に声をかけないと、なんて思っていたら既にジュリウスが動いてくれていたようでアンジェラがエドガスくんを抱えて飛んできた。
 ……転移魔法だけじゃなくて飛行魔法も使えるなんて羨ましすぎる。



 麻雀大会をするために部屋に引っ込んでいたノエルを連れ戻して、青空の下、麻雀を始めた。
 全自動雀卓の仕組みがいまいち分からなかったので皆でじゃらじゃら音を鳴らしながら手で積んでいく。
 今同卓しているのはアンジェラ、エドガスくん、パメラの三人だった。とても賑やかである。

「レモ! レモモレモンモ!」
「これ? これ捨てるの?」
「レモ!」
「これで大丈夫なの?」
「レモ!」

 明らかに捨て牌が偏っている人が一名いるんだけど、本当に萬子を捨てて大丈夫なんだろうか。
 そんな事を考えながら萬子の八を捨ててリーチをしたけれど特に誰も何も言わなかった。
 下家のアンジェラがツモった牌をそのまま捨てた。捨てた牌はやっぱり萬子じゃない
 対面のエドガスくんはリーチをしている状況なので引いた牌が欲しい物じゃなければ捨てるしかない。

「それ、ロン! 一万八千点!」
「はぁ!? ちょっと待て、さっきあいつが捨ててんだろ!」
「だってエドガスくんが今一番じゃん」
「レモンちゃんレモンちゃん、結果的に見逃されたけどやっぱり駄目な奴だったんじゃないかな?」
「れもも~?」
「早く支払って次やるデスよ!」
「納得いかね~~~」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜

九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます! って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。 ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。 転移初日からゴブリンの群れが襲来する。 和也はどうやって生き残るのだろうか。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

処理中です...